レビューが悪くとも、わたしは好き。
4月から通信講座で校正の勉強をしてきて、やっと今月が最終月になった。
最後だと思えばこそ、やったるぞ〜ってやる気に満ち溢れていたのに、ここ数日だらけてしまっている。加えて、はははの話(わたしが胃痛から仕事を辞め、田舎で祖母・母と暮らしていたときのこと)や、8月に青森へ旅行したときのこともnoteに書きたいのに、全然進まずにいる。
今日も校正のテキストを開いてみたが、頭に入ってこない。だめだな、こりゃ。
やるべきことが手につかず、手持ち無沙汰になっている。見るつもりはないけれど、サブスクを開いてアニメや映画のタイトルをながめていく。右から左に流れていくタイトルと映像。いろいろあるなぁ。
と、見たことがないタイトルを見つけ、心に引っ掛かった。
『合葬』
柳楽優弥、瀬戸康史、岡山天音、門脇麦(敬称略)が出演している時代ものだ。今日は映画を見るつもりはない、とリモコンを進めていくが、やっぱり気になり見てみることにした。
◯映画『合葬』
杉浦日向子さんの同名コミックが実写映画化されたもの。内容は、将軍の警護と治安維持を目的に結成された「彰義隊」に入隊した若者のお話。
徳川慶喜が江戸城を明け渡し、幕府が解体。彰義隊は存在意義がなくなり、反政府の立場に追いやられる。→新政府軍との上野戦争が始まる。
レビューを見てみると、低評価が多い印象。けれど、わたしは思い切って言ってみる。
わたしは好きだよ!!!
わたしは映画通でもないし、演技の良し悪しが分かるわけでもない。でも、とても好みの映画であった。
旧暦5月あたりの話だが、どこか秋風のような涼しい風が吹いている感じ。
終始暗さが漂っていて(映像も暗め)、それが戦いに突き進んでいく人たちの雰囲気だろうと思う。死に急ぐような、血気盛んな危うさというか。
映画自体は戦闘シーンのカキンカキン!が見せ場じゃないので、ほぼ出てこない。戦で散っていった若者たちがどう過ごしていたのか。そんな日々の一部を見せているものだと思った。
時代劇というと、めちゃめちゃ強い剣客がバッサバッサと敵を切っていったり、本懐を見事に遂げて、武士らしく切腹をしたり……。そんなイメージがあった。
でも、この映画の若者たちは、ただの若者だった。弱いわけではないのだろうが、新選組の沖田総司のように百人力ではない。超人漫画や映像もののように、奇跡を起こすわけではない。
若者らしく(?)性欲はあるし、敵の隊服の一部を奪う内輪遊びをするし、軽いいじめみたいなのもある。
死ぬときは死ぬし、切腹だって、やってみたら痛くてしょうがないし、いざとなると、友人の介錯をすることができない。
わたしはそんな人間くさいところが現実であり、一矢報えず物事は終わっていくというところが、彰義隊の若者たちをそのまま見せることができているんじゃないかな、と思った。
役柄で見ると、柳楽優弥は魅惑的だったし、瀬戸康史、岡山天音、門脇麦もぴったりだと思った。
そして、オダギリ ジョーは本当によかった。いるだけで格が上がるというか、素人のわたしでさえもさすが、オダギリ ジョー!と思ってしまった。
原作のコミックは1984年に第13回日本漫画家協会賞・優秀賞を受賞していて人気があるし、じっくり読んでみたいな。
(映画は一部血が出るので、苦手な方はご注意を)