願わなくとも
え!初めてだよね!?記憶の中では多分そう!!
わたしは流れ星を見て大興奮している。
見えないだろうけれど……と思いながら、夫とふたご座流星群ドライブに出掛けた。見えなくても、夜のドライブは楽しいしね。うん。
車から食い入るように空を見つめた。ぜーんぜん星が見えない。これじゃあ流れ星も見えないだろうな。
目的地に着いたので、とりあえず車から降りて空を見上げることにした。
「「あ!!!」」
何分経ったか分からないけれど、そんなに待たずに星は流れていった。
え、うそでしょ?
ぽっと現れては、シューッと消えていった光る点。本当に見えるんだ。
すごい。
すごいすごい。
初めての流れ星。あれが流れ星なのか。肉眼で見えるのか。わたしは大興奮した。
流れ星の動きは、どこかで見たことがあるような動きと速さに思えた。
油のついたフライパンに水を溜めて、食器用洗剤を垂らしたときの分離のような。
蜘蛛の子を散らしたように四方に動いていく、打ち上げ花火の飛遊星のような。
何千年前の星の光と流れ星を見て、自然というか地球というか、天体(?)の素晴らしさに触れたみたいだった。
流れ星は急に現れるし、どこから流れてくるか分からない。流れ星だ!って感動が先にやってきてしまうため、その間に星は流れ終わってしまっている。願い事なんて言えるわけがない。
そもそも、流れ星を見られたこと自体が良いこと過ぎて、願い事を言う・言えないがどうでもよくなってしまった。
これが流れ星か。
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