誕生日の思い出
今年もまた一歳歳をとった。
まだ20代途中。嬉しさの方が大きいけれど。
毎年すりこまれていくのは嫌な記憶。
あのただ純粋に恋をしていたとき、高望みもせず信じてばかりいたとき。 誕生日当日の夜に手酷く振られた経験。ケーキを一緒に食べた数分後。 何の嫌がらせか、冗談かとも思った。しかし全く結果が覆されることもなく。
今となってはただ浮気されてただ面倒に思われただけだけとわかるのに どうしてもあのとき感じた動悸と、自分の無価値さと、やるせなさと申し訳なさが誕生日にはやってくる。
今はあの頃よりもずっと仕事も、友達も、恋人も。 満ち足りているし自信もある
それでも飲み込まれる。
不安感。いつまた見放されるか、信じてよいのか、
ゆらゆら思い出す。
まだ27歳、でも27歳。あの頃よりは必要とされるだろうか。