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ノリで入籍してみたらええやん

とは、中々行かない2人でして。
付き合ってまる8年の先日、4月1日にやっとこさ入籍してまいりました。

記念日が4月1日なのは、私が8年前に告白した際フラれる前提だったので、傷が浅くて済むよう(エイプリルフールの嘘だよと言い逃れるつもりだった)その日を選んだためです。
結果OKをもらったのに、承諾自体が嘘なのでは!?とこちらが信じられず、ややこしい事になりました(笑)

何はともあれ、紺ブレザーに白リボン、学ランを着ている時からたくさんたくさん話して、いよいよ家族になって、あっぱれという感じ。
今の気持ちを書き記しておこうと思います。

少し後に見返した時、「若いわね」なんて笑うのも一興だよね。


結婚式ではしばしば、『病める時も健やかなる時も…』と誓いを立てるらしいのですが、たしかに生きるというのは病める事と健やかである事の繰り返しのような気がします。

穏やかで柔らかい波を踊るように見せてくれる海と、白い泡をかき立てて大きく激しい音を叩きつける海。
そういうものが幾度となく繰り返されて、ある日突然砂浜にきらきらと残る、美しい貝殻がある。
それを拾って光にかざすも、持ち帰ってペンダントにし心臓の音を聞かすも、私たち次第。砂浜にそのまま並べておくのも良い。
ふたりで潮風を浴びながら、寛い海を前に手をつなぎ「こりゃどうしようもないね、とりあえず座っていよう」となす術のない事も多々あるのだろうと思います。
生きていくとはそういう事だから。
明日はいい風が吹くかもしれないね、だからとりあえず一緒に居てみよう、と頷き合う事で生きてこられたから。


ここから先に、同性婚に対してのわたしの意見を書き記します。
読みたくないなと思う方や、誰かの意見を目にする事で不快な思いをしてしまうかも、と感じる方は今週はここまででも大丈夫です。
良かったらまた来週も、ここ陽だまりのかけらでお会いしましょう。

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7時までの延長開庁にダッシュで駆け込み、入籍した日の帰り道。
パートナーと手を繋ぎ歩いていて、「やはりおかしい」と感じました。彼も「これはやっぱりおかしい」と言っていました。
「わたしはあなたがもし女性でも、あなたをパートナーに選んでいたと思う。それがたまたま、あなたが男性で生まれてきたからこうやって家族として認められた。もしあなたが女性だったら、今手に入れたたくさんの権利を得られなかった」。
「うん、これはやっぱりおかしい。言い方は変だけど、たまたま異性でラッキーみたいなこんなの絶対におかしい。どんなふたりも、家族になりたい人はなれて、それでみんな祝福されるべきだ」。

改めてそんな風に思ったのです。
わたしはあなたが男性だからパートナーに選んだのではなく、パートナーに選んだあなたがたまたま男性だっただけなので。
ラッキーパンチで特権階級がたくさんいる現状は、なんとも不自然だとわたしは思いました。不遇を思い、かなり憤ったのでした。

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憤っても、市役所の職員の方に「奥さま」と呼ばれドキドキしても、お祝いに買ったお寿司やケーキを食べ残して冷蔵庫に仕舞っても、明日はちゃんとくる。
少し寝坊をしても、食パンを慌てて食べても、日常はあらかた変わらない。
これからも私たちは、今までとさして変わらず、闘うべきところは一度深呼吸をしてからファイティングポーズをとり、そうでもないところは寝転がってゲームでもしながら生きてゆくのです。


この星に住む誰もが「ノリで入籍」できるようになる日を心から願って。
それから最後は大好きなアーティストからひとことお借りして、今週を締めようと思います。
『そして生活はつづく』。

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