ある一本のだいすきな映画の話
この映画には、スキップするようにチャーミングに生きる人がたくさん出てきます。
笑って、踊って、怒って、泣いて。
歌って、走って、キスをして。
素晴らしい音楽もたくさん流れてきます。
この映画に出逢った日、わたしは大きなスクリーンを前に恋人と手を繋ぎながら指でリズムを取りました。
『あぁ、わたしの人生も、こんな風だったらすごく良い』
この映画を見終わり小さな映画館がふわっと明るくなった時、そんなことを思いました。
2013年にイギリスで公開され、翌年に日本の劇場でも見られた『About Time』という映画が大好きです。
このエッセイには、どうしてもネタバレ要素が含まれてしまうと思いますので内容を知りたくないなという方は、お気をつけください。
作品の詳細については、ここに公式サイトのURLを置いておきます。
http://abouttime-movie.jp/
今日は、キャストの魅力やあらすじをこと細かに紹介するような文章ではなく、友人とお茶をしながら好きな映画について話す時のように書きたいと思います。
ですので、気軽にのんびり読んでください。
ジャンルとしては、物語にタイムトラベルという要素が大きく関わってくるので「SF恋愛映画」とかになるのだと思うのですが、この映画の何が良いって、人間が、生活が、そして家族が本当に良いのです。
もしこれから初めて観る人がいたら、是非細かい時系列に気を取られ過ぎず、チャーミングな生活を楽しく眺めてみてください。
私はこの映画に出てくる家族の姿を見て、とても純粋な憧れを抱きました。
海辺にサンドイッチを持って散歩に行く姿、毎週決まった時間に庭で映画を見る姿、映画の途中に雨が降ってきたら撤収するのではなく傘を差しそのまま見続ける姿、パートナーのお母さんと海辺で一日中お茶をしてチャーミングな冗談を交わすところ。
ウェディングやハネムーンの詳細が中々決まらずヤキモキしながらもゲームで乗り切ろうとする姿、パーティー当日に大雨が降りそれでもやり直しなど望まないところ。
あげ始めると本当にキリがありません。
レイチェル・マクアダムスさんの演じるヒロインのことも大好きです(彼女が出演する作品の中でも、私は特にこの作品で演じているメアリーの事がとびきり好きで、一時期は髪型だけでもと似せていたほどでした)。
のちのパートナー、ティムとの出逢いのシーン。
パーティーを抜け出し楽しく食事を済ませた二人は、レストランを後にします。
「車まで送ってくれる?」
とメアリーに頼まれ、そのままトコトコと冗談を言い合いながら歩きます。
ところがどこまで歩いても車は現れず、
「随分と駐車に苦労したみたいだね」
と笑うティム。そう?と言った後この一言です。
「パーティーには友達に乗せて行ってもらったから、車は家の前に停まっているよ」
すかした感じではなく、その後の言っちゃった〜みたいな表情を含め『こんなにキュートに家に誘うシーン、初めて見たよ…』と二十歳そこそこの私は心を鷲掴みにされたのでした。
他にはこんなシーンが…と書こうとしたのですが、実はもう1300字に迫りつつあります。
私としてはあと軽く1万字は書けますが、恐らく読んでくださっている方はかなりお腹いっぱいになっていることかと思います。笑
ここまで読んでくださって、ありがとう。
最後に、大好きなセリフを一つだけ。
We’re all travelling through time together every day of our lives.
All we can do is do our best to relish this remarkable ride.
僕たちはいつだって 一緒に人生をタイムトラベルしてる。
精一杯生きて この素晴らしい日々を噛みしめよう。