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変わっていくコガバー

2021年。

1月のほとんどをおばあさんと過ごしている。

私のおばあさん。通称コガバー。

なんでコガバーなのかというと茨城県の古河というところに住んでいるから。ただそれだけ。


コガバーは物心ついた時から小姑のようなうるさい人間だった。


年末年始、紅白歌合戦が終わったあとテレビを消して

「いつまで起きているつもりなの。寝なさい」

と言ってきたり、


お正月三ヶ日。ボーッとゴロゴロしていると

「なんで寝ているんですか。だらしないですよ。」

と言ってきたり、


何かお手伝いをするとやり方が違うでしょと怒ってきたり。


とにかく全てのことに首を突っ込んでくる「うるさい」おばあさんだった。

とにかく自分の定規から外れることを許さないおばあさんだった。


そんな小うるさい人間は今自分自身の変化と闘う人間に変わった。


始まりはいつかわからない。

今振り返ると不思議な点がたくさんあった気がする。

10年前から始まった自分の鞄の中で鍵の在り処との戦い。

5年ほど前から始まった「おばあちゃんは大丈夫」「私は絶対にボケません」と言い聞かせる謎の習慣。

3年ほど前から東京から古河まで帰れなくなる変化。

2年ほど前から歩くのが早かったおばあさんが急激にゆっくり歩くようになった歩行スピードの変化。


思いつく限り、たくさんの変化があった気がする。


人生78年目。そこそこの年寄りである。

すでに父方の祖父母、母方の祖父をなくしていた私はこのおばあさんしか残っておらず、他に比較対象がいなかったことから、物忘れを「老化現象」にすぎないと思っていた。

しかし現実は違った。

認知症。

認知症のおばあさんは自分が認知症という自覚はない。

逆に私は認知症になんかなりません。なってませんの一点張り。

それもそれで古河バーらしいというか。期待を裏切らないというか。


2020年1月。ほとんど一年前になるが、初めておばあさんと1週間生活した。その時から認知症の診断は出ていたらしい。

去年一緒にいた1週間はこのnoteで毎日のように投稿していた。

今回2021年バージョンとしておばあさんとの生活、そして自分の中での葛藤をnoteに綴っていきたいと思う。


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えりんぎ
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