"モミジ"という人気キャラ〜六義園の紅葉〜
「お姉さん、いい写真撮れた?」
あれ?まただ。
六義園でモミジを撮っていると、おばあさんに話しかけられた。
しかも、二度目。
六義園の入り口あたりで、私に声をかけてくれたおばあさん。
入り口とはだいぶ離れたところで、再び会った。
こんなに広くて、人も沢山いるのに、また会うなんてすごい…。
そんなことを思いながら、
「撮れました!ここのモミジ、キレイですね。」
と答えた。
すると、「ここも良いけど、小石川後楽園なんてのも、良いよ。こことは、またちがった感じだけどね。」
と、他のおススメスポットまで教えてくれた。
私は、紅葉したモミジを撮るために、六義園に来ていた。
昔からモミジが好きだ。
紅葉した姿に、うっとりしてしまう。
この日も、写真を撮りながら、細かいところまでじっくり観察した。
まず、形がなんともキレイ。
下から見上げると、5つに分かれた葉が、まるで手を広げたように、空に映える。
緑から黄色、赤へと紅葉する様は、見事。
なおかつ不思議だ。
中には、葉の一部だけ紅葉している"紅一点モミジ"もある。
よく観察しては、バシャバシャと撮り……。
気づくと、撮り始めてから1時間半も経っていた。
撮った枚数は、220枚にも及んだ。
モミジは、着ぐるみだ。
テーマパークにいる、人気キャラクターの着ぐるみ。
人が、集まるあつまる。
多くの人を惹きつけてやまない。
人気キャラ"モミジ"を写真に収める人たち。
スマホや本格的なカメラ、三脚など、それぞれの人が様々な機材を使いながら、
思いおもいに写真を撮っていた。
また、モミジを介して、交流が生まれていた。
話しかけてくれたおばあさんと、私の会話。
その日生まれた交流は、それだけではなかった。
「旦那さんと私の写真を撮ってもらえませんか?」と、通りかかった男性に英語で話しかけている、女の人を見かけた。
話しかけれた日本人の男性は、
「ごめんなさい、英語わからないんです。」
と日本語で説明するも、わかってもらえずに困っていた。
私は、写真を撮ってほしいそうですよ、とその男性に教えてあげた。
些細なことだが、そんな交流もあった。
普段だったら、会わない人、話さない人との交流。
モミジが、私たちをつなげてくれていた。
そういう交流も含め、非日常性が"モミジ"という人気キャラにはあると思う。
モミジの、日々の成長や様子は見ていない。
けれど、その間もモミジはそこに存在していて、成長している。
でも、人がモミジを見るのは、基本的に見に行ったその時だけ。
非日常な存在。
それがモミジだ。
テーマパークにいる人気キャラの着ぐるみに会いに、人が集まる。まるでそんな存在。
皆さんも、是非"モミジ"という人気キャラに、会いに行ってほしい。
きっと、思いもかけない交流や、非日常を味わうことが出来るだろう。
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