鷺沢文香のメカクレは日本におけるけるお月見と同じである。

「プロデューサーさんは前髪を分けてる私と前髪を分けていない私、どっちが好きですか?」

事務所のソファーでゆるキャン△を見ていたらこんなことを言われた なんで今?と思ったがそんなことはどうでもいい そう私は鷺沢文香のプロデューサー 彼女の事は全面的にサポートする男だからどんな質問にも全力で答える。

「私は前髪を分けずに目が隠れてるほうが好きだな」

私は座り直し、続けてこう言った。

「日本にはお月見という文化があるよね 夜空に浮かぶ中秋の名月を見ながらお団子を食べる。日本の風情ある伝統行事 でもお月見がある日って雨が降っていたり曇り空だったりで中々月が見えなかったりするよね? 実はこの時期って昔から天気が悪いのが殆どなんだ だけど昔の人は雨月って言ってお団子を隠れている月に見立てて想像で楽しんでたんだ。月の姿を想像しお団子を食べる、そしてたまに雲の隙間から見える月の姿を見て あぁやはり想像よりも実物のほうが綺麗だなぁと楽しむ」

一呼吸でこれ言ったので一旦呼吸をし、私は

「文香も普段は前髪で目が隠れて見えないけど その分たまにチラッと見える瞳がすごく綺麗で、そのなんというか…」

頭に酸素が回ってきてだんだん恥ずかしくなってきた私

「プロデューサーさんったら もう何言ってるのかよくわからないですよ笑 でも言いたいことはよくわかりました。要するに私のことが…」

ダッダッダッ!!
橘ありす「プロデューサーさん!!犬のモノマネすごく得意って本当ですか!?おねがいします見せてくだだい!!」

私「ンアーーーーーいますごくいいとこだったのに〜!! もーーーーーー わん!! わん!!!!!!!!わわわ!! そうさ俺は犬人間〜〜!!」

ありすの爆笑の声と私のガチウマ犬ボイスが事務所に響く中 文香だけは何だか不満そうな顔をしていた。

めでたい めでたい


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