缶入りクッキー

年末に帰省して母の買い物について行ったときに
ねだって買ってもらったギフト解体セール品の
大きなまるい缶に入ったクッキーをようやく開封して
口さみしいときにちまちま食べている。

缶に載っている写真では
チョコチップクッキーには、はっきりと分かるくらいチョコの塊が点在して
「俺はチョコチップクッキーだ、横にいるふつうのバタークッキーとは違うんだぜ」と言わんばかりの自己主張なのに、
実際のチョコチップクッキーは普通のプレーンクッキーと
区別がつかないくらいチョコの存在感がなくて、
食べても予想通りチョコの味はしない。
ふつうのバタークッキーと化している。

「どこが作ってんだよ?」って表示をみたら、
原産国はポルトガルで「なら仕方ないか」となんとなく納得してしまう。
ポルトガルのことなんて全然知らないけど、
ポルトガルはクッキーに強そうなイメージが全然ないから
「じゃいいや」ってあっさり引き下がってしまうのである。

チョコチップ問題を抜きにしても、クッキー自体はあまり美味しくない。
食べた時に安いマーガリンの味がする。
上等なクッキーだったらここでバターの風味が広がるはずなのだ。
子どもの頃、やっぱりこういう大きなまるい缶に入ったクッキーを
家族でつまんで食べることが時々あって
そのときはすごく美味しかった記憶があったのだけど
あれはきっといいとこのクッキーだったに違いない。

クッキー美味しくない、とは思いながらも、
食べていくと缶の中で確実に枚数が減っていくのをみるのはかなしい。
これが空になったら絶対にわたしはガッカリするし、
現に今も減り具合を確認して食べる量をセーブしたりしている。
(みみっちくもいじらしい自分、
 こういうとき自分には可愛げがあると思う)

大きな缶に入ったクッキーというのは、単純に味だけじゃなく
「こんなにたくさんの量を食べられるよろこび」とか
「まだなくならない安心感」とかそういうのがあるなあと思った。



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