完成披露先行上映会 舞台挨拶 Side D『映画きかんしゃトーマス 大冒険!ルックアウトマウンテンとひみつのトンネル』 2024/4/6 @新宿ピカデリー
2024年4月6日(土)『映画きかんしゃトーマス 大冒険! ルックアウトマウンテンとひみつのトンネル』(4/18公開)完成披露舞台挨拶が、ゲスト登壇者にやす子さんとディーン・フジオカさん、そしてきかんしゃトーマスを迎え、桜満開の都内、新宿ピカデリーにて開催された。
親子の招待客と一般の観客を中心に約500人を集め盛大に行われたが、舞台挨拶が進行するにつれて、映画を待ちきれない(?)またはトークに飽きてしまった(?)子供たちの容赦ない泣き声がどんどん大きくなり…という想定外の出来事に、Deanさんとやす子さんが力を合わせて対処するという、Deanさんの舞台挨拶では今まで経験のない異例の展開となった。
【ディーン トウダン 登壇】
舞台上ではまず、上手(かみて・舞台に向かって右側)の黒い衝立の奥からDeanさんと、後ろに続いてやす子さんが登壇。
中央に歩きながら「はい~お願いします」とやす子さんが先に声を発し、Deanさんも歩きながら「はい~お願いします~始まりました~」と、やす子さんの「はい~」というギャグを真似する口調が笑いを誘い、新お笑いコンビ誕生かと思うほど、会場は一気になごやかな雰囲気に。
舞台中央にDeanさんとやす子さんが並び立つと、司会者の合図で、今度は全員で「トーマス!」と呼ぶと、トーマスが上手から登場した。
トーマスは背が低いので、子供たちからは見えなかったかもしれないけれど…。
日本武道館のライヴ以来、約6か月ぶりに公の前に姿を現したDeanさんは、口元と顎に薄く髭をたくわえている。
ヘアスタイルは表面をやや撫でつけているが自然な感じ。
「やす子さんの迷彩服のイメージだった」と舞台挨拶最終盤で明かした迷彩服風の緑とオレンジのプリント模様が華やかなアロハシャツに合わせた、柔らかで春らしいベージュのセットアップ。
靴はヒールに少し高さがある黒いショートブーツという出で立ち。
会場の拍手に応えて両手を振り上げ(もっと拍手を!)と鼓舞するDeanさんの姿が、武道館の時と重なってなんだかとても懐かしく嬉しかった。
トーマスの「今日は楽しくなるよ~」との言葉でさらに盛り上がる期待の拍手。
Deanさんは歯を見せてニッコリ笑い、首を動かして会場のあちらこちらを見渡し手を振った。
今までの大人向けの舞台挨拶などでは、おそらく意識して観客とは目を合わせないようにしているDeanさんが、積極的に会場の子供を見つけては笑顔を振りまき手を振っている。これはとても珍しい事。私の隣席も知人の男の子だったので、笑顔のおこぼれをたくさん頂くことができた。
【ディーン アイサツ 挨拶】
人生で一度きりの今日この日。
気が遠くなるほど膨大な準備をして、幼い子供とようやく家を出て、電車や地下鉄に乗ってやっと舞台挨拶に連れて来たのに、始まった途端、子供がぐずり出したら…。
子育て経験のある人なら誰でも身に覚えあるシチュエーション。
子供が泣いて周りに迷惑をかけていないか、さらには舞台挨拶の進行に影響してしまったら…と想像するだけでハラハラドキドキ、身が縮む思いのパパやママの姿が容易に思い浮かぶ。
今回も例外ではなかった。
「ディーン・フジオカさんです!」と司会者の方に紹介されて、さあ挨拶!と息を吸ったように見えたDeanさんだったが、早くも前列のほうから子供のぐずり声が聞こえてきた。
Deanさんは吸った息のまま声のする方向へ素早く笑顔を向け、首を左右に振りながらぐずっている子を見つけ出し「大丈夫か~」と優しい眼差しで手を振った。
さらに、ニコニコと「始めてもいいか~?」「いくぞ~!」と拳を軽く振り上げ、リラックスした表情で挨拶を始めた。
子供の口にタオルハンカチを押し込みたくなるくらいパニックに陥ったパパやママは、このDeanさんの気遣いにどんなに安心したことだろう。
「ウィフを演じさせて頂きました、ディーン・フジオカです。今日は皆さんよろしくお願いします!」大きな拍手がDeanさんを包んだ。
ダーシーを演じたやす子さんのドリル型の帽子を指差して「どこで作ったんですか?」とDeanさん。
「スタッフの手作りなんです」とやす子さんが答えると
「手作り?手作り!!」とDeanさんは驚いた様子で、ややオーバーアクション気味に会場に同意を求め、会場からは大きな拍手が沸き起こった。
【ディーン ドキドキ 初披露の今の気持ち】
この映画は4/18㈮からの全国上映に先駆けて、今回初公開になるため、初披露の気持ちを司会者から問われると、Deanさんはこう答えた。
Deanさん「僕はこの作品が声優としては第2作目(1作目は『フラ・フラダンス』(2021年公開))になるんですね。
なのですごく初々しい気持ちで、今舞台に立たせて頂いております。
皆さんにどういう形で、ウィフというキャラクターが映るのか、ほんとにねぇ、ドキドキしています。
やっぱまだ新人なので、2作品目、トーマスの仲間たちの輪に加えていただいて本当に光栄に思います!」と改めてトーマスのほうへ向き直った。
会場内の子供の居る場所を見つけては、手を振り笑顔を振りまくDeanさんの視線が、流れ弾のように私とも目が合った瞬間、メモを書いている手が止まり、頭が真っ白になってしまった。
告白すると、私のレポはいつもDeanさんの言葉を現場で書き取ることから始まるが、いつもDeanさんの言葉を頭の中で反芻しながらメモを書いている。
忘れちゃうので書き終わるまで反芻し続けているが、目が合った瞬間その手が完全に止まってしまった。ヤバい(笑)れど、嬉しい(笑)とも思う。
Deanさん、ありがとうございました!
【ディーン ホメホメ やす子さんを褒める】
やす子さん「映画のなかで『はたらきもの、いちばん!』という歌を歌っていますが、ダーシーは仕事が大好きなキャラクターですごく一生懸命。仕事が大好きというところ、どうして自分が芸人という職業についたのか、初心に帰れます」
この言葉に会場から拍手が沸き起こる。
右手でマイクを持ちその手を左手で支えながら聞いていたDeanさん。
「いいこと言いますね~」とやす子さんを褒めた。
「ドッキリ以外はみんな嬉しいです。はい~」とやす子さんもニッコリ。
【ディーン ワクワク 印象的なシーン】
Deanさん「オープニングですね。自分が初めて収録させて頂いた時に観て、今から何が起こるのだろう!お客さんの立場でここから未知の世界が始まると、ワクワクした思い出があります」
このあたりで、飽きてしまったり映画が楽しみな小さい子供たちの泣き声が「エーン」「ワーン」…あちらこちらから聞こえるようになる。
Deanさんもあちらこちらに目配りをしながら
「盛り上がっていきましょう!」マイクを握る手にも、呼びかける声にも力がこもっていた。
【ディーン シツモン 質問】
ここでトーマスからの質問。
「物知りウィフに質問できるの嬉しい!」とトーマス。
トーマス「大大大冒険クラブのみんなで行けるような、日本でのおすすめ探検スポットを教えてほしいな」
Deanさん「ここ(新宿)から徒歩でいける大冒険スポットを」
トーマス「どこだろう…?」
Deanさん「歌舞伎町」
やす子さん「歌舞伎町?」
「えぇぇ?」突拍子もなく意外な答えに、どよめきや笑い声に包まれる観客席。
Deanさん「映画を観終わった後に、大大大冒険クラブの一員になったつもりで練り歩いてください」
このDeanさんの想定外の答えに、
「親御さん、絶対行かないでください!」とマイクの声が大きくなるやす子さん。
Deanさん「大久保、新大久保のほうまで是非。百人町のほうまで是非ね、大冒険して下さい」
最後は映画きかんしゃトーマスの「大冒険」にもってくDeanさん。
やす子さんもフォローの覚悟を決めたのか
「これつけて(入場者に配布されたトーマスのサンバイザー)みんな、被り物つけて、はい~」とみんなを促す。
さっきまで必死で止めていたやす子さんも、Deanさんのブレない歌舞伎町プレゼンについに折れた模様。
そしてトーマスの次の一言が決定的に流れを変える。
トーマス「大冒険だけど~!僕が行っても大丈夫かなぁ?」
トーマスのこの意外すぎる返しに、観客席の大人たちが爆笑した。
Deanさんが「トーマスが歌舞伎町を?このまま?」と冷静に返す。
大笑いの大人の観客。
Deanさん「警察に捕まってしまうかも。中に誰か入ってるんですかって。新宿ダメだったらどこに行けるんだろうな」
捕まってしまうかもと言われて、仕方なく引き下がるトーマス。
【ディーン オススメ これまでに見たいちばんきれいな景色】
気を取り直して話題は「いちばんきれいな景色」へと変わる。
Deanさん「私が見てるこの景色ですよ。だからこそ、みんなこのあと歌舞伎町に行きましょう!」とあくまでも歌舞伎町にこだわるDeanさん。
やす子さん「今は桜がきれいですね」
と話題を今日が満開の桜へ誘導する。
トーマス「(お花見に)僕も行ってみたいな!」
司会「新宿御苑※ も、ありますね」
(※新宿御苑は、ここから徒歩10分以内で行ける有名なお花見スポット)
Deanさん「新宿はいろんなところがありますからね」
トーマス「みんなで楽しんで欲しい。自由に楽しむのが一番だよね!」
Deanさん「確かに」
ということで、ここから「楽しむ練習」=歌がスタート!
【ディーン ウタオウ 「はたらきもの、いちばん!」歌】
「はたらきもの、いちばん!」は、やす子さんが演じるダーシーが劇中で歌う自己紹介ソング。印象深く元気の出る挿入歌だ。
やす子さんがこの映画で1曲歌っていたのなら、Deanさんも1曲くらい歌えたら良かったのにね…。Deanさんの歌、聞きたかったな。
この「はたらきもの、いちばん!」という楽曲を映画が始まる前にみんなで練習して、本番に備えて楽しもうという企画。
Deanさん「あ、僕歌うんですか?ここで一曲みたいな」
司会「あの歌、いっちゃいますか?」
Deanさん「みんな~!準備はいいか?」(拍手と歓声)
「準備はいいのか?いくぞ~!」
とまるでDeanさんのライブの時のように、拳を振り上げニコニコ顔のDeanさん。
一方で、観客席では子ども達の泣き声が、ますます会場内のあちらこちらで聴こえるようになり、明らかに泣いている子供たちの人数が増え、その声もどんどん大きくなっていくようだった。
Deanさんをまだまだ観ていたいけど、子供たちのために、そろそろ上映始めたほうがいいんじゃないの…?そんな心の声も聞こえてきそう…。
Deanさん「全員泣かせにかかってく?この曲、『全米が泣いた』っていうね、この曲。違う?」とやす子さんに。
登壇しているDeanさんややす子さんも、子どもたちの泣き声が聞こえているんだ、と思った。
『はたらきもの、いちばん!』の曲の映像がスクリーンに大きく映し出され、歌詞の合間に入る「そうダヨ」や「すきダヨ」になると、司会者が「そうだヨ」や「すきダヨ」と書かれた団扇をサッと出して、みんなの歌が揃うようにしているのだがこれがなかなか難しい。
練習のあと『はたらきもの、いちばん!』を1曲通して歌い、なんとか練習を終えた。
Deanさんも「難易度高いですね。全く被せられなかったです、僕。(団扇に)準備万端ですね」と。
やす子さん「(子どもたちに)じっとしてて偉いね。ごめんね長時間すわらせてしまって」と子供を気遣うやす子さん。
やす子さんは若いのに、お母さんの素質のある方だなぁと思った。
やす子さん「今回初めてアニメの歌を楽しく歌えたので、はい~。泣いている子も笑っちゃうんじゃないかなって思います。大丈夫、泣くのは生きている証拠なんですね。素晴らしいと思います」
やす子さん「辛くなったら休む勇気も必要で、いろんな人に正直に、お父さんやお母さんとかに不安なこととか相談してみたりしてください。
あとは、友達作るのに焦っちゃうと思うんだけど、焦らずとも勝手に自然にできるので、楽しい学校生活を送ってください。
あとね、学校で『はい~』って言いすぎると怒られるので『はい』と。ちゃんと返事して下さいね、はい~」(拍手)「あと親御さんも子育て頑張ってください、親御さんがいちばん大変ですからね、はい~」(拍手)
やす子さん、もう何人も子育てしているかのような素晴らしいアドバイスにみんな拍手を贈った。
そして、やす子さんの「休む勇気」という言葉に、Deanさんの楽曲「Runaway」を連想して頭の中で聴こえてきたのは私だけではないはず…。
【ディーン アドバイス "泣いたっていい"】
やす子さんと同様のアドバイスを求められたDeanさん。
Deanさん「左(やす子さん)に同じです。付け足すとしたらですね、いや、泣いてもいいんですよ。人生ね、泣いたっていい。泣いている時もあれば、笑いたい時もあればね、いろんな局面、いろんなシチュエーション、いろんなステージがあると思います。
でもそういう時に前に進むことを恐れずに、好奇心だったりね、興味、そういうパッションていうものに純粋な気持ちで向き合って、勇気を持って未来に突き進んで行ってくれれば、きっと幸せ、きっと楽しい人生が送れるんじゃないかなぁと思います。
ルックアットマウンテン大冒険、この作品を観てきっとね、年齢関係なく世代関係なくみんなが共通言語のようなものを手に入れられるような、そんな作品になってるんじゃないかなぁと思っているので、皆さんご家族でぜひ楽しんでください」
トーマス「みんなで大大大冒険クラブを作って、出発進行!」
Deanさん「行こう、みんなで歌舞伎町へ行こう」
やす子「親御さん、絶対に行かないで下さい!」
テンポの良い3人の掛け合いが笑いを誘った。
Deanさん「皆さん、今日はやす子さんの迷彩服のイメージに合わせた衣装でしたが、スベる事を恐れて言えなかった事を告白します」
どおりで今日のDeanさんの衣装は、やす子さんの衣装としっくりくるはずだ。
そして、Deanさんとやす子さんの掛け合いは、意外と息が合っていてとても良かった!
(このあと、色々なインタビューが公開されたが、Deanさんとやす子さんは、やはり息が合っていると確信している)
【ディーン フォトセッション】
最後に舞台挨拶ではおなじみのフォトセッションがあり、観客も曲が流れる間は自由に撮影ができるというボーナスタイムがあった。
Deanさんはいつも以上に笑顔が多めだった。
いったん登壇者が、さっき出て来た上手(かみて)の出入口へ姿を消し、再び客席の扉から出てきて通路に一列に並ぶと、各マスコミの撮影が始まった。トーマスのサンバイザーを被って下さいと事前にアナウンスがあったので、観客とも一緒に撮影をした。
撮影の間、Deanさんはカメラの動きを正確に捉え1つ1つのリクエストに応えて笑顔を送っていた。最後は動画撮影を行い、観客も手を振るように言われたりした。
撮影が終わると、Deanさんは子供たちに笑顔を向けて手を振り、子供たちや大人たちとハイタッチしながら会場を後にした。
その後まもなく、映画の本編の上映が開始した。
子供向けの映画の舞台挨拶って大変だなぁ…。とは言え、
翌日の情報番組では「泣いたっていい」のくだりが、あたかも春の新入学児へのメッセージのようになっていて、妙にホッとしました。
お疲れ様でした!!
■作品メモ■
映画きかんしゃトーマス
「大冒険!ルックアウトマウンテンとひみつのトンネル」
2024年4月19日公開
ゲスト声優としてウィフ役にディーン・フジオカ、ダーシー役にやす子が起用
【ウィフ】
スクラップから新あたらしい発明品はつめいひんを作つくり出だす、サステナブルなタンクきかんしゃ。
丸まるいメガネがトレードマーク。
【ディーンさんコメント】
この度、『映画 きかんしゃトーマス ⼤冒険︕ルックアウトマウンテンと ひみつのトンネル』でウィフ役を担当します、ディーン・フジオカです。
世界的に愛され、僕が幼いころから⼦どもたちの⽇常⽣活の中に溶け込んでいるトーマスの世界に声優として参加することになってとてもワクワクしています。
声優のお仕事は今まで 1 回しかやったことなく、⾃分の中では興味はあるけど、まだまだ これからいろんなトライをしてみたいなと思っていたところ、今回こういう形でお話をいただいてすごく嬉しく思いました。
⾃分の⼦どもたちもよく知るキャラクターなので、普段のミュージシャンや俳優といった仕事とは違う形で作品が⼦供たちに届くチャンスなのかなと思っています。
普段活動してる中では出ないような声を出せるきっかけをいただいたので、そこに注⽬していただけたら嬉しいです。
共演のやす⼦さんは声がすごく特徴的な⽅なので、かわいらしい声のトーンがトーマスの 世界でどう響き渡るのかすごく楽しみですね。
映画を楽しみに待っているお⼦さんはもちろん、⼀緒にご覧になるお⽗さんお⺟さんにも 楽しんでいただけるよう、精⼀杯演じさせていただきます。
【ウィフとダーシーについて】
僕はトーマスの名に恥じぬよう、心を込めてやらせていただきました。やす子さんが演じたダーシーの声を聞いて、選ばれるべくして選ばれた人だと思いました。ここから「はい~」が「ダーシー!」になるのが楽しみです(笑)。
【絵柄がリニューアルしてよりポップになったことについて】
僕が子どもの頃と比べてニュールックのトーマスは、よりユーザーフレンドリーになって間口が広がっていると思います。
【仕事に取り組む意義を考えさせられる深い内容について】
やりたい仕事をやっていても、仕事の全てがそうではないこともありますよね。そんなとき、説教くさくなく背中を押してくれる、大人が見ても感じるものがあると思います。
【仕事をする上での自身の役割のとらえ方】
自分はストーリーテラーだと思っています。感動を生み出し、それを届けることが自分の社会における役割だと思い、俳優や音楽など、いろいろな活動を行っています。