ドイツ人のおばあちゃん
昨日久しぶりに会った友人とは午前中だけの予定にしていたのだが、私の予定はいつも変わりやすい。特に久しぶりに会うとなると、私の予定はすごく変わってしまう。
ちょっとだけ会って、「じゃあ、これで帰る。家でやることあるから、またね。」だと、何となく許さない自分がいる。
せっかく、久しぶりに会ったというのに・・・
なんてこと言ってるけど、本当は、午後にすることがあった。オンラインのコーチングのグループ講座だ。
結局、家に着いたら、間に合わず・・
いつもそんな感じになってしまうのを知ってるから、誰かに会う日というのは、他に何も用事がないときにしようと努めているんだ。
彼女と最後に会ったのは、去年の7月で、もう10ヶ月も経ってしまっている。
そんなに会わない期間が長くなると、会ったときには話題も豊富。
女同士だし!?
話の内容は、彼女と娘さん2人、息子さんもコロナに感染して、大変だった去年のクリスマスの話や、彼女の仕事の愚痴、私の近況などなど。
その中でも、考えさせられた話があったので、ブログに書こうと思った。
それは、10年ほど前、彼女の旦那さんがカナリア諸島のグランカナリアに、仕事の関係で、単身赴任で行っていた時に、彼女と子供さんたちが、ある夏休みに遊びに行ったときのこと。
旦那さんの借りていた家に着いたら、隣の家のドイツ人のおばあちゃんが、家から出てきて、3人の子供を見て、「まあ、大変だわ!」といきなり叫んだのだそうだ。
その近所には、子供がいる家庭がなかったから、うるさくなると思ったらしい。
だから、子供達が周りに迷惑などかけずに、静かに遊んでるのを見たおばあちゃんは、謝罪のためか、ぬいぐるみをひとりひとりにプレゼントしてあげたのだそうだ。
その時から、おばあちゃんと私の友人はたまに話すようになった。
しばらくして、おばあちゃんの家には、たまに高齢の男性が訪れていたことに気づいた。
ヘルパーさんにしては、高齢だけど、もしかしたら、買い物の商品だか何かを届けに来てくれる人かもしれないと私の友人は想像してたら、その男性がおばあちゃんの旦那様だということがわかった。
なぜ、一緒に住んでいないのか。
おばあちゃんはがんを病んでいたのだった。
しかし、旦那さんもがん。
おばあちゃんは、がん治療で、身体が弱ってしまい、旦那さんの世話を出来ない。
それに、以前のように、日常の自分の身だしなみをきちんとすることが出来なくなって、そんな姿を旦那さんに見せたくないという気持ちがあったのだそうだ。
旦那さんは、そういうおばあちゃんの気持ちを受け入れてあげて、必要なものを届けるだけでもという理由で、様子を見に来てあげてたということだった。
本当は自分も、がんで大変な思いをしているのに。
これが愛だ・・・
この話を聞いて、
おばあちゃんの身だしなみがきれいに出来ないからなんていうのはわがまま。旦那さんも病気なのだから、お互いに助け合うために一緒に住んだっていいじゃないか。
と思うかもしれない。私もそう思う。
確かに、旦那さんはかわいそう。
でも、おばあちゃんはずっと愛してきた人に、自分のうまく動けなくなって、きれいにしていられない姿を、毎日、それも一緒にいて、しょっちゅう見られたくない。
プライドか。
プライドって、あまり良い意味に捉えられない。
自尊心が高過ぎて、おごりや自慢がある状態のこと。
でも、反対に、長所として、
自分の知識や能力に自信があり、誇らしく思っている状態のこと。
自分の信念を持っていること、自信があるからこそ行動ができること、向上心があって努力できる。
どんなに年齢を重ねても、この良い意味のプライドは必要だと思う。
お互いのことを理解し、尊重するから、一緒に暮らしていないというこのご夫婦のようなカップルって、もしかしたら、世界で他にもたくさんいるのかもしれないな。
参照 https://woman.mynavi.jp/article/210202-18/