「一緒に頑張っていきましょう」子育て世代と佐渡市長さんとのタウンミーティングに参加して
2021年5月22日に佐渡で行われた
市長タウンミーティングに参加してきた。
こちらは、子育て支援施策について、
子育て世代の市民の要望や想い、質問を伝えられる場として、
また佐渡市としての方針や取り組みを伝える場として、
要は双方向の意見交換ができる場
として佐渡市の企画課政策推進係の方々が
設けてくれた機会だった。
本来は、市内在住で小学生以下のお子さんを持つ保護者の方限定
だったのだけど、
問い合わせたところ子供のいない私でも参加してOKということで、
ひょっこら出向いていったのであります。
行政とわたしたちの暮らしは繋がっている
以前のわたしだったらこういった場に行こうなんて
考えもしなかった。
堅そう。
居心地悪そう。
緊張する。
何言ったらいいのかわからない。
面倒くさい。
そもそも興味がない。
そんな感じ。
でも、海外含めいろんな地域のことを知るようになったり、
いろんな学びや人の話を聞くようになって、
政治や行政とわたしたちの生活は切っても切り離せないもの
だということがようやくわかるようになってきた。
生活や住んでる環境に文句を言っていても変わらない、
仕事や働き方を嘆いていても変わらない、
子育て支援や教育に対して不満を愚痴っていても変わらない。
海外でも地方の自治体でも、
うまくいっているところっていうのは、
市民と行政がセットで動いている。
声を上げるから声が届いて、施策が生まれる。
「もっとやってよ」「もっとこうしてよ」の
くれくれスタンスではなくて、
行政でまかないきれないサービスは民間で運営する。
そういった両者が批判非難、対立する構図ではなくって、
対話、協力、共に、の関係にならないと始まらないんじゃないかと思う。
この年になって“ようやく“というのが
なんともお恥ずかしい限りだけれど、
タウンミーティングに参加してよかった
というのが正直な気持ち。
参加できなかった佐渡市在住の子育て世代の方も多いだろうし、
佐渡市に限らずとも、
人口減少含め地方が抱える問題は共通項が多いと思うので、
こちらでタウンミーティングの情報をシェアしたいと思う。
ちなみに、進捗含め秋以降にももう一度
タウンミーティングを開催する予定とのこと。
「(タウンミーティングを)やるだけで終わらせるつもりはない。」
と話された市長さんの言葉がなんとも力強くて、
胸に届いた。
市長さんのビジョン
冒頭の市長さんのお話は、
2100年には日本の人口が半分になる
という話題からスタートした。
これが何を意味するか?
子供たちが大人になったときにどんな影響を与えるか?
人口の減少は止めようがない中で、
20年後、30年後、40年後の未来のために、
何ができるか。
今だけではなく、未来を見据えた視点が大事
と伝えたかったんじゃないかと思う。
その上で、
子育てしやすい島に
子供を産みやすい島に
3人目まで安心して産めるような施策を
考えていきたいと話してくれた。
市長さん自らの子育ての苦労や抱えた不安なんかも
ポロリと教えてくれた。
質疑・応答タイム
市長さんのお話の後、3つのテーマごとに
質疑応答タイムになった。
申し込みの際、事前に提出した質問があったのだけれど、
当日はそれに対する回答時間だったらどうしようと
内心かなり気になっていた。
事前に質問と言われても
何を聞いたらいいか思い浮かばず、
絞って絞って考えた質問は提出した直後に後悔した。
取り消したいくらいしょうもないものもあった。
けれど、事前の質問は回答含め一覧にまとめてくれてあって、
当日はその場で聞きたいことを聞くことができた。
よかった!
全部シェアとはいかないけれど、
会場で出た意見をシェアしたいと思う。
メモを起こしているため、
どうしても拾いきれずそのままの言葉になっていない
ところが多々あります。
その点、ご承知の上で読んでもらえたら嬉しいです。
3つのテーマ
⒈妊娠・出産について
⒉子育て支援について
⒊保育・教育について
===
Q :Iターンで佐渡に移住し、頼れる人がなかなかいない。
子育て世代と子育てを終えられた方と交流できるような
イベントがあったら嬉しい。
↓
A:世代間交流はとても大事。
そういった場に出たい方は多いと思うけど、どう出てきてもらうかが課題。
若い人たちが中心地区に新しい家を建てて、そこにコミュニティができている。でも若い人の相談できる場所がないのが問題と考えている。
Q:妊娠出産を安心安全にできる、したいと思うような性教育の機会があるといいんじゃないか。
赤ちゃんをだっこするような機会があるといいと思う。
↓
A:首の座ってない赤ちゃんを抱かせるのは正直ちょっと怖い。
でもそういう機会は本当に大事。
今の子供たちは兄弟が少ない中育っていく。
自分が赤ちゃんを抱くような体験して知るがすごく大事。
Q:主人がサービス業で土日2人の子供の面倒を1人でみるのが大変。
下の子は未就園児のため上の子と一緒に支援センターに行けないのが悩み。
自宅に誰かに来てサポートしてもらえるとすごく助かる。
↓
A:移住して、子育てしたい、しやすい島にしたい。
移住者の人は近くに親がいないから一人でみないといけない大変さがある。
ここを整えていくことは移住者だけではなく、在住の人にとっても助かる。
ただ人材がなかなかいない。人材確保がかなり難しい。
まずは拠点を絞って始めてみたい。
市だけではまかないきれないところがあるため、民間でそういったサービスがあるといい。
でも佐渡にはない。
秋に課題解決型の起業コンテストがあるので、そういったチャレンジをしてくれる人がいたらぜひ支援したい。
Q:土日解放している学童施設はとても混雑している。
小さい子のおもちゃも大きい子が利用している姿も見かける。
換気や衛生面ももう少し考慮してほしい。
↓
A:学童のような施設が余ってる。
コミュニティセンターも稼働率が低い。
ただ、補助金で建てたものは目的外には使用しにくい。
システムと紐付けて、フレキシブルに利用できる仕組みはできないか検討したい。
===
事前に提出された質問への回答一覧は、
佐渡市のHPでも後日公開される予定だそう。
ただ、OKいただいたので、こちらでも最後に紹介したいと思います。
拠点で攻めたい市長と身近に気軽にがほしい子育て世代
質疑応答の中で、両者の想いのズレも見えてきた。
人材確保の観点から
相談できる場所や子供たちが遊べる場所を
集約して拠点をつくりたいと考えている市長。
それに対して、
子育て世代のママさんたちは、
身近に気軽に利用できる場所を求めていた。
佐渡は意外と広いから、
中心部に出てくるのに片道30分〜1時間以上かかるところも
少なくない。
小さい子を抱えて、ようやく車に乗せて出発したのに、
長時間運転している間に気分が変わってしまったり、
寝落ちしてぐずったりするなんてこともよくあること。
天気が悪い日なんかは、行って帰ってくるだけで
どっと疲れてしまうんじゃないだろうか。
予算の面や人材の面、場所の確保などなど
市として動ける範囲が限られているけれど、
要望は強い。
何かできたら…と思いが芽生えるも、
フリースクールを立ち上げたものの
続かなかった自分は
躊躇してしまうから情けなくもどかしい。
どんな子を育てたいか?市長のビジョン
どうしても聞きたい、伝えたい想いがあって、
ドキドキしながら挙手してわたしも質問させてもらった。
「どんな子を育てたいと考えているか?
市長さんのお考えを教えてもらいたい」
と、なんとも一丁前に。
この質問をした背景には、
佐渡のこの豊かな自然を生かした独自の教育
を
展開していってほしいという想いがあった。
学力とか点数とかを追い求めて、
子供たちのエネルギーを奪うような教育ではなくって、
もっとダイナミックに伸び伸びと
自然の中で自由に解放するような教育。
そして、佐渡の課題を見つけられたり、
佐渡のもつ魅力を活かすような発想を持てたりする子
を育てたい。
それが佐渡の魅力となって、
子育てするには最高の環境、
魅力あふれる教育が受けられるとなれば、
移住を検討してくれる方への大きなアピールになる。
そんな風に日々感じていたから、
市長さんはどこを目指されているのか聞いてみたかった。
市長さんの回答は、共感するところが多くて、
なんだかわたしは希望が持てた。
「佐渡を知る子供を育てたい。
佐渡に誇りをもつような子供を増やしたい。
誇りは知ることで生まれる。
それには親や大人が佐渡に誇りをもたないといけない。
親は子の鏡だから。」
学力に関するところは、正直ちょっと残念に思うところもあったけれど、
学力至上主義ではないなと感じられたのがいちばん嬉しかった。
参加者さんのパワー
思っていた以上に、活発な意見交換が展開された。
この日はちょうど運動会の日程と重なって、
参加したくてもできなかった人も多かったみたい。
ただ、こういった場に参加される方って
やっぱりエネルギーというかパワーがあるなって感じた。
Iターンの移住してこられた方や
Uターンの方が多かった印象がある。
やっぱり佐渡のこの環境を求めて、
移住という大きな決断をして来られた方、
一度外に出られて、外を知った上で帰ってこられた方は
視点も広く、
思いも強くなるんじゃないかと思う。
男性(お父さん)の姿もちらほら見られ、
わたしの隣に座っていた方もスーツ姿の男性だった。
男性がこういった場に参加されることはいいなぁと感じたものの、
質疑、意見交換含め、声を上げたのは全員女性だった。笑
市長さんから
「せっかくだから男性(お父さん)のご意見もぜひ」
とお声がかかった際、
わたしの隣の男性にピクリと緊張感が走ったのが
伝わってきた。
まだまだ子育てにおいては女性が担う役割が多く、
どうしても女性がメインになるのかもしれないけれど、
お父ちゃんがんばれ!と、
1人そんなエールを送りたくなった自分がいた。
一緒に頑張りましょう
会の最後に市長さんが放った言葉が好きだった。
「今日は貴重なご意見をありがとうございました。
市民の方が気軽に行政サービスセンターに行って相談できるようにしたい
と考えています。
その上で、市民の方が動いていける仕組み、支援を考えていきたい
と思っています。
ぜひ、また企画をあげてください。」
そして、
「一緒に頑張りましょう」
と。
これは完全にわたしの主観にはなるけれど、
それまでの質疑応答の中で、
市長さんの言葉にはその場限りの“いい返答”をしておく
という意図が感じられなかった。
そこがすごく好感が持てた。
参加者一人一人の意見を真摯に受け止めてくれ、
対応できないこと、問題があることも含めた上で、
難しいことはきちんと伝えてくれた。
そして、改善できそうなこと、
市として動く必要があることに対しては、
「すぐに変えます(動きます)」
と話してくれた。
以前、ある方の話を聞いたときに、
「政治家を選ぶ時は、直接会って話を聞くのが一番」
と教えてもらったことが腑に落ちる。
文字面だけではわからない、
表情だったり、声のトーンだったり、
目の強さやオーラみたいなものは嘘がつけない。
市長さんの
「一緒に頑張りましょう」という言葉には、
“共に“の想いが強く感じられた。
おまけ:事前質問への回答一覧
最後に、事前に寄せられた質問への回答をシェア。
ちょっと写真が見にくくって申し訳ない!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?