
☆晴耕雨読の豊かさに 気づき始めた35歳の秋の空☆
実家が農家です。
この時期は、
1年かけて大事に育てたおけさ柿の
収穫最盛期!
農家は1年中休みなしですが、
この最時期の忙しさは、別物です。
物心ついた頃から、
柿もぎの時期になると
家に帰っても誰もおらず、
顔を見て、
今日学校であったこと、
くだらない帰り道での発見などを
話したいお母さんはいつもいませんでした。
それが子ども心にとても寂しかったけれど、
それをお母さんに言ったりすることは、
忙しいお母さんをさらに苦しめてしまいそうで、
口にできなかったんだと今頃思い出します。
お母さんやお父さん
(当時はおじいちゃんとおばあちゃんも現役)
が家に入ってくるのは、
夜8時を過ぎることも多かったです。
それでも
お母さんは子どもたちがお腹を空かせてるからと
早めに入ってきてくれて、
一息つく間もなく晩ごはんの準備をしてくれました。
その間も納屋で電気を点けて、
黙々と柿の選別を続けるお父さん。
わたしたちがご飯にありついた
だいぶ後にようやく家に入ってきたり
することも度々でした。
ご飯もそこそこに、
テレビをつけて毎晩真っ先に確認するのは、
明日の天気。
その天気に合わせて、
明日の段取りを決めます。
晴れである限り、柿もぎは柿がなくなるまで続きます。
(くもりでも)
雨であれば、柿もぎをすることはできません。
とてもシンプル。
晴れ=Go!
雨=No!
けれど、台風なんかが来た日には、
数日間ストップせざるを得ないことにも
なります。
No!No!No!No!=Oh!No‼︎
そして、
台風は単に柿もぎ作業を止めるだけではなく、
1年手塩にかけて育てた収穫直前の柿を
落としたり、傷をつけていくんです。
(今年は特に台風の影響が大きい)
この切なさと言ったら…。
おっと、なんだか書きたかったことから外れ、
昔の記憶が蘇った思い出話に。笑
いかんいかん。
本来、書こうと思っていたことに戻します。
先日、アラセブンティ(=70前後)になった今も
昔と同じペースで柿をつくり続けている両親のところへ
柿もぎ手伝いに帰りました。
お手伝い2日目はくもりから
だんだんお天気が崩れ、雨になる予報。
天気予報通りというか、
それよりも若干早い段階で
雨がぽつりぽつりと落ちて来ました。
赤く色づき、
もいでもらうのを今か今かと待ち構えている
たくさんの柿の存在を痛いほど知っている
お父さんとしては、
待ったなしでもいでいきたい。
けれど、
昼過ぎになり雨の粒は大きくなり、
その雫は止む気配がなく、
無念の撤収となりました。
来てくれていた柿もぎ手伝いの方には
謝罪と労いとお礼を伝え、
この日は帰ってもらいました。
この時点で
わたしもお父さんもお手伝いさんも
いい感じに濡れています。
(お母さんは別の場所で柿の選別中)
人は濡れても柿は濡らさず。
収穫した柿たちには、
ブルーシートや籠をかぶせ、
雨から保護した状態で屋根のある場所へ。
少しでも濡れた柿は、
タオルでとんとんとお顔を
優しく拭いてあげます。
柿さまさまです。笑
扱いは、柿セレブ。
雨がさらに酷くなった空を見ながら、
「農仕事は自然に合わせてやるしかない」
と、お父さんがぽつり。
思うようにいかないのが農仕事。
自然の中にあるのが農仕事。
天気に左右されるのが農仕事。
自然>柿>仕事(人)
のような構図になるのかな。
自然には敵わない。
自然と戦うのではなく、
自然を受け入れるしかない。
一見すると、
それはとても不便で、不自由で、
もどかしいような気がするけれど、
本来は“自然に合わせた暮らし”だったり、
“自然に沿った仕事”が
自然なんだよなぁなんてしみじみ感じたんです。
晴れの日は外に出て、自然の中で仕事をし、
雨の日は家の中でできる仕事をする。
まさに、晴耕雨読のような暮らしや仕事の中に、
人として生きる豊かさがある。
そんな想いが突然ふっと湧いてきました。
そんな感覚に、
わたしもいい年になってきたなと感じ、
ようやくそこに気づいたかと
別に誰かから言われたわけじゃないのに、
言われたような気になった
2018年10月の秋雨でした。笑
ほんとうは、
今日も柿もぎをしているはずだったけれど、
1日雨が降り続いてそれは叶わず、
図書館に来て、
このなんとも自分本位な文章を
書いています。
晴耕雨読。
そういえば、
四季をちゃんと日々の中で感じられるようになったのも
自然の変化や天気や夕日や星空に気づけるようになったのも
先生を辞めてからだなぁ。
まだまだ
雲の色や形や動きから天気を言い当てるお父さんや
どんなに忙しくても収穫した旬の野菜で手料理をつくるお母さん
には敵わないけれど、
わたしも農家の娘として、
自然の中で生かされていることを
忘れたくはないもんだと思って書いた
備忘録のような文章でした。
11月中旬まで続く柿もぎ。
今年はあと何回帰れるかな?
たった2日で腰がイテテとなってる
情けない娘ですが、
わたしは青空の下での柿もぎが
大好きなんだな。
羽茂産 おけさ柿↓
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北澤英理子(えりちゃん)LINE@
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