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☆最繁忙期のある農家の1日☆


今年も父ちゃん母ちゃんが
1年かけて大事に育てた
『おけさ柿』が実りの時を迎えています。

甘くて濃い『おけさ柿』。
柿好きの人にとっては、
1度食べたら他を食べれないというお声を
いただくほど美味しい柿です。

今年も全国発送承ります!
(11月下旬頃から、順次発送となります)

佐渡の中でもブランド柿として名高い、
羽茂産の『おけさ柿』。

さらに、娘味噌(手前味噌)ですが、
頑固職人親父(父ちゃん)の作る柿は、
別格です!

しかも、市場に出回る柿よりもかなりお得。
最適な食べ頃のタイミングを見て、
発送いたします。

ぜひぜひご賞味ください^^

『頑固親父のおけさ柿』をご希望の方は、
メッセージください。

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柿もぎは、9月下旬から始まります。
大きく分けて2種類の柿があり、
早稲柿→先に色づき収穫される柿。
在来柿→後に色づき収穫される柿。

どちらも種がなく、美味しさは共通ですが、
在来品種の方が早稲品種より長持ちします。
(柔らかくなりにくい)

10月から11月にかけては、
柿もぎ農家にとっては最繁忙期。

よっぽどの大雨、
この前のような大型台風がこない限り、
来る日も来る日ももぎ続けます。

私は柿もぎは好きで、
たまに帰って手伝うのですが、
これがかなりの重労働です。

かごを肩にかけ、
柿を収穫していくのですが
かごが満杯になると
重さは約10キロほど。

ずっしりきます。

しかも、直立でスパスパもげるエリアは
意外と少なく、

枝にぶつからないよう、
葉を落とさないよう、
腰をかがめて低い位置にある柿をもいだり、

枝と枝の間を避けて
下からのっそり体を入れて、
中腰&捻った体勢で柿をもいだり、

枝と枝の隙間に脚立(はしご)を立て、
重いかごをぶら下げながら、
腕を最大限伸ばしててっぺんの柿をもいだり。

かなりハードです。

この時ばかりは、
柿>人でございます。

オレンジ色に赤く色づいた
”柿さま”をもがせていただくので
あります。笑

柿は傷つきやすく、
ぶつかったりすったりすると
すぐにダメになってしまいます。

柿だけじゃなく、葉っぱも大事。
葉っぱは木や柿に栄養分を与える役目なので、
多ければ多いほどいいんです。

だから、なるべくぶつかって落とさないように、
柿をもぐときに一緒にチョキンとしないように
気をつけてもぎます。

面白いことに、
柿を全部もいだ枝の葉っぱから
紅葉していき、
自然に落下していきます。

”役目を全うした”とでも言うように。

自然の仕組みはほんとうにすごいです。

柿もぎは決して”キレイな”仕事ではありません。

かぶっている農作業用帽子の下は、
髪の毛ぐちゃぐちゃ。

枝と枝の間に張られた
透明なクモの糸に気づかず、
顔面から突っ込んで
あちゃちゃちゃちゃ〜となる。

柿をチョキンともぐと
カメムシがヘタのところに潜んでいて、
恐ろしくくさい臭いを放ってくる。

たわわに実った柿の木の枝を支えていた
竹の支柱が外れて、
コントのように頭にパッカーンと
倒れてくる。(激痛)

雨の後の地面は、
ぬかるんで柔らかく
長靴はドロドロ。
しかも滑りやすい。

こんな仕事ですが、
天気のいい日なんかは、
もうね、すんばらしいんですよ!

午前も午後も
ただひたすら柿をもぎ続け、
10時と15時にはおやつの休憩をして、
あっという間に陽が落ちて
17時を告げる町中に流れる音楽とともに
仕事が終わる。

もいでる途中、
遠くに天然記念物の朱鷺が
群れをなして飛んでいる姿が
見えたり、

道沿いで柿もぎをしていると
知り合いの農家さんが
採れたて野菜をおすそ分けしてくれ、
すぐまたトラックでかっこよく去って行ったり、

”オオバコおじさん”
(飼っているうさぎのエサである”オオバコ”を
年中探し回って集めているおじさん)
が、きれいに摘み集められたオオバコのお重を
何段にも重ねた一輪車を引きながら、
雑談をしていったり。

お昼に家に入ると、
「な〜んにもないよ」
と話す母ちゃんの横から
次々に農家メニューが出て来ます。

例えば…
・佐渡産コシヒカリ
・自家製味噌と自家製野菜の味噌汁
・ひじきの煮物
・アジの開き
・大豆と昆布のふっくら煮
・自家製かぶの漬物
・カリカリ大学芋
・焼きなす

もうね、私にとっては
最高に贅沢なお昼ごはんでございます。

また、
この時期は人を頼んで、
父ちゃん母ちゃんの他に2人(私を入れると3人)
お手伝いに来てもらっているのですが、

ベテランの農家さんたちは、
雲を見て、天気を読む力がすごい!

もちろん、
テレビで天気予報は毎日チェック
しているのですが、
(農家は天気が命)
天気予報だって外れることはあるわけで。

そんな時は、
これまでの経験と知識からくるであろう
自分の感覚を頼りに、
雲を見て天気を言い当てます。

局所的に、バシッと言い当てたりするから
ほんとうにすごいです。

私は、
スマホを片手に
天気をチェックするのですが、
局所的に見たら、
ベテラン農家の天気予報には敵いません。

あ、ちなみに
父ちゃんは携帯電話を
未だかつて1度も持ったことが
ないという、これまた天然記念物。

こんな環境で、リズムで仕事をして、
全身の疲れを感じながら1日を終えると
なんだかタイムスリップしたような感覚になり、
心底浄化されるような気持ちになります。

と、のん気なことを言ってるのは、
週に1回手伝いで帰る私くらいなもので、
父ちゃん母ちゃんをはじめ、
柿農家さんにとっては、
まさに”クソ忙しい”時期なのであります。

たぶん、
5時過ぎには起きて
父:今日の柿もぎの準備をして、
母:朝ごはんの支度をして、
明るくなると畑に飛び出し柿もぎをスタートさせ、

昼ごはんは、10分くらいでかきこみ、
またすぐに畑に出て行き、

暗くなって柿もぎが終わってからも
20時近くまで選果(もいだ柿を品質に分ける作業)をし、
夕ごはんを食べて寝る。

という、息つく暇もないほどの1日を
約2ヶ月も続けるわけです。

これを70前後の父ちゃん母ちゃんが
やっているのだから
ほんとうに頭が下がります。

けれど、
父ちゃん母ちゃんに限らず、
農家の高齢化は深刻で、
80代で現役バリバリで活躍している人もいれば、
だんだん畑や田んぼを手放していく人も多いです。

父ちゃん母ちゃんも
あと何年続けられるか分かりません。


何が言いたいのかだんだん
よく分からなくなってきましたが、

店頭に並んだ「商品としての柿」
だけじゃなく、

「商品となるまでの柿」
に関わる背景やストーリーを
知ってもらいたいと
思って書き始めたんだと思います。

でもでも最終的には、
消費者の方に「おいしいなぁ〜」と
食べてもらいたいのだと思います。

それが農家にとって、
1番幸せな瞬間だと思うから。

もしよかったら、
父ちゃんと母ちゃんの
今年の”集大成”を
ぜひ味わってみてください^^

その柿、えりこがもいだ柿かもしれませんよ。
うふふふふ。

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