浮世の涙雨。
夏の気配が見え隠れする、湿気と愁いを纏った艶かしい季節をいかがお過ごしでしょうか。
私は、手が伸びるにつれて伝えたい事が不貞腐れる昨今を過ごしています。
何が言いたいのかと言うと、様々な事に興味を持つものの『麗しき桜の舞い散る国』が今では『憎き疫病の舞い散る国』になり、今までは出来ていた事が中々難しくなり不貞腐れていると言った状態です。
そして季節柄の予測のできない雨、雨、雨......。
不意に降り出す雨に眉を潜めるよりも、雨に唄えば を口ずさめるくらいになれば良いのだがそうもいかない。
雨が空気中の汚れを消すように、いっそのこと疫病共も雨で消えれば良いのに
例年よりも雨量が多く感じる雨はまるで、疫病に嘆く現代の涙雨なのか.....?と不意に思っては慟哭を描く夕刻の帳の空の下、散り絶えた紫陽花の花と濁った雨水に浮世の涙雨と共に溶けは消えていった。