創るチカラを取り戻す 〜my mission +α〜
日々暮らしていて迷うとき。
立ち止まってしまったとき。
私には思い返し、後押しをもらう言葉があります。
それがこちら。
The Opposite of War Isn't Peace, It's Creation!
これはブロードウェイミュージカル RENTの1幕最後の歌の歌詞です。
RENTは、1980年代後半エイズが流行するNYを舞台に「RENT(家賃)も払えないよ!」という状況下でも、それぞれの夢や愛を求めカタチにしようともがく若者たちの物語。作者のジョナサン・ラーソンが、自分のミュージカルを上演したいと情熱を注いで作り上げ…プレオープン前日に38歳の若さで急死したというドラマも持つ作品です。
戦争の反対は平和じゃない、創造だ!
仕事もお金もない、映画監督志望のMarkが叫んだこの言葉。ここでの「平和」を何もしないこと、と読み、「創造」を何か創り動き続けること、と読んでいます。
私がRENTと出会ったのは2004年。以来、十数年、このフレーズがずっと好きで、とてもとても大切な気がして、ずっと心の片隅に置いてきました。
そして今、私はこれがやりたいんだなと思っている。
今の私のベースにあるミッションを言葉にするとこうなります。
「普通」の人、ひとりひとりが
創造 Creation し、
与える側に立つ生き方を
世界の ”主流”にする
***
なぜこのミッションにたどり着いたのか。私自身のことを少しお話しさせてください。
私はCreationの場にものすごく憧れながら、いわゆるクリエイターと言われる才能は自分に無いんだと10歳くらいにすでに思い知っていました。
お人形さんのお洋服をつくってあげたくて、布を自分で選んで買ってつくっても、イメージ通りにできたことがない。
電子レンジのように大きなワープロを使って、仲良しの子と小説を書いてみたら、彼女の話の方ががぜんおもしろい。
歌は大好きなのに、合唱のソプラノに求められる高音は出ず、主旋律ではないアルトの音は取れず。…歌いたいのに歌えない。
書道は習っていたのでちょっと自信があると思いきや…ちょっと綺麗に書けるだけ。教室の後ろにずらりと貼られて、上手いを超えて力強い字を書いた同級生の作品に圧倒された。
そして、宝塚の男役として舞台デビューをした従姉妹の存在。親も親戚も誰もお姉ちゃんと私を比べたりはしないけれど、顔立ちも身長もオーラもそれはもう比べるレベルでもないからだとわかっていた。
高校生になってやっぱり舞台に立ちたいとバレエと声楽を習い始めたけれど、宝塚音楽学校の受験はあっけなく不合格。
さらに、大学のダンスサークルの本番を見にきた父に「おまえの踊りはまじめすぎておもしろくない」と言われたのがトドメだった。
振り返れば。
人と比較し、人の目の下で、自分にはクリエイターとしての才能はないと思い知ったのが人生最初の20年でした。
***
次の20年は、それでも出したくて出したくて仕方がない「自分を出す」発露を探し求めた20年でした。
きものとの出会いは本当に大きな転換点だった。洋服にはない色柄の世界。二の腕の細さやくびれの有無とは違う美意識の世界。ゼロから自分で作らなくとも、きものと帯、小物の組み合わせ次第でオリジナリティを発揮できる世界。日々、着るものに自分を表現できることは、私に大きな力を与えてくれた。
ヨガとの出会いも大きかった。私がやっていたダンスは常に鏡越しで人とくらべ、人と揃えて踊ることが美しい世界だった。でもヨガは鏡を見なくていい。 動きながらも見つめるものは、自分の内側だと教えてもらった。
そして、起業。
既存のきもの教室と、洋服のイメージコンサルタントの要素を組み合わせることで、日本初の和装の着こなしを学ぶ講座 和創塾 〜きもので魅せるもうひとりの自分〜 を立ち上げた。
自分でもリニューアルをし続けてきたけれど、全国から参加してくれた生徒さんたちとつくってきた講座だ。このオリジナルコンテンツの存在は、私を右側から今も支えてくれている。
集客のために始めたはずのメルマガは、だんだんと私の近況報告になっているがw、ほぼ毎朝メルマガを書き続けてもうすぐまるっと6年になる。
うまくいくことばかりではなく、起業して3年は経済的に不安定だった。明日どうなるかわからない売上ジェットコースターを経験し、お金を通じて自分と徹底的に向き合うことになる。自分と向き合いながら、本当に表現したい自分の根っこを掴んでいった。
出版は、きものの本を書きたくてオーディションに出たのに、思いもかけずマーケティングの本を出すことになった。書いている間はしんどかったけれど、私の中にあるものをひとつ強制的に出すことになった。そして、マーケティングコンサルという新しい仕事が始まった。
40歳の年には、W成人式の年に以前からやりたかったフルヌード撮影も実現し、数枚を公開した。まさに一糸纏わぬ自分の身体と向き合い、自分が持っているものを直視する、貴重な経験だった。
クリエイターになりたかった。
表現者になりたかった。
自分を出したかった。
いわゆる音楽家やデザイナーや画家という特別な人でなくても、日々文章を書くこと、そしてビジネスでも自分を出し、Creationすることができることを知った20年でした。
水は、雨になって、海に流れ、雲になる。
人は、息を吸って吐く。食べたら出す。inputし、outputする。
どこかに留め置くと何かが狂う。
入れては出すのは宇宙の法則、万物の法則なのだと思う。
特別でなくてもいい。
完璧でなくてもいい。
すべての人に受け入れられなくてもいい。
それでも出していい。
やっと自分を出せるようになったのが人生次の20年だった。
***
ざっと私の40年を振り返って、私の今の問題意識はこれだ。
私たちは Creation つくる というチカラを失っているんじゃないか。
私たちは Creation つくる というチカラの回復が、次へのKeyなのではないか。
今の日本、特に東京とか街で暮らしていると、私たちは消費者として生きると、とても便利で恵まれた世界にいる。
子どもの頃手縫いをしていた雑巾は、100均で3枚セットで売っている。
家族みんなそれぞれ、スマホやPCで好きな番組を見ることができる。
ポチッと押せば、ほしい商品は翌日玄関に届く。
ポチッと押せば、熱々ごはんが1時間ほどで届く。
youtubeでセミナー級の情報が無料で見られる。
…便利すぎて、ものすごく甘やかされている。
その代わり、自分で創りだすチカラを削がれていないだろうか。
だって「提供者」は、私たち「消費者」に買ってほしいから。
だって「提供者」は、私たちに「消費者」でい続けて欲しいから。
GDP国内総生産という経済力を測る指標だって、生産量ではなくて実際は消費量で測られる。
創るチカラを失っていくと、苦しい状況になった時に方法が見えず暴れ出す。不平を言い、愚痴を言い、手の届くちょっと上に居そうな人を引き摺り下ろし、自分を助けろと求める。消費者に便利になればなるほど、ゴミが増え、資源は減り、地球が無言の悲鳴をあげているようだ。
今の資本主義社会では、少し前の先進国/途上国というよりも、提供者/消費者の間に、いがみ合いや詐欺欺瞞、争いが起こっている気がするのだ。
***
先にも書いたように私は、日本の伝統衣装 きものが好きだ。
洋服がめんどい!
パンスト・パンプスは二度と履きたくない!!
365日きものを着て過ごしたい!!
…と思って起業した。
ステイホームではヨガウェアのような服装で過ごしているが、外出し人と会うときはほぼ きものを着る。
きものとべったり過ごしていると、学ぶことが多い。
身近な花鳥風月を描いたきものは、流行なく、時も国地域も超えて人の心を動かす。きものは絵画そのもののようだ。
40年前に母が縫ったきものも、祖母の形見のきものも、ものすごくタフだ。今もこれから数十年も現役で活躍してくれるだろう。一生を共にする服があるのだと、きものが教えてくれた。
そしてまた、きものが教えてくれたことは、人間の手の可能性だった。
きものはこんなにも美しく、丈夫なのに、ゼロから手仕事で生まれる。なぜなら糸取りも、機織りも、仕立ても、基本動作は全て直線。だから、100数十年前まで、きものを生み出し創ることは、人々の日常の仕事の一部だった。
きものと付き合いながら、半衿を縫いつけたり、ちょっとほつれを直したり。余り布で小物をつくったり。昨年は木綿のきものを仕立ててみた。
人の手は、何かを産み出すチカラがある。
私の手も、創るチカラがある。
めんどくさくもある。
だけど、喜びでもある。
きものを着こなす和創塾を立ち上げて6年目。この講座をやる意味をずっと考えてきた。日々装うものを自分の意思で選び、そのために手を動かす。自分で決めて動いたら?ときものを通じてメッセージを送っているのかもしれない。
マーケティングコンサルの仕事は、それをもう少し直接的にやっている。「何かやりたいー!でも怖いー!」と怖気付いている人を、大丈夫よ、ほらっと後ろからちょっと強めに背中を押している。
だって。大丈夫なんだ。
私たちには Creation創るチカラがある。
使わずに錆び付かせていても、あなたの奥にちゃんとある。
消費者に甘んじて、創るチカラを放棄しちゃいけない。
最初は思い通りにできないかもしれない。誰も目に留めてくれないかもしれない。売れないかもしれない。お金にならないかもしれない。
だけど、創り続けることは、自分のチカラを自分で信じる最高のエンパワメントだ。
ひとりひとりが
創造 Creation し、
与える側に立つ生き方を
世界の ”主流”にする
自分のCreationを発揮し続けること。
消費するだけでなく、産み出し、与える側にも立つこと。
そんな生き方が主流になったら、RENTでマークが ”The Opposite of War Isn't Peace, It's Creation! "と叫んだように世界は変わる気がするんだ。
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