保護犬を迎えるのは難しいのか? 里親条件編
日本で、犬を家族に迎えたいと思ったときの選択肢は…
① ブリーダーさんから直接購入する
② ペットショップで購入する
③ 保護団体や動物愛護センターの保護犬の里親になる
④ 知り合いの人の家で生まれた子をもらう
⑤ 捨て犬を拾う
…選択肢はそれくらいだろうか?なんだか幸せな出会いが少ない気がする。
私は、子どもの頃から犬が好きで、ご近所さんのワンコと遊びたくて仕方なくて、よく遊んでもらっていた。 犬を飼っている友達が「この子は捨て犬だったところを拾ったの」という話を聞いて、私も犬を拾いたい!なんて思ったけれど、……全くご縁がなかった。
ただ、ペットショップにいる子を欲しいと思ったことはなかった。ペットショップの子犬は確かに可愛かったけれど、なんだか悲しくて…無事に飼い主さんが現れるといいね、買ってあげられなくてごめんね、と思っていた。
どうやって「保護犬」「里親」という存在を知ったのか覚えていないのだが、かなり前から、いつか犬と暮らしたい、そのときは保護犬の里親になりたいと思っていた。
小学校からの友人で、生まれた時から犬と暮らしていて、一時はトリマーになりたかったという「犬飼いマスター」な人がいる。何年か前に、彼女に「ペットOKなマンションに引っ越して、里親になりたいなー」と飲みながらつぶやいたことがあった。冷静な彼女は、「…軽く言うけどね」としばし里親になるのがどれだけ大変かを語ってくれた。成犬になると個性が出るから相性が合わないと大変なんだよ、子犬よりもしつけに時間もかかることが多いよ、シニアは病気にもなりやすくて医療費もかかるんだよ、などなど。
そして、「2度とその子が悲しい想いをしないよう、**歳以上の高齢の人はダメとか、保護団体さんによっては条件が厳しいんだよ。ひとり暮らしで会社勤めだったら(当時の私)、お留守番時間が長くなっちゃうでしょ。…里親になるのは難しいと思うよ」と話してくれた。…里親になるのも一筋縄では行かないと思ったのはこのときだったな。
そんな私が、黒パグの女の子ちゅらを保護犬で迎えて家族になり、もうすぐ3年になる。
きっかけは当時、付き合っていた男性と一緒に暮らしはじめたことだった。その人も犬好きだったので、ペット可の物件を探した。そしてその人のツテで、保護された黒パグの女の子とご縁をいただき、お見合いをして、トライアルが始まった。トライアルのときには、預かりボランティアさんが車でこちらまで送ってくれて、家の様子も見て行ってくれた。
ふたりとも自営業で、付き合いはじめたばかり。籍は入れておらず、決して安定した職業ではなかったけれど、そこまで厳しい条件の保護団体さんではなかったので、めでたく里親になることができた。ちゃんとペット可の物件に暮らしていたこと、ひとりではなく二人だったことなどでOKだったようだ。
名前は、声に出して言ったときに幸せな名前がいいなと思っていた。ラッキーとか、ハッピーとか、とってもいい名前だと思う^^ いくつか候補があったけれど、彼が沖縄に縁が深い人だったこともあり、沖縄の言葉で美しいとかかわいいの意味を持つ ちゅら に決めた。
ところが、ちゅらを一緒に迎えたその人とは、その後すぐに別れることになった。私はちゅらと一緒に実家に帰ることになった。
まるでシングルマザーのような気持ちで、「この子は私が守るんだ。一緒にがんばろね」と涙目で、赤帽さんのトラックの助手席でちゅらを抱っこして実家に向かった。だけどあんずるは産むが如し? 結果的には、母と弟も妹もみんな ちゅらが大好きになり、ちゅらはみんなの愛をいっぱいに受けて、とても賑やかに幸せに暮らしている^^
ちゅらの預かり母さんには、引越し後すぐに連絡をした。当初里親として任せていただいたときの状況とは変わってしまうけれど、一軒家で家族も増えて、みんなでめいっぱい愛情注いでいきますと。預かり母さんは「了解ですーそういうこともありますよね!いっぱい愛してあげてくださいね!」とお返事をくれた。
その後しばらくして、その保護団体さんの里親募集の記事の中で、<以下の条件の方は、里親への応募をご遠慮ください>という項目に、「同棲中の方」が追加された。ちょっと責任を感じたナ。
ちなみに、ちゅらを保護してくれた保護団体 ワンダフルドッグさんの、現在の里親になれない条件はこちら。
★以下の条件の方は、応募はご遠慮ください
・先住犬が3頭以上いるご家庭
・同棲中の方及び出産予定のあるご家庭
・一人暮らしの方
・主に日中お世話する方が65歳以上の場合
・先住犬が未避妊未去勢の場合
…厳しいと正直思うけれど、それだけ今まで、悲しい出来事や困った事例があったのだと思う。新しい家族を待つこれからのワンコたちのためにも、私の里親になった責任は ちゅらが今世を全うするまで続くのだ。
振り返って思うと、私がひとり暮らしのままだったら、ペット可物件に住んでも里親になることは難しかったと思う。一緒にいる時間も少なく、経済的にも大変だった。
そして、実家に戻ってきたことで、ちゅらに本当に良い環境を用意できたと思う。お留守番をする日が少ないし、お留守番をしても4時間以上になることがない。私の帰りが遅くなったり出張になったりしても、家族の誰かが毎日決まった時間にご飯とおトイレとお世話ができる。
ちゅらは、この上杉家の実家に来るコだったのだなと思う。結果的には全て良かったんだと思う。
今度の記事では、ちゅらのこの3年の変化を振り返ってみたいと思う。
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