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全力で挫折したら意外と良かった話
こんにちは。今回は、私が45歳で転職を決意し、まったく新しい世界に飛び込んだお話をしたいと思います。転職って、良いこともあれば悪いこともあるもの。でも、もし迷っている人がいるなら、「やってみるのも悪くないよ」と背中を押したいなという話です。
私の60歳はどうなっている?
私は、ちょっと無謀だった「落ちた翌日に人事に電話をかける」という方法で入社した企業に、20年以上勤めていました。(詳しくは以下の記事を)
いろいろな部署を経験させてもらい、そのことには本当に感謝しています。ただ、年数を重ねるほど、胸の中にモヤモヤが積もっていったのも事実です。
やる気はある。でも、その情熱を形にする責任も権限も与えられない。一方で、「自分のスキル、これで本当に足りているの?」という不安もちらちら顔を出す。そして気づけば、会社の中で「ミニ生態系」に適応し、変わることなく存在し続ける自分。
45歳、このままあと15年を過ごしたら60歳の私はどうなっているんだろう?この問いが、私をじわじわと追い詰め始めました。
3年×5回転という発想
「45歳から60歳まで15年か…」その数字を前に、私は考えました。15年って、3年×5回転だよね?なら、3年ずつ何かにチャレンジしたら、まだ5回も「自分をアップデートするチャンス」がある!こう考えたら、少し心が軽くなりました。
でも、不安は尽きません。「45歳で転職先なんてあるのかな?オファーなんて来るの?条件に合う仕事なんて見つかるの?」迷いながらも、少しずつ動き始めました。
45歳で転職オファーは来るのか?
結論から言えば、45歳でもオファーは来ます。そして仕事もあります。ただし、一番大事なのは「前職で何を成し遂げたか」を語れるかどうか。特に、成果を数字で示せると強いです。
「10件の新規事業案を通した」「30人の外部協力者を得てプロジェクトを遂行した」「5万人の新規顧客を獲得した」──これらは一例ですが、紐解けば何かあるはずです(ここの紐解き方についてはまた別の機会に)。
そんな中、ある日届いたのは、コンサルティング会社からのオファー。「私にできるのかな?」という不安と、「面白そう!」という好奇心。その結果、未経験の業界だけど思い切って挑戦することにしました。「3年×5回転」の最初の1回目、ここからスタートだ!と思ったのです。
未経験職種で全力の挫折!
コンサル業界に飛び込んだ私ですが、最初に直面したのは想像を超えた厳しさでした。入社直後の2週間の研修では、「このタスク量をこの時間で?いや無理でしょ!」と目を疑うスケジュールが並びました。
実務が始まってからも、周りの人たちのレベルの高さに圧倒されっぱなしです。業務の細かい段取り、プレゼンのスキル、タスクの回し方、そして果ては業務外のランチ会のセッティングに至るまで、すべてが「さすがコンサル」と言いたくなる完成度。その中で、自分が完全に場違いな存在に思えた瞬間も数知れません。
特に入社2、3年目の若手社員の仕事ぶりには驚きました。「あの子たち、今20代でこのスキル?じゃあ私の20数年は一体なんだったの?」と、何度も心が折れそうになりました。
圧倒的なスピードの差、質の差、知識量の差、経験量の差で何から何まで指摘をもらう日々。
「人生の全ての挫折を味わっている感覚」って、こういうことかもしれないと思いました。
45歳だからこその価値
もっと若い頃だったら、この環境に反発してすぐに辞めていたかもしれません。でも、45歳の私は、そこそこ成熟していて、それでいて「60歳までの15年をどう過ごすか」という覚悟もできていたからこそ、乗り越えられたんだと思います。
そして、何よりもこの経験を通して、自分が見えていなかった世界に気付くことができました。どうしても自然とその業界内での常識や価値観に慣れきってしまいがちです。私自身、その枠の中で「自分なりに頑張っている」と思い込んでいました。
でも、違う環境に飛び込むことで、全く異なる視点やアプローチがあることを知り、自分の考え方や方法がいかに限られていたかを実感しました。謙虚にならざるを得ない状況は、正直しんどかったですが、そのおかげで柔軟性や新しい学びを得ることができました。
とはいえ倒れそうな時もあった
結論、転職した価値は十分にあったと今は思います。でも、その渦中にいる日々は、想像以上にしんどかったのも事実です。次回は、その裏側の困難や葛藤についてもう少しリアルに、乗り越え方も含めてお話ししたいと思います。
読んでいただき、ありがとうございました。これからも一緒に前に進んでいきましょう。