AI時代の仕事図鑑：消える職業と生き残る職業

皆さんは、日常生活でどのくらいAI技術を活用していますか？

ChatGPTなどをビジネスで積極的に使っている方もいれば、カスタマーセンターを利用する際にAIチャットを通じて間接的にその技術に触れている方もいるでしょう。いずれにせよ、私たちの生活の中で、AI技術はさまざまな場面で使われ始めています。

AIの発展により、今後の社会構造やシステムが大きく変化すると予測されています。AIは、私たちの生活をより便利にする可能性がありますが、その一方で、従来は人間が担ってきた仕事がAIに取って代わられることで、職を失う人が増える可能性も懸念されています。世界経済フォーラム（WEF）によると、2030年までに言語AIや自動化技術の進展により、全世界で約8億人が仕事を失うリスクがあると報告されています。

特に単純作業や反復的な業務を中心とする産業では、数多くの職が自動化されると考えられています。マッキンゼーのレポートでも、AIの自動化により、世界の仕事の約30%が置き換わる可能性があり、約4億人の労働者が新しいスキルや職種への移行を迫られると予測されています。

AIの進化により、人の役割が変わることが期待される職業もあります。たとえば、データ入力や処理、カスタマーサービス、製造業、会計、翻訳、交通・運輸、医療診断などの分野では、AIが一部の業務を補完しながら、人間は「AIの監督」や「創造的な仕事」にシフトしていくことが考えられます。

【マンパワーが人からAIにシフトする可能性が高い職業】
・データ入力・処理業務
・顧客サービス・カスタマーサービス
・製造業（組み立てライン、品質管理など）
・会計&経理業務
・翻訳&通訳業務
・交通&運輸業（自動運転にシフト可能なもの）
・医療診断（放射線技師や初期診断）
・物流&倉庫作業
・金融アナリスト
・法律関連（契約書の作成やリサーチ）
・教育
・広告・マーケティング

一方で、今はまだ認知されていない、あるいはまだ存在しない職業も、AI技術の普及とともに新たに登場することが予想されます。たとえば、AIトレーナーやAI倫理コンサルタント、VR/ARクリエイター、デジタルツインエンジニア、AIアーティストなどがその一例です。

【需要が高まる可能性がある職業】
・AIトレーナー/AIが人間の行動や感情を学習するためのトレーニングを提供する
・AI倫理コンサルタント/AIが社会やビジネスに導入される際に、倫理的な問題を考慮し、適切な利用方法を指導
・VR(バーチャルリアリティ）/AR(拡張現実）クリエイター
・AIアシスタントデザイナー
・ロボットメンテナンス・エンジニア
・デジタルツインエンジニア/ 物理的なオブジェクトやシステムをデジタル上に再現する「デジタルツイン」の開発と管理を行う職業
・バイオハッカー/ウェアラブルデバイスや人体に装着するテクノロジーのデザインや実装するための技術開発を担う
・気候変動アナリスト・エンジニア/AIやビッグデータを利用して気候変動の影響を分析し、対策を考案する職業
・AIアーティスト
・データプライバシーオフィサー/個人情報や機密データを適切に保護するための対策を講じる専門家。
・ヘルステックスペシャリスト/AIやテクノロジーを活用して、個別化医療や健康管理システムを開発・管理する職業
・エモーショナルAIデザイナー/AIが人間の感情を理解し、適切な反応をするためのシステムを設計する仕事
・スペースツーリズムガイド/宇宙空間でのツアーや観光を指導するガイドや、宇宙旅行の体験を設計する職業
・クオンタムコンピューティングスペシャリスト/量子コンピュータの発展により、従来のコンピュータでは解決できない問題に取り組む専門家
・AIコンシェルジュ/AIを活用したパーソナライズドサービスの提供者

AI技術の進展によって、新たな職業が生まれる一方で、人間だけが持つ特性や長所を活かせる職業も依然として重要な役割を果たします。

では、「人間にしかできない」ことが必要とされる職業とは？

それは、創造性や感情的知性、倫理的判断、対人スキルを求められる分野が含まれます。たとえば、芸術家やカウンセラー、看護師、教育者、クリエイティブディレクターなどがこれに該当します。

【人間にしかできないことが必要とされる職業の一例】
・芸術家
・心理カウンセラー＆セラピスト
・看護師＆介護士
・教育者（教師）
・指導者＆リーダー
・宗教家＆精神的指導者
・クリエイティブディレクター（映画監督など）
・科学研究者
・スポーツ選手＆アスリート
・探検家＆冒険、など

そして、私たちが「人間らしさ」として持つ特性とは何でしょうか？