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提案は「ターゲット」ではなく「誰のために」と考える

マーケティング戦略を立てる際、「ターゲット」という言葉が必ずでてきます。しかしこのアプローチは、顧客を単なる的(target)もしくは数字やカテゴリーとして扱っているような印象を受けます。相手は的ではなく人間のお客様です。効果的な提案を考えるのであれば、ターゲットを「誰のために」と置き換えて考えることを推奨します。

視点の転換

例えば、「30代の働く主婦」というターゲットは、実際に活用する人の価値観や悩み、喜びを正確に表現していません。ペルソナ(典型的な人物の設定)として詳細な仮説をたてても、同じことです。ペルソナは「仮面」とも称され、ペルソナは自分が知っている「誰か」ではないからです。

ペルソナの代わりに、「忙しい毎日の中で自分時間を大切にしたい人、たとえば身近な方でいうと●●さん」と考えることで(実際にその人が使う訳ではなくとも)お客様の心に少し近づいていこうという意識になってきます。これは、お客様を「的」ではなく、提案を受け入れて活用し、効果を実感して、自分たちに感謝の気持ちを示していだたく方として考えはじめる、最初のプロセスです。

「誰のために」という考え方

「誰のために」という考え方は、特に新しいものではありません。ドラッカーや「もしドラ」を読んだことがある人には分かると思います。

目的はなんなのか、という問いかけはよくありますが、そもそも目的が最初から理解できていれば、提案はすぐにできます。目的へのアプローチは、刺さる提案へのアプローチでもあります。このときに「誰か」を思い浮かべることは、目的や課題を発見する近道になると思います。

通常、提案にはクライアントがいて、使う人(エンドユーザ)がいます。B to Bなら、クライアントは直接お話をするお客様、エンドユーザはクライアントのお客様ですが、両者とも自分たちと同じく、クラスは変わることのない、日々考え、複雑な悩みを持ちながら過ごしていらっしゃる、私たちと同じ人たちなのです。「エンドユーザ」と呼ぶのも「ターゲット」同様、少し実体化が必要です。

実現方法の例

  1. メルマガを、知っている友だち一人だけに送ると想像する。

  2. あの人が、WEBサイトをみて、ここに何秒滞在するか想像する

  3. あの人が動画をみて、感動するかどうかを想像する。

  4. あの先生が、このサービスをみて、どんなコメントをするか想像する

  5. あの審査員が、この企画に何点をつけるか想像する。

実際に提案をする対象が実際に「その人」でなくても構いません。想像をすることで、企画は現実味を帯びます。もしまったく想像がつかないか、まったく興味を示しそうにないと思えば、それは思い浮かべる人が間違っているかもしれませんし、企画提案に共感するものが少ない(わかりにくい)可能性もあります。

最後に

マーケティングの本質は、提案の中に、お客様から価値を見いだしてもらうことです。この人なら良い企画だと思ってもらえるかもしれないと、と考えること。「誰のために」を想像することは、ビジネス成功の近道だけでなく、自分自身の達成感、幸福感の上昇にもつながります。このプロセスを実現するには、知り合い・仲間・フォロワーが多くいることが望まれますが、今は生成AIでも代わりができます。(Prompt 「私の古くからの友人としてふるまって。」)
自分のビジネスプロセスで、誰のために、誰の笑顔を見たいのか、具体的に想像してみてはいかがでしょうか。

イラスト:Canva

参考リンク


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