オンライン参加者に寄り添うハイブリッドセミナーのあり方
はじめに
近年、ハイブリッドセミナー(会場開催とオンラインを同時に行う)の需要が増しています。しかし、オンライン参加者への配慮は会場への参加者同様に十分に行われているでしょうか?この記事では、ハイブリッドセミナーでオンライン参加者に対する配慮について書きます。
来場客優先になっていないか?
ハイブリッドセミナーは、現地の参加者とオンラインの参加者を同時に対応することを前提としています。
しかし、機材の問題、配信の状況、専門スタッフの不足などにより、現地の参加者が優先される印象を与えると、オンラインの参加者は不公平感を感じるかもしれません。
現地参加を希望しながらも、急用や交通事情等でオンラインで視聴することになった人々がいらっしゃいます。
だからといって、オンラインでの受講が現地参加よりも満足度が低かったと感じることは、主催者にも参加者にとっても適切ではありません。会場とオンラインの双方に等しく情報や機会を提供するための取り組みが必要です。
オンラインに配慮されていない仕組みなのでは?
オンライン参加者への配慮として、適切な通信・配信環境の準備が重要です。しかし、次のような問題がハイブリッドセミナーに影響を及ぼしていませんか?
不安定な通信環境、例えばフリーWi-Fiやテザリングで配信。
配信画面がワイドで固定。セミナーに退屈さを感じる可能性があります。
スマートフォンでの配信。(決して悪い課題ではないが、オンライン参加者の多いセミナーでは適切でないことがあります)
音声がスピーカーから直接収録(ライン入力でない)。音がこもり聞こえにくい可能性があります
配信画面をスタッフが会場でチェックしていない。配信における不具合に気づかない。
このような事態にそなえ、会場でのサポートと同様、オンライン配信の参加者に対する配慮も必要となります。
オンライン参加が、二次的手段になっていないか?
オンライン参加者は自宅やオフィスからセミナーに参加するため、会場での参加者とは異なる環境でセミナーを受けます。このような状況の中で、オンライン参加が二次的な位置づけに扱われがちです。
具体的には、講演後の質問が会場客を中心に行われ、コメントも会場の参加者が優先され、参加者の画面やコメントについてはアナウンスされない(もしくはコメントしにくい)ことがあります。
ハイブリッドセミナーを公平に行うためには、オンライン参加者を主体としたアプローチを意識的に取ることが重要です。
オンライン参加者の満足度向上を考えているか?
セミナー会場では、参加者が関係者や講師に直接質問することが可能です。しかし、オンライン参加者の満足度を向上させるためには、コメントやフィードバックの積極的な取り入れが必要です。質問や意見にすぐに対応できるスタッフを用意し、迅速に返信することが求められます。オンライン参加者がセミナーに参加していることを、会場の関係者が意識しながら運営することが大切です。
オンライン参加者へのアプローチを行っているか?
ハイブリッドセミナーでは、現地とオンラインの参加者の両方に対応するアプローチが求められます。現地で名刺を受け取る参加者に、挨拶状やメール送るのと同様に、オンライン参加者にも申し込み時のメールアドレスなどを通じて、感謝や意見を伺うメッセージを送ることが重要です。
企業セミナーでは、このような活動が見込み客の獲得増加に繋がります。参加者のセミナーへのフォローアップを積極的に行いましょう。
まとめ:オンライン参加者に寄り添うハイブリッドセミナーをするために
リスク対策や代替手段としてのオンライン配信から、オンラインを優先するようなハイブリッドセミナーのスタイルも今後増えると思います。
それは、現在の商圏エリアから広げ、新たな顧客獲得を望む主催者のセミナーに特に求められていきます。
現地会場とつなぐという付加価値も含め、オンラインに参加して頂く参加者の意図を汲んで、来場者と同様かそれ以上のおもてなしの気持ちが必要になってくるでしょう。