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遅遅遅遅(ドイツ鉄道の話③)

2024年の夏、ドイツの長距離列車が定刻で目的地に達した割合はおよそ60%。
しかも5分遅れは定刻扱い。

2024年の夏、私が長距離列車で定刻で目的地に達した割合は0%。
しかも最短1時間の遅れ。

ふふふ、しめしめ。

https://int.bahn.de/en/booking-information/passenger-rights/legal-regulations

ドイツ鉄道の電車が遅れた場合、60分以上の遅延なら切符代金の25%、120分以上の遅延なら50%が戻ってくる。手続きはオンラインで簡単。
遅れるのを覚悟で乗れば、返金システムはちょっとした楽しみになる。そして50分遅れとかだと「うわーっ」となる。

例えば夏のドイツ・ハンガリー間は行きが100分遅れ(ちょっと惜しかった)、帰りは全ての電車が不通になり(なぜ?!)、150EUR近く戻ってきた。
結果的に4人で往復200EUR以下。特急扱いの電車を使って、片道10時間以上移動して、1人25EURは安い。

ただし、ICE 区間の予約が流れた。これに対する補償は予約代金が戻るだけ。
ICE は私の最も好きな乗り物だ。ドイツで一番速い電車。「シンカンセンには敵わないよ」とドイツ人は言うけれど、ICE には ICE の良さがある。その大好きな電車のゆったりした席に座ってくつろぐのと、ぎゅうぎゅう詰めの荷物置場で過ごすのと、その違いが1人数EURで片付けられてしまうのは少し寂しいと思った。

ウィーン・レーゲンスブルク間の約4時間。立ったり寄りかかったり自転車の間にしゃがんだりまた立ったり。
もっとも、傍らで楽しんでいたのはうちの子たち。地べたで昼寝したりとかお菓子を食べたりとか、さながら移動ピクニック。
高齢の方や子連れの方も車内を行き来していた。彼らは座れたのだといいな。

こんな感じ。

この他、遅れが原因で最終電車を逃して乗り継げない場合は駅近くのホテルを予約してくれたりもする。もちろん代金は鉄道会社持ち。
こういう補償のお金も相当な額に上るのだろうな。40%は遅れるわけだし。

最近ドイツ鉄道の問題をラジオでも耳にするようになった(もっともここ数日はアメリカ大統領選挙、今日は連立政権崩壊の話題で持ちきりだった)。
ドイツ鉄道は過去何年にもわたる予算削減で様々な部分に悪影響が出続けていたらしい。以前から批判する専門家も少なくなかった。それが今になってようやく「問題ですね」と認識され始めたということだろうか。
はじめの一歩は踏んだのかな、と思う。でも、ある程度改善するまでは数年かかるという見込み。まだまだ遅れるの覚悟だな。ドイツ人、議論長いしな。

去年はストライキも多発した。数日間続いたこともあり、仕事や学校に行けない人が出る大混乱。
「電車など公共交通機関は重要なインフラのひとつで、それを止めるのは合法なのか」という意見さえあったけれど、ストライキは労働者の大切な権利。問題なのは、大切なインフラなのに、そこで働く人たちが大切に扱われていないという事実だろう。
前回の「ドイツ鉄道の話②」で書いた件も、そういった経営関係の問題だった可能性もある。だとしたら、「下痢かもね」なんて言って申し訳ない限り。

本当は、ドイツで電車に乗る時に気をつけていることや実際に遅れた時の対処法などをここで少し紹介できればと思っていた。
情報満載な文章。
見出しを使って整然と。
リンクや図解も入れて分かりやすく。
が、私はそういうのがとても苦手だということが判明した。ひねり出そうと試行錯誤するも、何も出ず。

そんなわけで、今回はこれで。
ドイツ鉄道の話、とりあえず締めくくります。






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