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テレビマン嫌い(腹の虫のいどころが悪い人が書きます)@Amed


「昨日残したチーズ」をお願いすると、補充されて、フルの状態で来た そういう朝ごはん


Rudawという、クルディスタンのメガメディアがあり、そこの記者が取材したいというのでしぶしぶ承諾した。

というのも、当初スルーしていたのだが、偶然にも直接会ってしまう機会があり、その場で言葉巧みに承諾させられてしまったのだ。

そして今日。約束の時間より早く到着した、ということで呼び出されて階下へ降りると、3人の男性が座っていた。

メインの人、カメラマン、もう1人は、別件で、私に仕事の話をしたいということで同行してきたらしい。

新たにPodcastの番組を作るので、そのプレゼンターをやらないか、というのだ。全15回、10日間くらいで収録しようという。

はっきり言って、100億パーセント、興味がない。クルディスタンでの大事な滞在時間を費やすつもりは1ミクロンもない。

しかも、プレゼンターが務まるほどクルド語が上手くない。

「滞在中は予定が詰まっているから、時間がとれないし、私がそれをやれるとは思えない」

と伝えると、

「一度日本に帰って、7月中にまた来てよ。航空券、ホテル、食事、もちろん全部出すから、10日間、エルビルに滞在してほしい」

と言う。問題はそこではなく、この件自体に興味がない、ということなのだが。

が、先方はわざわざこれを話すために出向いてきているので、秒で断るのも悪いなぁと思い、「考えて返事する」ということにした。

更に、今日取材される予定のメインの人から、「今日打ち合わせして、明日か明後日に撮りたい」と言われる。

今日撮るって言うてたやん。

私「明日も明後日もレコーディングだから時間がないし、他のことをやりたくない」

テレビマン「レコーディングはどこで何時から何時?レコーディングも少し撮りたい」

私「それは本当に嫌だ。集中できない。レコーディングが一番大切だから嫌だ。今日以外は無理」

テレビマン「帰国まで一か月あるのに、どこか一日作れないの?」

私「作れない。本当に、今日しか無理」

はっきり、きっぱり、全部言う。
Podcastマンから、この目の前のテレビマン、おり重なるプレッシャーに強いストレスを感じて息が詰まってくる。言葉がでなくなる。

なぜクルド語を学び始めたんだ、クルド音楽についてどう思う、どうせ毎度毎度と同じ質問をされるだけだし、そもそも本当は露出なんて全くしたくないのだ。

じゃあ、断ればいいじゃないか。
ということなのだが、メディアの人に顔を売っておけば、今後有利に働くかも知れない、といういやらしい打算が働いている。

人様の土地にいさせてもらっているので、たいていおとなしくしているけど、彼らの強引さが許容範囲を超えていたので、珍しく不機嫌さを隠せなくなる。

カメラマンが「元気?」と呑気に聞いてくるので、「元気じゃない。心地よくない」と答える。

結局、おおかた今日撮ってしまい、明日も1時間だけ撮りたいというので、承諾した。

さて、撮影に入ると、まあ要求が多い。

「文章が短いから、全部まとめて、長く話して。これこれこれこれ、こんな風に話して」

歌を一曲歌え、ということになったのだが、それに関して

「オクターブ高く歌って。こんな風に歌って」

これには流石に、カチンを超えて、ガチンときた。
話し方や歌い方に関して、ここまで指示してくる人は初めてだ。

大体、勝手にズカズカ入っていって撮影に使わせてもらっている店なんかでも、店の人に対して横柄なのだ。
「店の宣伝にもなるから良いだろう」という態度が滲み出ているのだ。

書き出したらキリがないけど、4時間ほど付き合って、最後は頑張って愛想良くして締めておく。

たまらなく不快な時間を過ごして、心底疲れたから、今日も少しピアノを弾きに行く。憂さ晴らしじゃ。

弾いていると、明日のレコーディングでお世話になるパーカッショニストのAzadから電話。

「元気?今日、Avestaというグループのコンサートがあって、そこで僕も演奏するんだ。まあ悪くないよ。招待するから時間あったらおいでよ!」

と誘ってくれる。Azadはめちゃくちゃいい人だ。体の傷にはアカチン、心の傷にはAzad。

出かけていってみると、500人は入るホール!全然知らなかったけど、人気のあるグループなんだな。

バックの一番右がアカチンAzad

演奏が始まると、退屈すぎて死ぬかと思った。

Azadは流石に素晴らしい演奏をしていたけど、どの楽曲もものすごくつまらなくて、ボーカルもごく凡庸で、即座に退屈さが襲ってきた。

なんで人気があるんだろう。

せっかく招待してもらっているので、頑張って座って聴く。

途中、Dengbêjモノを一曲歌っていて、そのバックの演奏がめちゃめちゃクールだった。打ち込みっぽい雰囲気でアップテンポに演奏する。

Dengbêj+打ち込み。こういうスタイル、流行ってるのかな。ちょいちょい聴く気がする。

寝床に帰ると、癒し系Osmanが迎えてくれる。今日はビールではなくコーヒーで締める。

明日も1時間撮影があるのが憂鬱だけど、たった1時間だから耐える!

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