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レッスン5時間、歌いまくった1日@イスタンブール

今日取り組む歌は”Heseno Wêlî”。「Berdêlî」という風習にまつわる嘆きの歌。

「Berdêlî」:結婚したいある男女がいる。女性側の父親が、娘を嫁がせる条件として、相手側の娘を自分の息子と結婚させ、自分のところへ嫁によこさせる、という風習。交換条件として好きでもない相手と結婚させられる女性は、たとえ心を決めた相手がいたとしても諦めなければならない。現在もかなり数は少ないものの、行われている事例はあるそう。

”Heseno Wêlî”の前半はŞeşbandî、後半はStranên evîn(愛の歌)という形式で構成されている。

Berdêlîの風習によって、兄のために相手側の男性と結婚させられる女性Asiyaが歌う歌。兄のHesenがいかに素晴らしい男性かを讃えつつ、自分がBerdêlîによって結婚するのだという事実を折り込み、密かな嘆きを込める。



Şeşbandî形式は、これまで”Dîno”と”Gulê”を学んだが、特別な技術を多く要するとても難しい形式だ。

おまけに、後半Stranên evînの部分も、楽譜におこすとすればたった4小節の短いフレーズの繰り返しだが、思いの外難しい。微分音が曲中の割と目立つところであらわれるのでごまかしがきかない。

たった数小節の短い歌を2時間丸々使って学んだ。

レッスンが終わると、1時間後からはグループレッスン。前回も特別に参加させてもらったが、今回もお邪魔することに。7月に行われるコンサートのリハーサルのための時間だったが、自分のレッスンではやっていない曲が3曲もあり、しかも大好きな歌だったので、また新しく学べてとても嬉しかった。Aliが「えりかがもしいたらデュエットで歌いたかった!滞在をあと10日延ばせない?」と言ってくれて、私も心の底からコンサートに参加したかったけど、3ヶ月フル滞在してしまっているので延長はできない。その時はきっと訪れるはずなので、それまでに歌を熟成させておきたい。

グループレッスンも終え、AliとImranがコンサートについての打ち合わせをするというので、Imranに挨拶だけして帰ろうかとAliについて行ったら、Imranをつかまえた後もそのままなんとなく歩いていって、すると昨日のAliのコンサートで出会ったMetinの家に着いた。

お邪魔すると、Metinがピザを作っていた。「クルドのピザだよ」「ラフマジュン?」「いや、ラフマジュンじゃない。それとはまた別の料理だよ」

完成したピザは、スジュク(牛肉のサラミ)と羊乳チーズたっぷりのクリスピーピザで、とても美味しかった。



Metinと奥さんのOzlemは、8月に日本に来るらしい。「8月に広島でŞivan PerwerのコンサートがあるってMuratが言ってたから、そのタイミングで日本へ行くよ」。お?、、、この「Şivanを呼ぶ」という話、毎年のように耳にするが、来たためしがない。Şivanが来るにしても来ないにしても、日本を楽しんでもらえたらいいな。

Metin宅を出ると22時頃。今夜は参加したいと思っていたイベントが2つあって、一つはクルドのダンス、もう一つはコバニから来ている素晴らしいクルド人歌手のコンサート。が、5時間歌っているのでもう疲れきってしまい、どちらにも行かず帰る。


明日もAliの歌レッスン。明日のレッスンはいよいよ最終回だ。最後は楽しい歌、Stranên govendに取り組む。予習の時間がない。レッスンまでの限られた時間で集中して取り組む!

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