クルドの結婚@Gever
Geverの街中の銀行で働く妹のDîlanは日曜のうちにGeverの家の方に帰ってしまったので、今朝はSerdarとお母さんと3人で朝ごはん。
Serdarが作ってくれじゃがいものオムレツを食べながら、昔の話をしてくれる。
Nene(お母さん)は実はイラン生まれで、16歳のときにBefircanにやってきたのだという。
「昔、お父さんはものすごくハンサムで、Nene(お母さん)もものすごく美人だったから、Neneが村にやってきて、恋愛して結婚したんだよ。Neneには姉妹が3人いて、みんなお父さんが決めた相手と結婚した。恋愛結婚はNeneだけなんだよ」とSerdarが誇らしげに話すと、Neneも少女のように嬉しそうに笑う。Neneは本当にチャーミングな人だ。
朝ごはんが終わると、Serdarは弟Sedatの結婚にあたり部族長のおじさんの家に相談事をしに行くと出かけていった。
私はBero、Semroと、お兄さんHamzaのNîşan(婚約披露式)のために必要なものの買い出しに出かける。指輪交換に使うトレイ、嫁に贈るスーツケースなどを購入。ブラウスやズボンなども花嫁に買い与える必要があるらしい。「お金がかかってしょうがない」と、2人とも一日中眉間にシワを寄せていた。
一番上のお兄さんAzadの奥さんSevalは、その家族も含めて何も要求してこなかったからあまりお金をかけずに結婚できたが、Hamzaの奥さんになる人はあれやこれやと要求してくるらしい。そして新郎家族はそれに応えるのが風習らしい。
「日本はこんなことない?」日本もその昔は結納にもたいそうお金がかかっただろうが、今は結婚の形は割と自由だと伝えると、「いいな〜日本で暮らしたいよー!」とBero。
「これ、買わないとŞerm e家族の恥になるから買うんだよね?お金もものすごくかかるけど、全部、お兄さん、家族が恥ずかしくないようにやってるんだよね?」と尋ねると、「その通りだよ!」と膝を打ち、「本当に退屈だ〜〜!」とまた嘆いていた。
店の人たちも花嫁の素性を必ず聞いてくる。どこの部族の誰の娘だ、と。結婚とは、部族同士の関係、家同士の関係を結ぶことなのだな、と感じさせられるシーンだ。
結局21時を過ぎる頃まで買い物に時間を費やし、全員疲れ切って帰宅。Canan家に帰ろうとすると、「なんで帰るの!うちでご飯食べていきなさい!」と、Aktan家の全員に強く促されて今日もAktan家でご馳走になる。
おばあちゃんやおばさんたちも来ていて、今日もまた婚約披露式に着る衣装の話をしている。Hamzaの結婚式が終わるまでずっとこれが続くのだろう。