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羊のいる高原へ ŞivanとBêrîvan@Gever

朝からBêrîvan(羊の乳搾りをする女性)たちに混ぜてもらい、羊のいる高原へ向かう。15人くらいのBêrîvanがポリタンクを持って集まる。車が到着するとBêrîvanたちが大騒ぎしながらポリタンクを積み、乗り込んでいく。子羊も2匹乗せられる。

Bêrîvanたち



見知った人が何人かいて、彼女たちが他のBêrîvanに私のことを紹介してくれる。「さぁさぁここに座って、これにつかまって」座りやすいように設えてくれて、スカーフで顔を覆ってくれる。

車が走り出す。Zom(高原)までは30分くらいだという。しばらくすると、激しく土埃が舞い始め、なるほどと、スカーフで顔を覆う意味がわかった。全員、目だけを出した状態だが、私の方を珍しげに見ているのがわかった。その視線は悉く優しい。

Zomに到着すると、Bêrî(羊を集めて囲っている場所)には無数の羊がいた。Bêrîvanたちは乳を入れる容器を川の水で洗い、座ってチャイを飲みながらちょこちょこお菓子を食べる。仕事前の一服。

仕事前の準備



Bêrîvanたちが仕事を始めたので、彼女たちのそばで写真を撮ったりしていると、知り合いのBêrîvan であるBedrîyêが、「長丁場になるから、あっちでしばらく座ってた方がいいよ」と、Şivan(羊飼い)たちが設営した日除タープが張られた簡易テントへ連れていってくれる。ŞivanはBêrîvanが仕事を終えるまでそこで待機している。

乳搾り
Bêrîには無数の羊



「こんにちは。お元気ですか?」と入っていくと、Şivanたちは「さぁさぁここに座って、食べなさい」自分の上着を敷いて私が座れるようにしてくれた。

パンとチーズ、チャイの朝ごはんをご馳走になる。家でも朝食を食べてきたのだが、「Bixo bixo(食べて食べて)」勧められるがままにどんどん食べて結構お腹いっぱいになる。食べているときに、テントの横でものすごくハエが飛び回っていて、何かと思ったら、一頭羊を屠ったらしく、死んだ羊が横たえられ、その上に干し草がのせられていた。その様子に一瞬驚いたが、それが彼らの生活なのだ。

朝食が片付けられて、一服するとŞivanはすぐさま昼食を並べ始めた。「Bixo bixo」また食べる。どの料理も美味しくて、お腹いっぱいのはずなのにどんどんスプーンがすすんでしまう。料理自体が美味しい上に屋外の自然の中で食べるというシチュエーションが素晴らしすぎる。

Şivan飯



後からSerdarの妹Jîyanに聞いたところ、Şivanに預けている羊の数によって、Şivanのために食事を提供する日数が決まるそうだ。10頭なら月に1日、20頭なら2日、など。

食事のあとはまたチャイの時間。のんびりしている時間にŞivanが歌を歌ってくれたりする。その歌声がまた素晴らしくて、土着の歌にますます魅せられる。

Şivanの歌



そうこうしているうちにBêrîvanたちは仕事を終え、一服したりチャイを飲んだり軽食をとったりしている。

ロバに荷物を背負わせるŞivan
仕事を終えたBêrîvanと子羊



羊たちはŞivanと牧羊犬によってBêrîからまた別の場所への移動を始める。なんと統率のとれた動きだろう。流れるように移動する羊は美しかった。



Şivanに別れを告げ、羊がみんな行ってしまうと、車に乗って村へ帰る。

Bêrîvanたちと、子羊2匹と、たっぷりの羊乳で重くなったポリタンクと、死んだ羊と。

おじさんの足元には死んだ羊


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