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シェイフ・ウベイドゥッラー要塞の街 Şemzînanへ

快晴でぽかぽかした陽気、ようやくのお出かけ日和。Serdarの従兄弟のNayimに車を出してもらい、3人で、Geverから南東へ50kmほどのŞemzînan(トルコ語でŞemdinli)へ向かう。

1時間強のドライブ。目の前に現れる景色の全てが雄大で壮観で、写真や動画の撮影をやめることができなかった。

休憩中のNayim

カーステレオから流れるのは、なんと谷村新司。私のために、と選曲してくれた。昴、いい日旅立ち、サライ。「谷村新司は日本のCiwan Haco?」と聞かれて、ちょっと違う気もするけど、近い部分もあるかも、と思った。

Şemzînanは、緑や水が豊かで、周囲の街からピクニックに訪れる人も多いという。その辺の小川の水もとても澄んでいて、美味しい。ラマダンが明けると一気に賑わうのだろう。

最初に訪れたのは、文化協会。クルド語の教室、Dengbêjを招いての会などがあり、図書館も併設されている。

クルド文学において重要な作家や詩人の紹介
雪の中を歩く時に装着するもの


次に向かったのは、シェイフ・ウベイドゥッラーの要塞。協会の職員で、実はSerdarの従姉妹の旦那さんだということが発覚した人が仕事を抜けて連れて行ってくれた。シェイフ・ウベイドゥッラーは19世紀のシェイフで、クルドの歴史においてとても重要な存在。その要塞が、数年前に修復を終えて資料館として公開されている。

シェイフの変遷
要塞の外観
要塞の中
古い橋
羊の世話をする男性Şivanと羊たち

自然と歴史と文化のŞemzînanを満喫し、帰路につく。帰りに明日の朝食のためのパンを買ったら焼きたてだったので「うおー!!うんめ〜〜っ!」と騒ぎながらほぼ全部食べた。また買わないといけない。

今夜は従姉妹のBerîvanの職場の人たちとの集まりに招待されているので、Berîvanの待つ”Geverの渋谷”まで送ってもらう。

Berîvanに連れられて入ったレストランでは、ロングテーブルにずらりと座る同僚、総勢20名ほど。食事もそこそこに、誰も彼もから質問攻めにあう。

人に紹介される時、最初は「Merhaba. Hoş geldin.」とトルコ語での挨拶を受ける。そこで紹介者が「エリカはトルコ語は話せなくて、クルド語を話すよ」というと、「Maşallah」となって、誰もが弾けるような笑顔になる。「なんでトルコ語を話さないのにクルド語を話すの?」と聞かれることも多い。言語学的にはおかしな質問なのだけど、トルコ語で教育を受ける彼ら彼女らにとっては当然生まれる疑問だと思う。そんなこともあり、どこへ行ってもものすごい歓迎を受ける。

揉みくちゃイベントを終えて、皆と別れる。Berîvanと、合流してきた従姉妹のSewarと3人で”Geverの渋谷”をうろうろする。

あなたも歌って!と言われて、全力でお断りしたところ
チャイを楽しむ人々に吸い込まれる

Berîvanと一緒にSerdarの家へ帰ると、玄関前に靴が散乱する様を見たときのBerîvanの「客来てるやん OMG」顔。中でBerîvanを待ってきたお兄さんのNayimと共に、そそくさと村へ帰っていった。

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