犠牲祭の始まり@Befircan
犠牲祭が始まった。今日から3日間。
朝は普通のアザーン(bangeと言われる)ではなく、Mela Selaというものが読み上げられる。
内容はわからないが、マカームが通常のアザーンとは全く異なる。
男性は朝からモスクに集い祈りを捧げ、羊が屠られる。その肉が各家に配られる。
人々は互いに家を行き来し、「Eyda te pîroz bît(犠牲祭おめでとう)」と言い合う。
来客があると、チョコやロクムなど小さなお菓子を勧め、客の手にコロンをたらす。そのまま座っていく人にはチャイを出す。子供たちも挨拶して回り、お菓子を集める。
朝から次々と来客がある。村の人だけでなく祭りに合わせて帰郷している人も。
何をするわけでもないが、節目ごとに互いの近況を確認し合う機会になるので良いこともある。
私はAmedでの生焼け鶏肉事件、肉食続きの食生活でお腹を壊していた。
勝手に棲みついている家で迷惑の上乗せをしたくないので「お腹の具合が悪い」などと言いたくなかったが、言わないと今日も犠牲肉を食べることになってしまうので、告白した。
するとみんながみんな、めちゃくちゃ心配してくれて、腹痛にはこれが良い、あれが良い、少しこれを食べた方がいい、これは食べない方がいい、とアドバイスしてくれる。
あっという間に情報は拡散され、村中の人が「エリカは腹を壊している」と知ることになる。
どんな小さな言動も、誰々がこう言っていた、誰々がこうしていた、チャイの席で話題にのぼる。
例えば、犠牲祭の挨拶に訪れた家でコーヒーを出してもらった際、「腹に良くないだろうからやめといた方がいい」と言われたので飲まなかった。が、本当は飲みたかった!ものすごく!
帰り道、一緒に挨拶まわりしていたメンバーに「本当はコーヒーものすごく飲みたかった」と言うと、とても笑って、帰宅してからのネタの一つになった。
一日中誰かが誰かの家を訪れ、チャイを飲む、そういうことが繰り返されて、永遠に、ノンストップで話し続けている。その内容と言えばほんの些細なことばかりだ。日常のあらゆることがネタになるのだから、話題は尽きることがない。
相変わらず腹の具合が良くないので、何も食べずお腹を休ませて早めに就寝。