Serdar Cananレクチャーに滑り込み@イスタンブール
パリでのŞivan Perwerコンサートがまさかの延期。コンサートの延期や中止は私たちからすると一大事なのに、彼らはあっさりとやってのける。いや、いろんな大変なことがあるんだろうけど、しょっちゅうこういうことが起こる。
そんなわけで、パリには他に用もないので、ニュルンベルクからイスタンブールへ直帰することに。
というのも、日本でもお馴染み、Serdar Cananのレクチャーが開催されるからだ。最近トルコ国内でも活動を活発化させていて、さらに人気が出てきている。が、なかなかタイミングが合わずもどかしかったので、どうにか合わせられるなら迷わず合わせようと思っていた。
さてそのレクチャー。告知画像を見ると、14時と17時、2講演ある?主催者に問い合わせるとそうだという。急げば、後半、17時の回に間に合いそう。
ニュルンベルクからの離陸が思いっきり遅れ、イスタンブール到着後のパスポートコントロールは長蛇の列。そんな悪条件を華麗に呑み込み、文字通り、駆けつけた。
ほんまにここであってる?(あるある)
めちゃくちゃわかりにくい入り口から入っていくと、これまた柔和な表情で、施設の管理者と思しき男性が出迎えてくれた。
「ようこそ、よくきたね、エリカ」
急いでいたし大きな荷物をもっていたので汗だくでえらいことになっている私。
「セルダルはレクチャー中ですか?」
「そうだよ、こっちこっち」
サロンへ入っていくと、40人ほどだろうか、設けられた席は満席。いやぁ恐れ入った。
「あ、エリカ、ようこそ!よく来たね!みんな、エリカのことは知ってるよね?今ニュルンベルクから来たんだよ」と、セルダルが紹介してくれる。みんながウンウンと頷き、ニコニコ優しく迎えてくれた。
レクチャーも終盤にさしかかっており、活発に質問がとんでいた。14時に始めた回、18時頃まで続く。「14時の回と17時の回がある」というのは、マストではなく、「場合によっちゃ、そういうふうにやっても良さそう」くらいのノリだったんだろう。
質疑も落ち着いたところで、
「最後に少し歌おうか。エリカがピアノを弾いてくれるからね」
実はトルコでは、ピアノは日本ほどどこにでもあるわけじゃなくて、設置されている施設は結構珍しい。ところがそこにはたまたま電子があったので、突然演奏の機会が降ってきた。
Dengbêjの、地域による歌唱法の違いを示すため、Heylanok、Nerîbel、Emê Gozêの三曲。
ソラニー方言の歌、Henasey Aşqan、リクエストのあったGulnîşan
準備(心の準備も含め)ができていなかったので、少し悔いの残る演奏になってしまった。どんな時でもさらっと演奏できるようにならないとなぁと強く思う。
と振り返りつつ、セルダルの声はやはりとても素晴らしくて(4時間話し続けていても枯れることがない)、駆けつけて本当に良かった、と思った。
会の後は、施設の管理者(柔和な表情の)Kemalさんが「食事でもどう?」と誘ってくれ、セルダルと私をとても素敵なテラス席のあるレストランへ連れていってくれた。
話していると、Kemalさんも音大出身の音楽家で、作曲家であることが発覚。オーケストラとDengbêjとで構成される曲を作ったりしている。
話は尽きなかったけれど、Fatihが私に鍵を渡すために待っていたので、一足先に帰ることに。
しまった、素敵なレストランの素敵な料理の写真を撮っておけばよかった!