優しい人
優しい人とは、どんな人だろう…
今日も私は考える。
きっかけは、米津玄師さんの曲「優しい人」。アルバム「stray sheep」を初めて聴いた時から心を鷲掴みにされた曲。
漠然と、この曲でダンスの作品を作りたいと思った。丁度同時期にオンエアされていた「MIU404」のサントラと合わせて思いの丈を綴りたいと。色々あって、今年になってえいやって一人で踊った。(色々あってはインスタに書いた)
そして、優しい人とは。
そもそも、「優しい」の定義とは一体なんなのだろう?
人によって「優しい」の解釈は違うから難しい。
ずっと寄り添うことを優しさと捉える人がいて、相手の為に突き放す人もいる。
傷つけないように黙る人がいて、ズバッと言いたいことを言ってしまう人もいる。
じっと見守る人がいて、我慢出来ずに手を出してしまう人がいる。
どちらが正しい?誰が正しい?
きっと、その人は正しいと思うことをしていて、それがその人なりの優しさで、でも、人によって優しさや正しさの尺度が違うからぶつかる。
このことを考える度、私はいつもSEKAI NO OWARIさんの「Dragon Night」という曲を思い出す。
「ドラゲナイ」で有名になったあの曲だ。ドラゲナイが独り歩きしているように感じるが、私はサビではなくAメロ(なのか?)のこの部分が好きだ。
人はそれぞれ「正義」があって、争い合うのは仕方ないのかもしれない だけど僕の嫌いな「彼」も彼なりの理由があると思うんだ
2番では「僕の「正義」がきっと彼を傷つけていたんだね」という歌詞になってます。
私は、この歌詞をかいた深瀬さんが優しい人だと思っている。どんなに苦手な相手でも、相手を思いやり、自分が相手を傷つけている可能性まで言及できる彼が。
他にも、作っている間に影響を受けたのは
羽生結弦くんが全日本で優勝した時のインタビュー
蔦谷好位置さんのインスタライブ(蔦谷さんは以前から言葉が優しくて大人で好きです)
この曲を選んでいる世の中の方々の言葉…
いつもより敏感に、優しい人について考えた年末年始を挟んだ2か月弱でした。
優しくない人なんていない。
だから、人を肯定したい。
このような結論を出して私は踊りました。
私が作る踊りの作品は、曲からインスパイアされた物語、または、曲に対する読書感想文のようなものだと散々考えたあげく思っている。今回は、完全に後者。米津玄師さんの提起する問題に向き合い、読み解き、その答えを身体で表現した。しきれたとは思わないけど、表現しようとした。
その前に「帰ってこなかったらどうしよう」(持田真裕 MIU404サントラより)を追加したのは、優しい人に悩む人のイントロダクション。人それぞれが、それぞれに悩み、問題を抱えてもがきながら生きているという想いを見せてから本題に入りたかったから。
ちなみに、「帰ってこなかったらどうしよう」のサビ(なのかな?盛り上がってくるところ)と「優しい人」の2番目のサビの振付は同じにしてあります。繋がりというか、悩みのループというか。それがはっきり分からないほど疲れ切った踊りを私がしているので、まだまだだなあと反省。
技巧が優れているとは思わないし、抜群の表現力があるとも思わない。ただ、曲を聴いて感じた想いを踊りにして立体化したい。それだけ。
感動させたくて作っている訳ではない。
だけど、誰かがこれを見て心に何か刺さるものがあったら表現者冥利に尽きる。
そして、踊りきった今も私は考えている。
優しい人とはどんな人なのだろうと。
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