見出し画像

迷走したキャリアを経て、30歳を超えての転職活動と、現在の仕事と、今思うこと。

医療×ビジネスサイドでいろんな職種を経験してきた、ということで、noteにこれまでの職歴や、それを踏まえ思うことなどをざっくばらんに書いてみようか、ということでnoteを始めてみました。
前回書いたこちらの記事の続きです。こちらの記事をまだご覧頂いてない方は、こちらからご覧いただくとスムーズかと思います。

とはいえ、前回の記事を読む時間が無い方も多いと思いますので、前回記事のサマリーです。

・キャリア選択の大きく2パターン、逆算戦略型キャリアと分岐選択型のキャリア。前者が称賛されがちでも、後者も良いキャリアですよね。
・1社目の製薬会社のMR, MKT, KAM、2社目の電通系の会社での市場調査業務、3社目の医療系学会での新規部署立ち上げ、学会の意思決定の理解等、その時々で色々な経験を積めた。
・基本的に納得の行くキャリアが積めていたが、とはいえ、もう少しよい仕事の選び方もできたかもしれないし、今後の仕事の選び方はもっと変わるのではないか。

ということで、今日はこの先の3社目以降のキャリアの歩みと、それを踏まえて今思うこと、について書いていきたいと思います。

●なぜ3社目を辞めたのか
仕事自体、非常に楽しかったですし、一企業との利害関係の中ではなかなか出会えない先生方との出会いもありました。
そもそも、小手先で利益を築くようなことは元来興味がない自分にとっては、公益社団法人のような関係の中で、顧客に必要な本質的な価値を提供できるのは居心地がよかったのだと思います。
新卒のときに、南極にでも冷蔵庫を売れ、みたいなことを言われましたが、それ自体否定するつもりはないものの、自分が売るとしたら、だいぶ条件付きにするだろうなぁと思います。(保存温度が0~10度ではないといけないものなどのために売ると思います)
そのような中でも辞めた理由は、シンプルに、仕事に対する価値観の違いです。
自分が面している仕事とそれを一緒に進める周りの人達(=主に医師)、の価値観は一緒だとしても、社内の人(=事務局員)が抱く価値観の差分が大きいと、仕事は立ち行かないのだなぁと思いました。ある種自分が上に立って、まるごと組織の価値観自体を変えられればとも思いましたが、閉塞的で年功序列な組織の中でそれを実現するには、相当なハードルがありました。仕事のパフォーマンスは出していた自信は絶対的にありますが、それでも変えられないものがあるのであれば、そこに固執することが無駄とみなし、転職の方向に決めました。
もう医療には戻るまい、と腹をくくって、そこから先も事務局で頑張ろうとしている主に派遣社員の方々が少しでも働きやすい環境になれば、と思い、退職者を募ったアンケートを取り、幹部の先生方に課題の全貌を共有して辞める、くらいまで尖ったことをしました。
今の自分が同じことをできるのか、と言われると、若かったからできた、という感じかもしれませんし、そのアンケートを出して組織が変わったのか、と言われるとあまり変わらなかった話を後から耳にしており、あまり有効性はなかったのかもしれません。
ただ、自分の身を切ってでも、正しくないことに正しくないとい言う。この精神は、今も自分の根底にありますし、そういった価値観が通じない組織で自分が働くことはもう無いと思います。
(どちらかというと、自分自身は良いですが、一緒に働く人や取引先のクライアントに負が及ぶことを許せない方が大きいです)
なお、直近この学会の仕事がどのような方向性かは聞いていませんので、ドラスティックに変わっている可能性もあります。あくまでも2015年の話だと思ってください。

●4社目探しのための転職活動の難しさ
そんな形で辞める決意をしましたが、
・そもそもやりたい方向性が明確ではない
・なんでも屋な感じの仕事が直近の成果(一つ一つの実績はちゃんとあると個人的には思っていますが)
・30歳を少し超えて、大したネームバリューある企業での職歴もない
こんな感じでの転職活動は、まぁそううまく行かなかったです。

ただ、何よりも一番間違えていたのが、3社目のような小さい規模の会社は働くことに前のめりな人はいないし、やっぱり大手に戻ったほうが良いのだろう、みたいなわけのわからないことを考えていたことだと思います。
今から考えれば逆なのです。公社の少人数企業がイレギュラーだっただけなのです。

●いくつかの転職活動を経て大事だと思ったこと
1. 本質的な自分の転職動機と向き合うこと
 大概、転職理由は1つではないですし、きれいな理由を転職動機に置きたくなってしまいがちです。(これは今の日本の転職活動が候補者にきれいな理由を求めがち、ということも背景にあるかもしれません)
 しかし、本質的に今の仕事で満たされず、転職でしか本当にその仕事には就けないのか。ここはきちんと向き合うべき点と思います。
 意外とこういう点は自分ひとりで内省的には思いつかないもので、誰かに話してみることが大事です。

2. 自分が価値を発揮できることの整理
 例えば、30歳を超えて、一番のキャリアの軸になっていた医療を、私は転職軸から省きました。別に何歳でもどんなキャリアチェンジもできますが、年齢が上がるほどに即戦力を求められるわけで、次の仕事にどういう資産が移行できるのか、は重要になります。
自分がやりたいことありきで転職ができるのは20代までだなと思います。
なので、次の仕事に移る際に、自分の軸足をどこにおくか、はちゃんと作ったほうが良いと思います。軸足が一つもない転職もできますが、相応の覚悟は必要です。一定の年収に、どうやって即戦力として返していくのか。返せないと思うなら、軸足のない転職はやめたほうが無難です。

3. 近しい価値観で転職経験のある人に相談をすること
 転職エージェントという仕事にその後着任するわけでして、その経験を踏まえてこういうことを言うのはなんですが、転職エージェントは基本的には転職によってFeeが自分に入ってくるか、その金額がいくら程度なのか、がどうしても一番重要です。自分もその当時所属していた会社もそういうスタンスではありませんでした。が、残念ながら、多くの転職エージェントがきちんと個人のキャリアに寄り添い、その人に一番よいキャリアを提案してくれるわけではありません。エージェントで信頼できる人がいれば一番それがよいと思いますし、それが難しければ、知り合いに相談してみることをおすすめします。

❏ 4社目:スローガン(2016年1月〜2017年3月)
苦戦した転職活動の中で、縁あって入ったのがこの会社でした。
入社半年くらいは新卒でベンチャー就職を目指す学生向けのセミナー講師(ロジカルシンキングとか、営業のセミナーとか)を行い、その後、中途採用向けの事業を立ち上げるということで、その事業部に異動となりました。転職回数も多いし、スローガンの中では年上社員ということで、そこに駆り出されたものと思っています。w
今までのキャリアでは接点がなかったようなベンチャー企業さんや、CXO候補の方との出会いなど、短期間でしたが、本当に良い経験を積ませてもらいました。
支援していたベンチャー企業さんの中では、今だから言えますが、とりわけビザスクさんとサイカさんへの思い入れが深かったです。この2社の企業さんを担当する中で、0→1を目指すこの2社みたいな素敵な企業の手助けを自分は社内の人間としてしたいのではないか、と思いました。
2社とも医療の会社ではないのですが、自分が0→1で手を貸すなら、医療の軸足を活かすべきだろう、とこのときに思い出して、MICINへの転職を決めることになります。

●この仕事で得たもの
 ・若手が作り上げるベンチャー感が好き
 ・キャリアを第三者的に捉える
 ・スタートアップ、ベンチャー企業の生態の理解

❏ 5社目:MICIN(2017年3月〜現在)
スローガンで働く中で、ビズリーチでスカウトをいただいたのが、MICINでした。が、最初は、そのスカウトに間違えて返信をする、というところが接点の始まりでした。w(本当に真実ですが、詳細は割愛w。今でも覚えてますが、浜松町の一風堂スタンドで飲みながらそのメッセージを見ていて誤った操作をいたしました。)
MICINでどんなことをしてきたか、までこのページに書こうと思っていたのですが、だいぶ長くなってしまったのと、MICINではこれまでのキャリア野中でも一番色々な経験を積ませてもらったので、別立てで書かせていただくことにします・・mm
 → 2022年12月31日に記事書きました!
  https://note.com/erika_tada/n/n3e8e1d08477a

❏ 副業:メダップ(MedUp)(2021年5月〜現在)
MICINでも楽しい仕事はさせてもらっていましたが、基本的に365日24時間、次の仕事でより縁があるところは探していくスタンスなのと、一番長く働いた会社でも5年なので、そろそろ違う世界の空気を吸ったほうがよいよね?ということから、こちらの企業で副業をさせていただくことになりました。
メダップも医療系のベンチャーで、MICINと差分そんなにあるの?というところがあると思うのですが、差分は大きいです。メダップの魅力は「病院DXという領域の魅力」という別記事を書こうと思っていますが、差分だけ端的に書いておきます。

●医療スタートアップ企業間の違いとは?
・医療でも、扱うドメインによる違いはある
 実診療に触れる=医療知識を求められる、わけですが、そうではない場合、医療の業界知識が一定あり、ビジネス観点・経営観点の領域の知識があれば活躍がしやすいです。MICINが行うようなオンライン診療や治療アプリの領域はガチ実診療です。良くも悪くも、Deepに医療の領域に入っていくことになります。医師資格等を持っている人が表に出やすくとも、なかなかそうではないと難しい、という側面もあります。

・10人代の企業と100人代の企業の違い
 私はMICINに一桁台の社員として入りましたが、そのくらいのフェーズと、10倍くらいに増えたフェーズでは、1社員に求められるものも、社員間の距離の近さも、だいぶ異なります。どっちが良い悪い、ではなく、個人の好き嫌いや、職能的にジェネラリストかスペシャリストか、によって、相性は変わると思います。

・カルチャーの違い
 MICINもメダップも、比較的経営層のキャリアバックグラウンドを見ると、似ていると思われるかと思いますが、結局組織を作るのは人です。その人の過去のキャリアが似ていても、作るカルチャーは異なります。ここも相性だと思いまして、代表・経営層の考え方や、情報共有の透明度は、確認すると良いと思います。

●仕事の探し方について今思うこと
1−2年前から、自分は一つの企業に所属して働くことが合わないのではないか、と思い、どこかで独立できたらなぁ、と思ったりしていました。
独立という方向が正解なのか置いておいたとして、今後のキャリアの作り方がより会社依存ではなく、個人依存になるとすると、1社で死ぬまで働くのだ、という方以外は、以下の観点は重視したらよいのではと思います。
書籍を読んで知識をインプットすることも大事だと思いますし、技術を身につけることも大事だと思いますが、そういった特殊な時間を作らずとも、顧客接点を持つビジネスサイドの方は、「感度」を大事にしていただけるとよいのでは、と思っています。

自分らしい生き方をするために
・会社を明日クビになってもよい覚悟で、経験から振り返る感度を研ぎ澄まし、スキルを積む
 自分自身がマネジメントも一定行う中で思うのは、教えられて伸びる、のは普通です。優秀な人は、自分自身が積んだ経験でとにかく触れたもの見たもの聞いたもの全てから、勝手に学習を得て伸びています。大事なのはこの感度だと思います。

・これから求められることの1.5歩先の打ち手を打てるような、課題推察力と思考力を持つ
 今起きている課題に打ち手を打てることは普通です。優秀な人は、少し先に何が起きそうか、何が問題になりそうか、を感度高くキャッチし、先手を打てます。感度高くキャッチするためには、コミュニケーション力とコミュニケーションから感じ取る力が重要。

医療スタートアップでの仕事の面白さは、今後また2−3本、記事にしたいと思います。今回の記事で、一旦個人のキャリアを事細かに書くのは終了となります。何かツッコミや疑問などある方は、どうぞコメントなどいただければと思います^^

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?