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第58章 はやく名前を呼びたくて

出産の翌日、

口や鼻から 彼女には太すぎる管を入れられながら、目が見えていたら怖いだろうなぁ というほど沢山の機械に繋がった我が子に対面した。

希望の光に向かって生まれてきてくれた 我が子。

新生児集中治療室(NICU:neonatal intensive care unit)に入院している我が子は
身長30cmの体重496g。

ちいさく生まれたのは我が子が頑張った証。

だから ごめんね は言わないと決めた。

"生まれてきてくれてありがとう”

お腹の中で育てられなかった4ヶ月より、我が子が頑張った6ヶ月を誇りに思おう!
我が子を目の前にして そんな風に感じた。

ベビちゃんのからだは、40週前後mamaのお腹の中で育つことで外の世界に出てくる準備が整う。
だから早く生まれた(在胎37週未満)ベビちゃんは、からだの機能が成熟していない場合がある。

我が子の場合もこれに当てはまり、早く生まれたための心配事やこれから乗り越えていかなければならないことについて、夫婦2人で医師からの説明を受けた。

説明の意味を理解していない訳ではなく、
軽く考えている訳でもない。
しっかり最後まで説明を聞いた上で、

"この子は大丈夫”

としか思えなかった。

そして、頑張る我が子を名前で呼んであげたい!と強く思った。
本来なら名付けの本なんかをめくりながら夫婦2人楽しく決めるのだろうけれど、
まだコロナ禍で面会禁止となっていた時期。
名前を決めるにも顔を合わせてゆっくり話す時間はなかった。

私たち夫婦は、長い間 不妊治療を受けて子供を授かった。
気の早い私たちは4年前から女の子は2つの名前を候補にあげていた。

電話で旦那と話した。
候補の中から選ぶか、顔を見て新しい名前を考えるか。
思い入れが強すぎて、候補の中から選ぶことに。
出産2日後の夜。
不妊治療から妊娠。そして今回の出産体験や頑張る我が子の姿を見て感じたことを振り返ったとき、候補のうちの1つが彼女にピッタリな名前だと思った。
私の想いを旦那に伝えた。

我が子の名前が決定した。

名前の由来を聞かれる。
"○○な子に育って欲しいから”
なんて簡潔にはまとめられないくらいの想いを込めて付けた名前。

私は我が子に手紙を書いた。
papaとmamaはこんな想いであなたの名前を決めたんだよ と将来 話せる日を夢見て。


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