第53章 この子を信じて
私は分娩台の上で、子宮収縮を抑える点滴を始めても定期的にやってくるお腹の張り(陣痛らしい)を深呼吸で逃し、一睡も出来ないまま22週と4日目を迎えた。
朝になると、いろんな科の医師が様子をみに来てくれた。
1日かけてそれぞれの科から説明を受けた。
まずは産婦人科の医師から自分の身体とベビちゃんの状況について。
ベビちゃんは今 頭が下になっているため、子宮口が3cm開いている状態でも出てきていない。これ以上 開いてしまうとお産が始まってしまう。
1日でも長く今の状態を保ちたい。
しかし、羊膜がすでに膣の中にあるため感染徴候があったり胎盤が剥がれたり ベビちゃんにストレスがかかっていると判断した場合はすぐ分娩。
22-23週のうちに分娩となれば経膣分娩になるが24週以降は経膣分娩か帝王切開のどちらかベビちゃん、母体にストレスがかからない方をその時の状態で決める。
次に麻酔科の医師からは、
帝王切開になった場合の麻酔方法とリスクについて。
最後にNICU(小児科)の医師から、
前提として、出産の状況・かかった時間・母子の状態によるが、
救命率 22週:50%、23週:70-80%、24週:80-90%である事。
週数の中でも日ごとに救命率はあがる。
正期産よりも身体も臓器も未熟な状態での出産のため、色々な所に障害がでる可能性があること。
特に22週の場合、呼吸器系が未発達のため人工呼吸器をつけることが必須になる。出産後の発育・発達状態で抜管出来る可能性はあるが状況により、酸素投与や家庭用の人工呼吸器が必要な状態での退院もあること。
どの医師も、今の状況では母体にストレスがかかる事が陣痛の引き金になるからと私の身体と心を第一に考えてくれ、
聞きたくない内容は話の途中でも伝えてくださいと言ってくれた。
私は医師も驚くほど冷静で、特にNICUの医師には救命率やベビちゃんに残るかもしれない障害について質問していた。
なんなら、先生がオブラートに包んでくれようとした内容も自ら突っ込んで聞いていた。
自分が看護師だからなのか、これだけ早く産まれる子供に与えてしまう影響は嫌でも想像が付いてしまう。
そこでモヤモヤが残るのであれば、しっかり がっつり聞いて、お腹の中のベビちゃんと向き合いたいと思った。
私は救急外来に着いたときから、この病院ならベビちゃんを助けてくれると思った。
少しでも長くお腹の中にいてもらい、障害を残す可能性を低くすることだけを考えていた。
※医師からの説明は実際に私が受けたものです。
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