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第40章 胎嚢確認を前にして-記念日反応-

妊娠の陽性判定から10日後に胎嚢確認のための予約を取った。

女性の勘?母親の勘?で "この子なら大丈夫”
と感じた受精卵を移植した私は、説明し難い自信を持って 安心して楽しく日々を過ごしていた…はずだった。

しかし、予約日が近づくにつれ 何とも言えない不安に襲われた。
自分なりに理由は分かっている。
たぶん、記念日反応*¹だろう。

胎嚢確認の2日前は、天国のあの子を守れなかった日だから…

この子は絶対に守る!!
と強く思いながら、記念日反応と向き合う。

私の場合、腹痛やお腹の張りは まったくなく、いきなりの出血で流産してしまった。
トイレで下着をおろす度に、下着を直視できず 目を瞑る。
そして、覚悟を決めて目を開け 出血していないか確認する。
そんな日々を過ごしながら胎嚢確認の日を迎えた。
旦那は仕事を休めず、でも1人は怖いので両親と病院に向かった。

診察台にのり 経膣エコーで胎嚢を確認する。
エコーを診ている先生から
「胎嚢 見えますよ。良かったね。」の声が。

そして、念願のエコー写真。
袋の中にポツンと影。
そこに確かにわが子がいる。

診察を終えた私は旦那に"おめでとう”とLINEした。

そんな今日は旦那の誕生日。


*¹記念日(命日)反応
大切な人が亡くなった後、亡くなった人との思い出や、亡くなった時の出来事をひときわ感じる時期に なぜだかわからないまま、体調を崩したり、不安になったり、心がざわついたりすることがあります。
この反応は命日だけではなく、季節を感じる時期(クリスマス・正月・連休・誕生日・父の日、母の日、結婚記念日といったタイミング)に起こりやすいと言われます。
これらは必ずしも病的なものではなく、誰にでも起こる自然な反応です。


私の場合、日付は違っても胎嚢確認の2日前というタイミングにこの反応が出たのだと思います。
実は私 グリーフ専門士の資格を持っています。
知識がある私も、この反応に向き合い 対処することは なかなか難しかったです。

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