シェア
冬の鋭さが痛く恋しい。息を吸えば肺が凍てつき、唇がかさついて、言いたかったもやもやが全部凍ってしまう。ま、いっかと言葉も冬眠してしまうのだ。春になって昇華できたらいいけれど、大抵うまくいかない。感情や言葉はナマモノだから、無駄に保存せずに、ちゃんと言えたらいいよね。
どんなにつまらなく感じても、人は忘れないために、言葉を遺した。どんなとき私はつらく感じたか、どんな言葉でわたしは死にたくなったか。時と人間の脳は残酷なもので、すべて忘れ去ろうとするから(わたしを守るために)、わたしはわたしを知るために、言葉を遺さないといけない。忘れるものか。