真空ジェシカ、ラジオ父ちゃんとの出会い
真空ジェシカを初めて見たのは、2021年のM-1。
ランジャタイが強烈すぎて、ネタを見たはずなのに全然覚えていない。
高学歴で片方が金髪マッシュ、なんとなく気をてらって変なことする人達なんだろうなと言う印象が勝手にあった。名前もなんだかスタイリッシュでかっこつけてるなと思っていた。
そもそも高学歴芸人は、学歴を売りにして頭でっかちなイメージがあってなんとなく好きではなく、真空ジェシカもその枠に当てはまっていた。
ちなみに、私のお笑いスペックは中の中ぐらいだと思う。
関西出身なので、土曜日はせやねんと吉本新喜劇を当たり前に見ていたし、平日の夕方はちちんぷいぷいを見て育ったので、関東圏の人よりはお笑いが当たり前にある環境に育ったかもしれないが、特に贔屓の芸人がいるわけでもなかった。
大学卒業後に就職して名古屋で一人暮らしを始めてからは、毎週アメトーク、ロンハー、水ダウ、有吉の壁などを毎週録画して楽しんでいた。
仕事で運転することが多かったので、ここ2〜3年で芸人のラジオを聴き始めた。
そんな感じで、真空ジェシカに関しては特に興味を持つこともなく、むしろ唯一見たM-1でネタを覚えてもいないのに勝手に苦手意識を持ちながらいた。
そんな私が真空ジェシカを好きになるきっかけになったのは、2022年10月。
当時私は妊娠中で、特に問題なく過ごしていたのに、定期検診に行ったら切迫早産だから緊急入院!と総合病院に連れて行かれて、思いがけず入院生活に突入した。
(※切迫早産とは、簡単に言うと赤ちゃんが予定より早く下がってきてしまっていて、予定日より早く破水して生まれてしまう可能性があること)
出産予定日まであと3ヶ月、とにかく動いたらいけない。24時間点滴を打ち、寝てるだけ。
重力で赤ちゃんが下がってしまうので、立つのも座るのもダメで、お風呂は週に一回だけ許された。トイレに行くのも毎回看護師さんを呼んで、車椅子で運んでもらった。
とにかく安静にすることがメインなので、点滴をしている以外は特にやることもなく身体も元気なのにいきなり終わりの見えない入院生活に突入し、ベッドの上で本当にやることがなかった。
面会も禁止で、外界と遮断された私は暇すぎて頭がおかしくなりそうだったのでテレビを見ている時以外はラジオを聴いて過ごした。
毎週聴いている芸人のラジオだけでは足りないので、Spotifyで霜降り明星ANN、マヂカルラブリーと三四郎のANN0を過去から全て聴き直し、それをローテーションで何周かしたが、もちろん知っている話なので飽きてしまう。
目ぼしい芸人のラジオはすでに聴いているし、何組か試しに聴いてみたがあまりピンとくるものにも出会えなかった時に、Spotifyでラジオ父ちゃんを見かけた。
勝手に苦手意識があったので、真空ジェシカか…と一瞬思ったが、ふと思い出したことがあった。
Twitterで、真空ジェシカのラジオ内のネタメールの内容が、あるあるbotからの転用だったという事件を目にしたことがあった。
番組側はどういう対応をするのか気になってざっとツイートを追ってみると、コーナーを攻略されたという形で非常に丸く収めていた。
ラジオ父ちゃんってあの時のあれか、と思い出し、聴いてみることにした。
聴いてみたら、言語化が非常にうまいなと思ったことと、2人の育ちが良さそうだなという部分が印象的だった。
高学歴を鼻にかけて、気をてらって変なことする人達だと勝手に思い込んでいた私からすると衝撃だった。
2人とも頭がいいので、会話内の知識や言葉に関してどちらかが引っかかることなく非常にスムーズだし、会話の端々から育ちの良さが滲み出ていた。
頭のいい人たちの会話ってこんなに聴いていてストレスがないのか、と今まで聴いていたラジオとは違いを感じた。
当たり前に他の芸人さんのラジオがストレスってわけではないし大好きだし、今考えると川北さんとガクさんの相性の良さや2人の歴史もあって会話がスムーズだったのかなとも思う。
とにかく時間だけはあり、ラジオに飢えていた私は入院中に朝から晩までラジ父を何周も聴いて無事に出産し、退院後は育児をしながらギガラジオを何周もした。
すっかり高学歴芸人への苦手意識を克服して、現在はママタルトのラジ母、ラジまーも最初から全部聴き、生後3ヶ月の娘に本物チャンネルを見せて「大鶴肥満がハンバーガー食べてるよ」「ひわちゃんだよ、神戸大学出身だよ」と教えたりしている。
今年の目標は、真空ジェシカを生で見ること。
おわり!