見出し画像

はじめてのパニック発作・その後

多分パニック発作にはいろいろな原因や症状があると思います。
はじめてパニックになったときは今まで経験したことのないような感覚でした。

きっかけは二十数年前に精神病院に入院していて(といっても1週間くらいで家に帰りたくなり夫に迎えにきてもらったのですが)入院中に親しくなった女性と外出することになったときのこと。
その病院の周りは畑というか、田んぼというか、とにかく何もないようなところだったので、自転車に乗って本屋さんに行こうという感じだったのです。

外に出て、大分遠くに町があるんだなあ、とぼんやり思っていました。
その瞬間、大きな不安と恐怖が私を襲いました。私はその場から動くことが出来ず、無性に怖くてたまらなくなりました。
そのときの光景は今でもハッキリ覚えています。
一緒に行こうと言っていた女性に、今日は行けないみたいと言って病室に帰りました。

パニック発作になる人は、私もそうだったのですが人に(他人に)助けて、と言えない人が多いのではないかなと思います。
私もそのとき、その女性に助けてと言えませんでした。

その後、パニック発作は頻繁に起きました。
出産後1年半後くらいだったと思うのですが、家でも突然パニックになると夫に助けてと言えず、トイレにこもるのです。
鬱の薬を飲んだり飲まなかったりしていたのも原因かもしれません。

私は今は妹や娘に助けてと言えるのですが、パニックなりたての頃から数年の間はそんな感じでした。

1度ひどいパニックに襲われたことがあります。薬も持たず友人に会いに行き、話をするのがとても楽しくてお代わり自由のコーヒーを何杯も飲みました。
友人と別れて電車に乗った瞬間、ああ、ダメだと思いました。(今なら分かりますがカフェインの影響でしょう)
頭が寒いような、恐怖と不安が体を縛りました。

次の駅で降りて、タクシーで帰ろうとタクシーを止め乗り込みました。
でも数分もしないうちに乗っていられなくなりました。
そして、すみません!降ります!とタクシーを降りて、歩道に座り込みました。
そのとき、人がかなり歩いていましたが、誰も声をかけてくれませんでした。
でも、それでよかったのです。大丈夫ですか。と言われても、大丈夫ですとしか言えなかったからです。

しばらくして、夫に電話をしなくてはと思いました。(携帯電話がない時代です😭)
喫茶店があり、その前に自販機があったので、ココアは心を落ち着かせると何かで聞いていたので、ココアを買って。
喫茶店のお姉さんに、すみません!電話貸してください!と言うと、私はきっと切羽詰まった顔をしていたのでしょう。
こちらですよ、と案内してくれました。
夫に電話をして、迎えにきて欲しい、薬を持ってきてほしいと言うと、薬を持っていかなかったことを叱られました。

喫茶店のある場所を伝えて外に出て、迎えにきてくれるのを待ちました。
パニックあるあるだと思うのですが、こういうとき本当に待てません。
待てない+カフェインによるパニックで具合が悪くなっても、気絶するわけでもなく、とにかく恐怖と不安が襲ってくるのです。波のように何度も襲ってきました。
後に心療内科クリニックに通うことになるのですが、先生から
「パニックでは死なないから大丈夫」
と言われても、心の中でそのときは死ぬより怖いんです、と言っていました。

その大きな発作(そのときの発作は1番ひどかった)後、数年くらいパニックはたびたびやってきました。
鬱とパニックの治療のために妹夫婦が住む土地に引っ越し、気持ち的には少しは楽になったのですが、そんな簡単に治るものではありません。

近くのスーパーへ買い物に行き、レジで待っているときザワザワな感覚が襲ってきます。なんとか持ちこたえ、サッカー台で食料を袋に詰めることができず、そのままカゴごと持って帰ることもありました。

今、車に乗ってどこかに行くことはできますが(1人では無理)、公共の乗り物は駄目です。車で外出もトンネルの長いところを通るのは多分無理です。
美容院とかもずっと駄目だったのですが、最近は床屋さんに行き、短くしてもらっています。
病院は大丈夫ですが、MRIは駄目です。歯医者さんはなんとか耐えています。
映画館も頓服を持っていれば大丈夫(すぐに出られれば)。

ここにいなければいけない、どこにも行けない、という状況が駄目なんだと思います。

パニック発作と付き合ってもう二十数年。以前書きましたが、60歳をすぎるとパニックにならなくなるようです。
でも、不安はなくなりません。不安に思うことが辛いです。
それは自分の体の変調が主なので、健康であれば大丈夫なのですが。

何かに熱中しているときはパニックにならないような気がします。
以前から予期不安が起こりそうなとき、自分の腕や足をつねっていましたが、パニックになりかけのときは、娘に顔の頬の部分をギュッと押してもらいます。
すると、すごく痛いので一瞬なくなります。
それでも駄目なときは頓服を飲みます。

こう書いていて思ったことは、パニックになったときって自分がここにいない、不安の渦にただ巻き込まれているような感覚ではないかと思いました。

色々書きましたが、自分と同じような人がいると思ってくれればと思います。
でも、パニック傷害の人は私もそうでしたが、パニックになるような状況を読んだり、聞いたりしても、もらいパニックになると思うので、そういう人は読まないほうがいいと思います。

不安や恐怖の素はなるべく遠ざけたいですね。(^-^)

いいなと思ったら応援しよう!