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ハーバードケネディスクールに集う愉快な仲間たち

ハーバードに来てから、常々ハーバードはやはり世界一だな~と思わされる。特に感じるのは同級生の顔ぶれである。自分が所属しているMid-career MPAというプログラムは世界中から経験豊富なミッドキャリア(30-60歳までおり、平均年齢38歳程度)の人材が220名ほど集まってきており、世界70か国以上、半数がInternational studentsということで正に世界の縮図となっている。同級生がなかなかすごくて、如何に自分がちっぽけな存在であるかを思い知らされるが、一方でかなりの実績を持っている人たちも日々悩み考えながら歩んでいるというのがわかることは大きな収穫だし、この年になってそういう面々と純粋に友人として絆を持てることは稀有な機会と思う。

具体的には、エチオピアの元大臣、メキシコ元副大臣、中国E-sports最大手の社長(ビリオネア)、インドネシア大統領のIT戦略を司っている女性起業家、台湾の元国会議員で半導体周りの地政学の専門家、東洋哲学研究者等、大臣から弁護士から起業家から哲学者まで挙げればキリがない。少なくとも自国の大統領を目指すと本気で明言している人が5名くらいはいるし、間違いなく同級生の1-2名はどこかの国の大統領になるだろうなという感覚。国籍、年齢、性別だけでなく、個々人のキャリア志向や専門性等においてケネディスクールほどDiversityに富んだ場所は他に無く、これだけの経験豊富な人材を世界から一堂に集められるのは正にハーバードゆえの芸当と思う。

また、同級生たちは2つ以上の修士を持っていることはザラだし、博士号を持っている同級生も優に両手で収まらない人数いる。世界の優秀人材は日本が生涯学習、リカーレント教育と騒ぎ出す遥か昔から学び続けており、持たざる者が努力で学位を取って自分のキャリアの糧・梃子としていることや、好奇心を持って学び続けることが人生においてとても大切であることを日々周りのメンバーを見て再認識する。

ちなみに、ハーバードケネディスクールの魅力は何歳になって行っても問題ないということ。グローバルに展開する銀行のCOOをやってきたが、50歳を超えて、より社会慈善活動に力を入れるべくケネディスクールで新たな視座を得る為に来たという友人や、カザフスタンで国際渉外弁護士をやっていて、自分の弁護士事務所を立ち上げるに際して所属事務所と一年間協業避止があるのでその間ケネディスクールで学ぶと共に事務所開設準備を進めるという友人、ベネズエラの国会議員だったが体制が変わり収監された後、政治亡命し、ハーバードで研究をしながら国政復帰の機会を狙っている友人等、ケネディスクールは幅広い人々の受け皿になっている。(自分は米国駐在を離れる前に行かないとなかなか米国に戻ってくるのは大変と思い、昨年のタイミングで行くことを決め、その決断は正解だったと思うが、もっと経験・実績を上げてから来ても全く遅くはないと感じている。総合商社で頑張ってましたというのだけでは全くもってキャラ立ちしないので、色々な努力が必要になる。)

社会人10年を超えると、それなりに仕事が出来るようになるが、一方でマンネリで燃えきれなかったりとMiddle age crisisに陥る人も多くいると思う。また、意識しないと所属している会社や同じセクター/業界の人とばかり絡み自然と考えが偏りがちになる。そんなタイミングで、日々の仕事から一旦完全に離れて全く異なる環境に身を置き、異なる考え方に触れることは次のフェーズ(10-12年)を充実させるために精神的な効能がとても高いのではないかと感じている。そして、そのキャリアブレイクで思い切り自分の視野を広げ、視座を高めたいと思っているのであれば、ハーバードケネディスクールほど面白い場所はなかなか無いのではないかと思う。


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