2月12日〜23日

曳舟の駅を降りようと立って扉に向かっていたときに右側から英語が聞こえてきた。どうやら成田空港に行きたいらしい。この電車は成田空港に行きますか?とその方の隣にいた人に聞いた様子だ。視界の右側にそれが見える。私が乗っていたのは普通電車の青砥行きだった。成田空港に行くはずもない電車だから「no」という回答を私は期待したがその質問された日本人は「yes」と答えた。

私は耳を疑い、改めて自分が乗っている電車の行き先と種類を確認した。間違いなく普通青砥行きだ。私は曳舟で降りるのをやめ急いでその会話を制し「どこに行きたいの?」と改めて聞いた。男性二人と女性(おそらく母親)一人でスーツケースを脚の間に置いて座っていた旅行者は私の顔をキョトンとした目で見上げて「成田空港だよ」と答えた。そして私は「電車を乗り換えないといけないよ。」と伝え様々説明して彼らと共に青砥まで向かうことにした。

三人と共に青砥駅で降り、成田空港行きの特急がとまるホームを案内した。飛行機のチェックイン時間も聞いたが十分間に合うみたいだ。ホッとして、私は逆側の(青砥の場合は一つ下の階にある)ホームから曳舟に戻った。電車を待つ間、とにかくモヤモヤが止まらなかった。最初に「yes」と適当な回答をした日本人は何を思ってそうしたのだろうか。その男は青砥駅に着くやいなや走り去るように向かいのホームに止まっていた別の特急に駆け込んでいた。意図的に嘘を教えるような意地悪をしたとは思いたくない。ただただ英語がわからなくて適当に「yes」と答えただけだろうと思いたい。

もし意図的に嘘を言っていたのだとしたら絶望しかない。

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