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「ONE LIFE」

アンソニー・ホプキンスが好きだ。

そこに理屈はなく、映画のキャストにアンソニー・ホプキンスの名前があると、とても気になってしまう。

この映画も、アンソニー・ホプキンスが主演だと知り、公開からけっこう経ってしまったが映画館に観に行った。

STORY
時は1938年、第2次世界大戦直前。ナチスから逃れてきた大勢のユダヤ人難民が、プラハで住居も十分な食料もない悲惨な生活を送っているのを見たニコラス・ウィントンは、子供たちをイギリスに避難させようと、同志たちと里親探しと資金集めに奔走する。ナチスの侵攻が迫るなか、ニコラスたちは次々と子供たちを列車に乗せる。だが、遂に開戦の日が訪れた。それから50年、ニコラスは救出できなかった子供たちのことが忘れられず、自分を責め続けていた。そんな彼にBBCからTV番組「ザッツ・ライフ!」の収録に参加してほしいと連絡が入る。そこでニコラスを待っていたのは、胸を締め付ける再会と、思いもよらない未来だった。

映画「ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命」
公式サイト より 

映画冒頭で、「この映画は事実に基づく〜」とさらりと表示される。

ナチス・ドイツの手からいくつもの命を救った実在のイギリスの人物であるニコラス・ウィントンを、イギリスのウェールズ生まれのアンソニーが演じる。

映画鑑賞後にパンフレットを購入したが、監督やプロダクションノートにもキャストの話が書かれていて、この役には本当にアンソニー以外考えられないのでは?と密かに興奮してしまった。

でも、この映画は一人の英雄の物語ではなく、同じ志を持った人たちが互いに出来ることを、相当な忍耐と必死の努力でなし得たことが丁寧に紡がれている。

パンフレットのプロダクションノートに、この映画のプロデューサーの方の言葉が掲載されている。

「そしてこの映画については、自分を賛美するものではなく、ごく普通の人々が非常に大きな影響を及ぼすことができるということを称える作品でなければいけないと考えていました。

映画「ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命」
パンフレット プロダクションノートより


目の前にいる小さな命を助けたいという気持ち。

親が、子どもとその未来のために、見知らぬ誰かに子どもを託す気持ちと、どうか安全な場所でと祈る願い。

「戦争をやめさせることはできないけれど、チェコのユダヤ人の子ども一人は助けられる」と考え里親になることを決めた思い。

この映画の主人公は、ニコラス・ウィントンであるけれど、たくさんの、本当にたくさんの人たちの思いや祈りを感じることができる映画だった。

そして、映画を観て終わりではなく、忘れられないように次の世代に語り継ぐ必要がある物語だということを、自分が忘れないようにここに書いておきたい。


ニコラス・ウィントンたちが救ったひとりである、ヴェラ・ギッシングという女性の自伝。
映画のあとに、読んでさらに深めたい。



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