「幸せへのセンサー」
「幸せ」になりたいなとは思うけど、「幸せ」というのは、ある瞬間のことなのか、あるいは状態やあり方のことなのか、などと考えるときりがなくなる。
イメージとしては、お金や地位などの物質的なことではなく、気持ちや心の状態が安定していて、不安や心配なこともなく、安定していて、自分だけではなく、周りも大事にすることができることかなと浮かぶ。
自分で書いてみたけれど、最初は「幸せ」かもしれないけど、時間が経過したら、それは「幸せ」ではなくなるのかもしれない。
「幸せ」は水物なのかな。
大好きな吉本ばななさんの新刊。
表紙や装丁だけで、心がきらきらしてしまった、単純な自分。
それでも、タイミング良く、この本を読むことができて本当によかった。
今の自分は長年続けてきた仕事、勤めてきた職場に対して、今までに感じてこなかった違和感を感じていて、直感的に「このまま何もしないでいたら、自分が大事にしているものが侵食されそう」と危機感を持っているけど、そういう感情に対して、「自分がもっと頑張れば」とか「忙しくて、疲れているからマイナス感情になっているのでは」などと思っていた。
上の文章を読んで、ガツンと頭を殴られたような気がした。
自分の頭の中で思考していると思っていたのに、実は感覚が麻痺させられていたのかもしれないと思うと、ホラーでもある。
結局、世間の目(なんてあるかどうかもわからない幻想かもしれない)を気にしちゃっているのかも。
この作品は、ばななさんが今この時点での自分なりの幸せについての考え方を、参考になればとぽんっと差し出してシェアしてくれている。
そこに、「〜したほうがいい」などの強制力はなく、受け取った人の心の状態で、作品の持つ作用が変わってくるように感じた。
自分にとっては、「あ、なんかこの感覚間違いではなかったかも」と、よい気づきを得ることができた。
この作品は、Amazonのオーディブルで配信中だそうで、紙や電子で目で見る読むのもいいけど、耳で聴くとまた違った印象になり、より深く没入できそうで、本を耳で聴くことができるなんて、そういう点はいい時代かもしれない。
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