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心配性ライターの細かすぎるロンドン生活⑤~世界の洗濯事情

夏休みに入った次男を大英博物館に連れて行って帰宅したら、郵便物と一緒にぺらっとチラシのようなものが入っていました。

見ると、どうやらマンションの理事?管理人?的な人からの通達文。

「あなたが洗濯物をベランダに干していることが確認されました。カーペット、ラグ、洗濯ものはどれも干してはいけないというルールになっているのでやめてください」

みたいなことが書いてある。

え、今イギリスで一番気候の良い時期で、太陽が長い時間燦燦と照っているのに外で洗濯もの干しちゃだめなの?

ちなみに、私は洗濯星人です。

朝起きるとまず窓の外を見て、洗濯物が外に干せそうか、一日干していても大丈夫そうかを確認してそこから逆算して一日のスケジュールを決めている。
タオルやカバーなど洗うべきものがいつもより多いとほくほくし、
なんだか今日の洗濯槽はがらんとしている、と感じたら何かをひっぺがしにいく。
そのぐらい洗濯を愛してる。イケメンじゃないけど、心は#洗濯愛してる会のメンバー。

ちなみに食器洗いは嫌いです。
汚れたお皿を洗う行為はマイナスをゼロに戻しているだけな感じがして。

洗濯も汚れを落とす作業だけれど、やった後の方があきらかに気持ちがいいのでプラスにしている感じが好きなのかもしれません。絶対太陽にあてたほうが、シーツもバスタオルもシャツも喜んでるって。

そんな私が洗濯の中でも一番好きな、「お日様の下に干す」作業を封じられて、しかも苦情レター的な形で通達されて、かなり凹んでおります。


でもね。

イギリス人は何よりも庭を大切にし、庭やベランダ、テラスで家族や友人とおしゃべりする時間を愛する国民。
スタバやカフェも、テラス席はいっぱいで室内はガラガラ。
(テイクアウェイにすると税率がちょっと安いから?と思ったけれど、どうもそうじゃないらしい)
ガーデニングは必須スキルで、週末はBBQという人もやたら多い。

私が洗濯の外干しを心から愛するように、このフラットの住人はベランダでお茶を飲みながらおしゃべりする時間を心から愛しているのだろう。

実際、どの部屋もテラスには小さなガーデニングデスクとチェアがあり、植木鉢でお花を育てていたりオシャレなアイテムを置いたりと、居心地のよいスペースになるように工夫している様子が見受けられます。

そんな人にとって、目線の先に他人の洗濯物があると不快なんでしょうね。

もしかしたら宗教的に「他人の目につくところで肌着を干すなんてもってのほか」というところもあるのかもしれない(なにせ髪の毛すら出しちゃいけないとか、肌を出しちゃけいないとか戒律の厳しいものもありますからね)。

そんなことを考えているうちに、ふと世界の洗濯事情ってどうなってるんだ?と気になってちょっと調べてみました。

アメリカ・・・外干しNG→景観を損なうから。外干しする人がいるとマンションの不動産価値が下がる場合もあるらしい(乾燥機すら買えない低所得者が住んでいるとみなされるからだとか)。砂嵐やハリケーンなども多いので干せないという事情があるエリアも。
→一方で環境の観点から乾燥機を使わない方がエコ、という考えも広がり、「洗濯物を干す行為を法律で禁止する行為は違法」という州も出てきているのだとか。

ドイツ・・・同じく景観を損なうという理由でNG。地下室に洗濯機があってそこに干したり、中庭や表通りに面していないベランダなどの人目につかない場所に干すのはOKな場合も。洗濯物を干しちゃだめなだけでなく花を飾ることが法律で定められている

フランス・・・同じく景観と「他人にプライベートなものを晒したくない」という美意識、排気ガスで洗濯ものが汚れるリスクから、外干しはしないらしい(パリは美しく見えるように建物の屋根や壁の色、高さをそろえるなど規制が厳しいですしね)。南仏では外干しすることも。

イタリア・・・外干しOK(一部NGなエリアも)。匂いの強い柔軟剤を使うことが多いんですって。景観大事にしてそうなのに、おおらか~!

ニュージーランド・・・外干し中心。日照時間が長く晴れの日が多いので最大限利用。ただし天気が急変して雨が降ってきても取り込まず、また晴れてきて乾くまで放置らしい。

ロシアなど氷点下以下になる極寒エリアは外干ししたら凍って凶器になるし、中国や韓国は黄砂やPM2.5がひどくて無理。

インドは洗濯機の普及率がまだ低く、世界最大の洗濯場もあるように「大量の服やシーツなどを洗濯して乾くまで待つ」という仕事もあるそう。

中東も砂漠から飛んでくる砂嵐がひどくて干せないし、外干しすると罰金というエリアもあるのだとか(でもアラブ系の男性って真っ白な衣装を一日に何度も着替えるのでは?)。

また、洗濯物を外に干していると盗難にあう(変態的な意味ではなく)地域もあるようで、安心して干せない事情がある場合も。

洗濯もの、部屋干しするか?外干しするか? は、湿度も大きく関係します。
ロンドンを始めヨーロッパは年中乾燥している国が多い。私も毎日薬用リップで保湿してますが、気を抜くとカッピカピに。

日本と違って部屋で干しても生乾きで嫌な臭いがして不快、ということがないから、「部屋で干せばいいじゃないの」とマリーアントワネットがささやくわけですな。

洗濯ひとつとっても、「なぜこれをしちゃいけないのか」の裏にはその国や文化が大事にしているものが見えてきたり、地形的な理由もあったりして興味深い。
馴染みがないと、「生活感丸だしでみっともない」「プライベートなものを人目にさらすなんて」と違和感があるのかもしれませんね。

しかしそういう人たちって、洗濯乾燥機が登場する前はどうやって乾かしていたんだろう。。

そういえば海外の映画で洗濯ものを干しているシーンってあんまり思い浮かばないかも?


なんで日本ではOKなのに、ここじゃだめなの?
それは、日本じゃないからです。

イギリスで暮らす限りは、イギリスが大事にしているものは最低限損なわないように、リスペクトは必要。

ああ、早く室内用物干し、届かないかなあ・・・(船便に乗せた)。






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