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心配性ライターの細かすぎるロンドン生活⑪~ロンドンの治安は?

出発前、一番心配だったのは治安でした。
なにせ心配性だから、ありとあらゆる最悪のシチュエーションを想像してはぶるぶる震えておりました。
だって少し前にロンドンに住んでいた方に話を聞いたら「けっこう強盗に入られたっていう話を聞いたよ~、10人に2人くらいは」みたいなぶっそうなことを言うんだもん!2割って結構な確率やん!!

20年以上前、初めてロンドンに観光に来て3週間ほどイギリスに滞在したときは、とにかく地下鉄が怖かった。

突然ギターやアコーディオンを手に地下鉄に乗り込んできて、演奏を始め、「お前聞いてただろ?」みたいな感じで当然のようにチップをせびられてビビったり、財布やパスポート、トラベラーズチェック(!)をスリに持っていかれるのがこわくて、腹巻みたいなインナーバッグに入れて防衛したりと、とにかく緊張してました。

今2か月ほど住んでみてどう感じているかというと、当時よりかなりおだやかになっているという印象。

もちろんエリアによって違うし(東部の方は治安が悪いという話)、西部である私の住むエリアでも、ひったくりにあったという話は聞きます。
都会の方(地下鉄でいうZONE1)に行くと、やっぱり郊外よりは緊張します。

今ターゲットにされているのは圧倒的にスマホ。
スマホを見ながら歩いていると、バイクや自転車などですれ違いざまにバッと持っていかれちゃうんだとか。
特にベビーカーを押しているママは、赤ちゃんに気を取られている隙にねらわれたりしやすいと聞きます。

また、ロンドンのあちこちにある公園で生活している人、地下鉄の入り口や構内に座り込んでいる人も相変わらず見かけます。

でも、20年前よりものものしい雰囲気というか、緊張感は少しゆるんだ気がする(私がふてぶてしくなっただけ?)。

その原因のひとつに、だれも現金を持ち歩かなくなったことは大きい気がする。
財布を奪ったところで、現金は入ってないからね。
電車に乗るにも、カフェでコーヒーをテイクアウトするにも(紅茶なんてだれも飲んでません)、お土産物やさんで絵葉書を買うのも、みんなデビットカード。
物理カードを奪われたら、スマホで即利用を一時的に止めることができますし、ApplePayなどスマホで支払っている人も多い。

だからスマホが狙われるんですね。奪われたiPhoneの位置情報を検索すると、全部中国に運ばれているんだとか・・・。
(ちなみにBBCで報道されていましたが、スマホ引ったくりは国内で一日200件、昨年度は年間78000件あったそうです。一日200件て!!!)

だから時々信号待ちをしている時に「マネー、プリーズ」と声をかけられてもそもそも持ってないし、
支払う時に札入れを見られて、ドキドキすることもない。
路上にあるATMでお金を下ろす時に後ろに立っている人を警戒する、というシーンもほぼありません。

このキャッシュレス化の波は、治安に大きく影響しているように思います。

そしてもう一つは、残念ながら「日本人」のプレゼンスが下がっていることもあると思います。

20年前は、まだ日本人=お金持ち。ブランドものを買いに来た若い女性を苦々しく思いながらも、いっぱい買っていってくれる上客としてそれなりに慇懃に対応してくれていたような気がします。

でも今、オックスフォードストリートなどを歩いていても、日本人を見かける頻度はかなり減りました。

今ロンドンで悪い人がねらう「お金持ち」といえば、中国人や中東からの富裕層じゃないかと。
実際、中国の人とアラブ系の人はすごく多い印象。
ブリグジットで大陸からの移民が減って、変わりに中東からの移民が圧倒的に増えたという話も聞きます。
近所に停まっているポルシェやフェラーリといった高級車に乗っている人も中東系の方が多いようです。

同じリスクを冒すなら、狙うべきは日本人よりももっとお金を持っていそうなセグメント、ってことですかね。円もアレだし。。

犯罪者から相手にされなくても全然いいんですが、ああ、もう経済大国じゃないんだね・・・と実感するのはさびしくもあります。

ということで以前よりは人とすれ違う時にピリピリせずに済むようにはなった気がしますが、とはいえもちろん、日本にいる時よりは圧倒的に用心する必要はあるわけで(2022年のロンドンの凶悪犯罪発生数は日本の約60倍、窃盗犯罪発生数は13倍)。

・スマホを盗まれないように、歩きスマホはなるべくやらない&見る時は周りに注意を払う。
(首からぶらさげるのも危ないそう。引っ張られて引きずられることもあると聞きました)
・なるべく夜遅い時間に出歩かない。
・デモを見かけたりしたら、なるべく近寄らない。
・貴重品の取り扱いは慎重に。置きっぱなしは置き引きにあうものと心得る。
・警察の恰好をした犯罪者もいるので声をかけられてもむやみに信用しない。
・支払いの前に請求金額を確認する。

こうしたちょっとした心がけをしながら、必要以上にビクビクしすぎず、堂々としていることも大事。隙を見せるとつけこまれます。


正直ブリグジットによってもっとイギリス経済は大打撃を受けているのかと思ったのですが、確かに労働力不足は深刻なものの、どうやら今のところそこまで壊滅的でもないようです。

労働党になってそれがどう影響してくるのか、その結果治安はどんな影響を受けるのか、注視したいところではありますが、
心配性の私も今のところ「もうイヤ、怖い、おうち帰る・・・」とまではなっていません。
2年間このまま無事に終われますように・・・。




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