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【2024年冬イタリア旅行期】建築技術に圧倒されまくり、ローマ編

続いてローマ!

ローマの目的はもちろん、遺跡
次男のリクエストである「コロッセオが見たい」にお応えしつつ、
周辺の貴重な古代ローマ遺跡を回り、
ついでにメジャーどころもさらっと触れておこう、ということで、私が組んだ本日の旅程表がこちら。

コロッセオ

パラティーノの丘&フォロ・ロマーノ(この二つはコロッセオと合わせてセットで、一度出ると再入場できないチケットだった)

真実の口

ランチ

カラカラ浴場
↓ (電車移動)
パンテオン

トレビの泉(ホテルのすぐ近く)

ホテルへ


この日だけで2万5千歩以上歩きました。
カラカラ浴場が思った以上にデカかったので疲れてしまって、パンテオンまでの移動は地下鉄を利用しましたが、それ以外は基本徒歩移動。

なにせロンドンと違ってスッキリくっきり青空!なので寒さをそれほど感じることもなく、犬も歩けば遺跡にあたるローマは、とにかく歩いていて楽しい街。
石畳が多いので靴底厚めなスニーカーなど、やわらかくて歩きやすい靴がおススメです。

まず、コロッセオ


おなじみのフォルム~

気分を盛り上げるために映画「グラディエーター」を観て臨んだのですが、ほんとそのまんま。

あの映画を観た方はわかると思うのですが、コロッセオは飢えた猛獣と剣闘士(奴隷)や剣闘士同士を死ぬまで戦わせ、その様子を見て楽しむ娯楽施設でした。
(これと浴場で市民の視線を政治や山積みの社会課題からそらし、不満を抱かせないことが目的だったとか)

人間てそこまで残酷になれるのか・・・。
あの映画で、檻に入れられたた猛獣が下からエレベーターみたいに上がってきて解き放たれるわけですが、それは実際にそういう設計になっていたようで。

とにかく地下の構造がすごいんです。地下が二層?三層?になっていて。

これを設計する人もすごいし、実現する人もすごい


この複雑な構造!特別なチケットがあると下まで降りられるようです(私は入れなかった)


コロッセオは紀元80年に完成した円形闘技場。
(ゴジラー1では、この中でまるまって寝てましたね)

5万人収容できたそうです。ウェンブリースタジアムやん!!

なぜこんな風に欠けているのか、あったはずの床板や柱がなくなっているのかというと、中世の教皇や皇帝がコロッセオを資材として、破壊して大理石などを持ち出すように指示したから。

なんとバチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂の建立に際してもコロッセオから大理石が持ち出されたのだそう。ばかー!!!

面白いのが、コロッセオの壁だか柱だかに書かれた落書きが保管されていたこと。
小学生か!宇宙人か!というヘタウマっぷりで、センスは現代と変わらない。
これで1~5世紀に描かれた落書きだっていうんだから笑えますよね。


「クラゲとグラディエーター」


下半身、力尽きてるやん・・・
りんご?

コロッセオだけでいくらでも語れるほど興奮したんですが、この調子ではいつまで経っても先に進まないので、次はパラティーノの丘!

私が手配したチケットは、「コロッセオ&フォロ・ロマーノ、パラティーノの丘の入場チケット」(時間指定ありで、行列に並ばずにすむ)。

コロッセオを出た後、フォロ・ロマーノとパラティーノの丘の両方の入り口から入場する(同じチケットを見せる)のですが、一度出てしまうと再入場できないそう。

なのですが、注意したいのは中にはカフェ的なものはありません

ペットボトルとお菓子の自動販売機はありましたが、「ちょっとコバラがすいたから紅茶とマフィンでも」みたいなことはできないんです。

なのに、めちゃくちゃデカイ。
なにせ、皇帝の私邸や宮殿があったところなんですから、こぢんまりしているわけがない!

フォロ・ロマーノとパラティーノの丘には何時に入らなきゃいけないと決まっているわけではないので、コロッセオを出た後に周辺のカフェでひと休みして軽食でもとっておけばよかったかな(朝食抜きで出てきちゃったので)、と思いました。

さて注意事項はこれぐらいとして、パラティーノの丘ってなんやねんというと、ローマ発祥の地なんです!

ローマ建国の伝説として語られる「ロムルスとレムスという双子の赤ちゃんが狼に育てられ、のちに兄のロムルスがローマを建国した(ローマ=ロムルスが語源)」というあの物語の舞台が、このパラティーノの丘。

ここからローマがはじまったんですよ・・・つまりすべての道はここにつながってるんや・・・!!!


紀元90年前後に建てられた宮殿、「ドムス・フラヴィア」の庭
皇帝アウグストゥスが私邸として建てさせたドムス・アウグスターナの一部。私邸??
中庭を囲む回廊があったようです。広!
アウグストゥスの妻、リヴィアの家。なぜ離れを?ここで何を?
といろんな物語が浮かびました・・・(結婚前から持っていたようです)
丘のうえから見下ろす、フォロロマーノとコロッセオ(とコンスタンティヌス帝の凱旋門)


そしていよいよ、フォロ・ロマーノへ。

※ここをしっかり味わうために、コテンラジオで事前に「カエサル」の回を聴きました! 背景をイメージできて、超オススメです!


なんかもう、足を踏み入れただけで泣けてきました。
よくぞここまで・・・残っていてくれて・・・本当にありがとう・・・・


サトゥルヌス神殿の遺構。上部にある文字はラテン語で、
「ローマ元老院と市民は火災で破壊されたものを修復した」と書かれているそうです

もうどれほどの歴史的価値かと思うとすべてがまばゆくて、目がつぶれそうでした。

現在のEUに匹敵する領土を治めていたローマ帝国の政治的、経済的、宗教的中心地。
ここで共和政政治が行われていたわけですよ。。元老院もここに・・・。

そしてフォロ・ロマーノのは神殿が多く残されていて、つまりギリシャ神話に出てくるようないろいろな神様を奉っていた多神教時代と、キリスト教に一本化された後の史跡が混在しているんですよ。
神様同士ケンカもせず、平和~!



フォロ・ロマーノがつくられ、栄えていたころ、日本はまだ縄文時代。

そこから徐々に政治も文化も成熟していき、権威の象徴として大きな建造物をつくり、信じるものの対象も変化していったことが、ここを歩くことで体感できるわけです。

日本も狩猟生活から定住生活へと移行し、クニをつくり、権威を示すために大きな墓をつくり・・・と変化していくわけですが、その建築技術や都市計画、インフラの発展はローマの方が一歩も二歩も進んでいたのですね。
高度・・・!



もっともっとこの時代のことを勉強していれば、もっと味わい深かったはずと思うと、「横文字の名前が覚えられない」という理由での日本史選択がいまさらながら大変悔やまれます。

とはいえ、そんな私でも知っているカエサルや五賢帝の時代の舞台になった場所が「実在」しているという実感は、感慨深いなんてものじゃない。

物語でも伝説でもなく、本当に2000年以上前にここでひとびとの営みがあり、信仰があり、戦争をしてそれでも今より幸せになるためにどうすればいいか、その時々で試行錯誤してきた積み重ねが、たしかにあった。

その点と点がつながる感覚を味わいたくてローマに来たんです。
その点の距離がはなれているほど興奮するから、私は縄文文化が好きなのかなあ・・・。


もうここまででだいぶハフハフ、おなかいっぱい。
とはいえ胃はからっぽなので、ランチを食べて「真実の口」へ。

ほんと、いわゆる写真スポットです。15分くらい並んで写真を撮ったら退場。


「嘘をつく人が手を入れると噛みつく」という伝説は、不誠実な配偶者を見つけるために中世に使われたそうですが、制作時期は1世紀ごろと実はかなり古いもの。
ローマが誇る下水溝(マンホール)のふたとしてつくられたものだったんじゃないかと言われています。

でも帰りの通路は教会のなかを通るのですが、こぢんまりとしたなかにも落ち着きがあって、やさしい気持ちになれる場所でした。
ゴテゴテしていなくて木目調だからかな。


梁?があるのも親しみを感じる

続いて、カラカラ浴場へ。

いやまさかあんなに大きいとは思いませんでした。風呂でしょ?と思ってなめてました・・・。


入り口ドーン!


まさかの二階建て!人間の大きさと比べたら、その広さ高さがわかりますよね
タイルびっしり!
タイルの種類もいくつもありました


「あのてっぺんに巣をつくった鳥は賢いな、鳥以外天敵が近づけないから」と夫
イメージ図


お風呂だけでなくプールもアスレチック的なものもあり、ボードゲームもできる総合娯楽施設だったそうです

このスケールは実際に来ないとよくわからないので、迷ったら来るべし、です(迷わなくてもぜひ)。


そして最後にパンテオン

ラファエロをして「天使の設計」と言わしめた万能神の神殿で、現存するローマ建築の最も完全な遺構なのだそう。


正面はギリシャ建築。なぜなら天井が水平+伝統的な△破風だから


クーポラの天窓。リアルに開いているので、光も雨も雪も入ってきます


30代で夭折した天才ラファエロのお墓もここにありました


この円形の屋根を実現できたのは、当時最先端技術だったローマ建築様式で、コンクリートを使用しているからこそ強度に耐えられるのだそう


柱の圧が強すぎて・・・

実はパンテオンだけでなく、コロッセオやカラカラ浴場などにもコンクリートは使用されており、紀元前2世紀ごろから使われていたのだそう。

しかも、現代のコンクリートよりも環境負荷が低く、海水に触れても劣化しないどころかむしろ強度が増すことが最近の技術でわかってきて、近年注目されているのだとか!!


すごくないですか、ローマの建築技術。
だけどローマ帝国の崩壊によって詳細な製法は失われてしまったのだとか。

感動しすぎて一日中センサーが振り切っていた、ローマ。
翌日はバチカン市国からスタートしますが、今日はこのへんで。

晩ご飯はローマといえば、のカルボナーラ。
ぷるぷるでした!!うま!!!



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