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シノヘ歴②(0年目の4月のこと)

↑ 前回はまだ、四戸がシノヘになる前のお話。

2-①.生活基盤を整えろ

4月になっても、あいかわらず僕は自転車に乗って走り回っていた。
春って暖かくて気持ちいから外出が嬉しい、のんきなもんだ。

家にいるときはもっぱら、隣人の喘ぎ声を聞くために壁に耳をつけていた。「あんあんあぁぁ~ん。うぅぅぅ~!!」

あんあんあぁぁ~ん?? あん・・? an? バイト探しはan。

「そうだ!俺バイト探さないと!!!」

僕は3月から大阪にいたのに、2週間ちょっと働けていなかった。
これには理由があって、前職の有給消化中であったため二重在籍にならないように退職日を待ってからバイトを探そうと先延ばしにしていた。

「どんなバイトしよかなぁ。。」

バイトなんて3年ぶり、学生時代は本当にたくさんのバイトをしてきた。

 ・ホテルの宴会場でサービススタッフ
 ・ミスタードーナツ
 ・まいどおおきに食堂
 ・ビアガーデン
 ・6店舗チェーン展開の聞いたことないカラオケ屋
 ・↑ が潰れた後に居抜きで入った個人経営のカラオケ屋
 ・シティホテルのレストラン
 ・地元の市民ホールの貸館受付
 ・特別養護老人ホーム
 ・派遣の数々
  (夜勤で8時間サバの骨を抜くバイト)
  (ベルトコンベアに流れてくる箱にチョコを入れる仕事)
  (ベルトコンベアで流れてくるコロロの端をハサミで切る仕事)

覚えてるだけでもこれ以上、色んなバイトを経験してきた。

見ての通り、非常に飽き性なのである。
幸い真面目に働くことはできるが、一度不満を持ってしまうと続かない。
上記のバイトで一番続いたのが、3度の夏を越えたビアガーデンだった。

3年の社会人経験のおかげでイヤな仕事への耐性はできていたが、
それでもなるべくイヤだと思わない仕事をしたいと考えていた。
ぼんやりと求人サイトを見ていると、隣の部屋はシャワー音になっていた。
マジでなんでも聞こえる部屋やったな。
(隣人が芸人と知ったのもネタ合わせの声が聞こえて気づいた)

そんな時すごく楽しそうな求人が目についた。

求人A.ダーツBar店員
 ・時給1100円(深夜 25%UP)
 ・アミューズメントBar
 ・感染対策により、営業自粛なし

求人B.宅配ピザ屋
 ・時給1150円(研修時 1100円)
 ・原付バイクでの配達担当
 ・面接に来たら、ピザ1枚無料券プレゼント

迷わずどちらも応募した。僕はピザもダーツも大好きなのだ。
しばらくして折り返しの電話があり、数日後に面接の連絡をいただいた。

 2-①A.ダーツBarの場合


まず面接に行ったのは求人AのダーツBar
アムザの上階にある海賊ドクロのお店だ。

面接に行くとエントランスで小綺麗なギャルが出てきて、一言挨拶。
(えっちちちちちっっっ!!)
ここで働くと心に決めた。
その子に呼ばれて出てきた店長は30歳くらいだったが、NEWSの加藤君にそっくりのイケメンだった。
僕もイケイケ集団の仲間入り、一緒に働きたいとグッと感じた。

少しだけエントランスで話をして店内に案内された。
だだっぴろいフロア。うっすらAViciiとか流れてた気がする。
そして面接を実施する部屋まで通されたのだが、開店準備中のスタッフたちが僕に向かって挨拶をする。

「いらっしゃいませぇ~、ヨォォォホォォォォ~!!!」


めっちゃ海賊だぁぁぁ。。

僕の羞恥心はコレに絶えれず、一気にここで働きたくなくなった。
そこからの面接は覚えていない。僕はもう働く気はなくなっていた。
すごくキラキラしたイケメンが夢とかの話をしてくれた気はする。

帰りにスタッフボード用の写真を撮られたのだが、どうせあんな陽キャたちは僕の写真に落書きでもして笑ってるのだろう。トホホだぜ。。
(本当は面接中にコーヒー出してくれたり凄く良い人だったよ)

羞恥心が原因でダーツバーは合否連絡を待たずして選択肢から消えた

 2-①B.宅配ピザ屋の場合

こちらの面接はダーツBarの数日後だった気がする。
履歴書を丁寧に記入し、自転車で面接に向かう。
ここは家から非常に近く、余裕を見ても7分で着いた。

僕は倹約家な祖父母の家庭に育ったので、栃木に住んでいたころを最後に宅配ピザなんて口にしていなかった。CMで見るたびに美味しそうだなぁと思っていた。
それこそ宅配ピザ屋さんに行ったことなんてなかった。
(ピザは食べたことがある、舐めないでほしい)

どんなとこなんだろうとワクワクしながら5分前に到着。
緊張しながらランチ終わりの暇そうな店内に入った。

オープンキッチン形式で、入店してすぐ正面にレジカウンター。
こんな作りなんだぁと見渡して挨拶を忘れていると、入店音に気づいた若いスタッフの方が奥から顔を出した。

笑顔で「いらっしゃいませ」と声をかけてくださる店員さん。
よかった。「ヨォォォホォォォォォ~~」は無い。
僕も負けない笑顔を作り、面接のアポで来たことを伝える。

するとそれを聞いていたであろう責任者らしき方が出てきて、面接用紙を渡して記入を促してきた。ちょっと愛想が悪い人だった。

記入を終えて面接を開始。
淡々とシフトのことについて聞かれる。
週何日、何時間入れるのか。クリスマスは? 年末年始は?

「全部いけます!!」
面接用紙のシフト欄には,全ての曜日にOPEN~CLOSEと書いていた。
電通もびっくりの労働意欲である。

こんなものはお手の物だ。
面接におけるシフト可能日なんてものは、相手が入ってほしそうなシフトを伝えることで合格率が格段に上がる。たとえ嘘でも!!

ただ僕の職歴を睨んだ担当官が一言、「NSCに行くんですね?」
バレてしまった。まぁ書いたのは自分なのだが。

「はい芸人になりたくて。スケジュールとかも不明で、どれだけ入れるかも正直まだ分からないんですけど、、」
バイトに落ちることは恥ずかしいと思っている僕は、絶対に落ちないよう好印象をキープできそうな回答をたたき出した。

「あぁ。じゃあこの希望シフトは?」
さすがに馬鹿じゃなかった。めちゃくちゃ墓穴を掘った。

「えぇ~と、卒業後にこれくらい入れればなと思ってます」
 「NSCのうちは授業スケジュールに合わせて沢山働きます」
さすがソフトバンクもパナソニックもリクルートも3次面接までは乗り切った対応力だ。役員までなら僕のハッタリが通じる自信はあった。

「了解。ありがとうございます」
僕「こちらこそ貴重なお時間ありがとうございました」(キラキラ笑顔)

また合格連絡をするので、後日書類を記入しに来てくださいと伝えられて、面接は終了した。やり切った思いで帰ったが何かを忘れている気がした。

(((あぁ。。ピザ1枚無料券もらってない。。。)))

今晩はピザを食べるぞという気持ちで面接に向かったが、卵かけご飯とみそ汁を食べて就寝した。

2-②.もうすぐNSC入学式

結局、宅配ピザ屋にアルバイト入社した。
予定もなくプラプラしてた日々とはお別れをして、久々に乗る原付にビビりながら研修を受ける日々が続いていた。

正直メチャクチャ楽しかった、1ヶ月働いていなかったので全てが新鮮

愛想のない面接官が教育担当についた。
なかなかいびられたが、別に社会人時代に比べればこんな人いるよなぁくらいのもの。周りの学生バイト達から心配されたが全然苦痛ではなかった。

最終的に2年働く内に分かったが、全然イヤな人ではなく逆だった。
はじめに厳しめに研修を行って辞める人を見極めることで、店としても本人としても時間を無駄にしないためとのこと。前時代的だなぁ。。笑

そんな風にピザ配達に没頭していると、入学式はすぐやってきた。

2021/4/21 早朝に 笑いの殿堂なんばグランド花月で実施された、

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