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48歳 30年の呪縛から放たれる

私は現在48歳です。この”note”にいろいろと書き綴ることで、自分の今までのことを振り返ったり、自分と向き合ったりしています。

これまでの写真を全て整理しました。自分のものだけでなく、亡くなった両親のものも。今までどうしても捨てられなかった写真たちのほとんどを処分し、残りはデータ化するサービスへ。

捨てる前には、いろんな思い出を再確認しながら全ての写真に目を通しました。学生時代の輝く笑顔の母、女性と得意げに写る若気の至りでしかない父。「こんな写真、娘に見られて恥ずかしいんじゃない?」とツッコミを入れながら、二人の生き生きした青春時代を微笑ましく眺めました。幼少期の自分の写真も、夫婦関係が破綻する前の両親が幸せそうに写っていることが嬉しくて、そんな若い頃の二人が可愛らしくも感じられて、自分が誕生したことの意味を確認できたような気持ちになりました。学生時代の笑顔いっぱいの自分も、周りの友達の笑顔も、誇らしい気持ちで眺めながら、いろんなことを思い出しました。

ところが、別れた夫との写真が出てきた時、急に今まで感じたことがなかった気持ちが湧き上がってきたのです。私と元夫は付き合いも長かったので、とてもたくさんの写真が残っていました。今まではその写真を眺めるたび、「なぜ別れたんだろう」「この頃は幸せだった…」と後悔の涙がこぼれて、泣きながらアルバムのページをめくっていたのに、今回はなぜか、こんな写真を山ほど持っている自分に対して胸の辺りが気持ち悪くなったのです。

18歳で彼を好きになって、彼のことで頭がいっぱいで、結婚して離婚してもやっぱり彼のことが忘れられなくて、いつのまにか心の中で彼に語りかけたりしていた私。30年間も一人の人をずっと心の中に置いて、現実と向き合えなかった私。ただ幻の中で夢を見て、それが居心地が良くて、だから現実の世界でちゃんと恋愛する覚悟もなく、ユラユラ生きてるんだ。
ああ、そんな自分は好きじゃないな。

「もう彼との写真はいらない!」心からそう思えました。

そうしたら、涙と笑いが一緒に吹き出してきて、何かから放たれたような、暗い場所から出てきたような気がして、そんな自分が嬉しくなったのでした。


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