ガイアエデュケーション2021<地球と人と自分のための6ヶ月>
4月
東北〜九州まで、全国から集まった、年齢も性別もバラバラな20人の「仲間たち」の「合宿」でした。持続可能な社会は持続可能な人間関係から。そんなキャッチフレーズに惹かれて、そもそもコミュニティ作りってどうすればいいの?と暗中模索だった私に、ぴったりの企画でした。
広いワンルームに輪になって、ぽつりぽつりと発言していく。まるでみんなで「お鍋」を囲むような。とても不思議なプロセスでした。
食事から、夜合宿所でのおしゃべりまで、本当に朝から晩までずーっと一緒で、でも初対面とは思えないような独特な共通意識があって、面白い場でした。
鈴鹿コミュニティという「場」を見学しました。共同経営しているお弁当屋さん、農場を見学しました。
そして「人間関係を学ぶ」という独自のプログラムの説明を聞いて新鮮でした。
毎回一回はある、オンライン公開講座。辻信一先生の「グローバルに未来はない、持続可能な地球は地域中心経済から」「スロー・スモール・シンプル」「人間の本質は競争よりも仲間」というお話は、とても軽やかで説得力がありました。
5月
「話し合う」「人を聴く」というテーマでの話し合い。私は父親との関係がうまくいっていないことをカミングアウトし、皆さんの中にも、親子関係、夫婦関係での悩みがそれぞれの世代・立場であるのを目撃して、共有する時間。
私にとっての人生最大の悩みにドストライクで、けっこうきつい時間でしたが、それもあえて自分から投げて、ここを超えないと私の未来もないよなーという気持ちで。
オンライン公開講座は、内藤正明先生の「人類持続の社会は地方から」。今の地球の危機的な状況をこれでもか!というほどデータで見て、その回答は小規模分散型の社会、その構築は地域社会から始まっているお話でした。岡山を起点に私がやろうと思っていることと一致していて、ビジョンが広がりました
ソーヤー海さんの「共感コミュニケーションWS」。細身で髭の「自由人」イメージそのもののルックスの海さん(笑)。カードを使ったり、付箋に文字を書いたりして、ゲーム感覚で学ぶのですが、自分がいかに人の話を聞いていなくて自分が言いたいことしか言ってないかが露呈して、面白かったけど、凹みましたw
子供たちが遊んだり、竹や山菜もとったりできる、共有の里山も見学しました。お世話してくださってるおじいさんが、脱力系で面白い方でした。こういう人たちが集まってるのね
一見スーパーみたいに見えるけど、値札とレジがない。食品から日用品までなんでもある。驚きの共有システムを見学させていただきました。
6月
この回は、長野県安曇野のシャンティクティに宿泊。言葉だけ知っていて未経験の「パーマカルチャー」を見学することになります。
まずは到着するなり、その緑、自然の美しさに圧倒されました。色とりどりの花が咲き、さまざまな野菜が少しずつ植えられ、小川が流れて、天国かと思いました。これまた言葉だけ知っていて未経験の「アースバッグ住宅」、手作りの建物も、まるでおとぎの国のようでした。
ここを経営する臼井健二さん、朋子さんご夫妻の、ここまで至るまでのお話が面白く、一貫して強い「信念」に感動しました。「みんな、素直だねえ。俺は人の言うことなんか聞かないよ」と苦笑いしながら呟いている様が、カッコよかった(≧∀≦)。
朝、庭の野草を採って、皆で外のかまどで調理して食べるのも最高でした。食べ物は「買う」ものでも「作る」ものですらなく、その辺に「ある」ものだということにカルチャーショック。
その他の食事も、オール菜食で、心のこもったアジアンな感じの手作りメニューで、素晴らしく美味しかった。
そして、目を閉じて味わう「食べる瞑想」も感動的だったし、洗剤を全く使わず水も最小限で、環境に負荷をかけない調理や食器洗いも、体験しました。
湧水、太陽光発電、コンポスト、環境と調和して生きる仕組みを実体験しました。全てが完結した小さな家や、種を保存するための「種の図書館」の試みなど、貴重な経験でした。
近場の温泉施設にみんなで行って、露天風呂に入ったり、地場野菜のジュースやお酢ドリンクを飲んだり、ここでも最高に楽しみました。
7月
再び鈴鹿での合宿。「自分らしく生きられる組織」というテーマで、「上司も、責任者も、規則もない」鈴鹿コミュニティでの、働き方や経営のお話。「できる人がやる」「責めない」「ダメならやめる」現代人の常識から離れた働き方の生きた実例の目撃。
農場、お弁当屋さん、託児、それぞれの職場からお一人ずつ来てくださって、どういう経緯でこの仕事についたのか、どのように働いているか、質疑応答も交えて、生の声を聞かせていただきました。
学校をやめたフリーターや高年齢の主婦、就職市場では不利な方々が、生き生きと個性を活かして働いている、「その人を輝かせている」のを垣間見て、理想を感じました
「私の人生、これまで、これから」を画用紙にクレヨンで描いて発表すると言う、棚卸し的なWSもやりました。自分の人生の光と影を、絵にするというのも、ほとんど自分を知らない方に見てもらうというのも新鮮でした。まあ、人生棚卸しだよね。それを、他者と共有する、というのが、新しい手法でした。
8月
緊急事態宣言の影響で、オンライン開催になりました。岡山のワンルームマンションから、都会での日常(笑)を送りながらの参加が面白かった。本当に、時空を超えてる?感。
いつもはマスク越しのみんなの顔が見れるのも、逆に嬉しかった。
本当は泊まる予定だった、神奈川県のトランジションタウン藤野から小宮山よしえさんのお話。手作り感あふれるウッディなおうち。
トランジションタウンというのは初めて聞いた言葉で、エコビレッジが「人里離れて」「孤立して」いるコミュニティのイメージだとすると、アズワン鈴鹿のように、地域の中に混在するイメージ。コミュニティ作りって難しいんじゃないの?という不安があった私にとって、「こんなやり方があるんだ!」という心強い情報でした。
どのように小宮山さんが自然との共生に目覚め、藤野の中にコミュニティが作られていったかの経緯をお聞きしました。
また、トランジションタウンというのはすでに全国に70ヵ所も展開されていて、つまり先輩や成功事例がいっぱいあるということ。もし始めたかったら教えて貰えばいいし、困ったことがあったら相談すればいい。もうすでにある輪の中に飛び込めばいい。ということがわかり、希望が湧いてきました。
藤野で使われている地域通貨についてもお聞きしました。言葉だけでよく知らなかった地域通貨を、実際にどのように使っているか、どのように始めて、どのように終わるのか、どんな意味があるのか、学びました。(ちょっとめんどくさいけど笑)作ってみよう使ってみようと思えました。
ドローダウンという言葉も初めて聞きました。環境破壊が進んで地球環境が取り返しがつかなくなる段階から、「引き返す」ための具体的提案。
個人レベルでできることも、世界規模でしかできないこともあるけれど、実は有効なのは「コミュニティ」単位、学校だったり会社だったり地域だったり、顔の見える人の輪の力が実はあるということも、納得でした。
公開講座は、シェアハウス「ウェル洋光台」経営の戸谷さんのお話。社員寮を改装して、外国人も含め35世帯が住む中規模なシェアハウス。これが楽しそう(笑)。私が東京で経験した、基本的には「他人がただ同じ空間を共有しているだけ」というシェアハウスではなく、一緒にパーティーしたり、そこで子供たちが育ったりする、「家」「家族」的なシェアハウス。周りは緑が植えられ、常に満室。これは一つの理想で、こんなのも現実にありなんだ、と、自分の直接の目標に近いだけあって、興味深かったです。
「本心で生きる」ということについて話し合いました。私自身は本心で生きているつもりだけど、もう一方で、身近な人が本心で生きられるように関われているか?相手の本心を大事にできているか?というと、不十分な所もあります。
自分だけが本心で生きている「つもり」でも、それは「誰もが本心で生きられる」場ではないよね。考えさせられます。
9月
そしてあっという間の最終回。コロナ戒厳令の中、PCR検査を要請したり、一部の方はオンライン参加になったり、厳しい面もありましたが、半数は集まることができ、やはりリアルで会うことの良さを実感。夜のフリートークの時間も、リアルMTならではです。
シェアハウス経営やコミュニティ運営の光と影をたくさん見て、超えてきた、小野雅司さんのお話は、私が一番聞きたいところ。「他人同士が一緒に暮らしてうまくいく」というのは、従来の常識で考えるととてつもなく難しいことのように見えます。
最も難しいからこそ、新しい知恵がある。小野さんからの答え、キーワードは「研究」。答えはないので、常に研究し続けること。これは「正解」に代わる新しい答えなんだなーと再認識です。
公開講座は、TVなどメディアでの発信をされていた谷崎テトラさんの「withコロナ時代のワールドシフト」多岐に渡る分析がエキサイティングでした。
密教の三密(口密・身密・意密)をVISON・BEING・SYSTEMと読み替え、過去・現在・未来という道筋に当てはめ、現在を蛹化(ようか)=「蝶になる前の蛹(サナギ)」の時代と見立てるその構造が面白すぎました。
繋がり方の研究で、ネットワーク理論を紹介され、ハブ(拠点・ポイント)となる人物から広がっていくモデルが世界を変えていく理論になる、3.5%の人の変化が革命を起こしていくというお話も興味深かった。
高度な知性を持ち、テレパシーも使える?イルカの研究、アイソレーションタンクによる思考実験、潜在意識に繋がって胎内記憶にも遡る話、催眠療法や霊的な世界の話ともう紙一重で、超わくわくしました。
「実は無人島にコミュニティ作る実験を始めている」と言うお話をされていて、それは私が牛窓のカフェのマスターから聞いた「今無人島で新しいことを始めている」のと同じ話じゃないの?とわくわくしました。島の名前は教えてくれなかったけど、ほぼ確信に近いですw
久高島に行ってインスパイアされたお話をされ、その時私が着ていたのはたまたま久高島でお土産に買ったTシャツだったシンクロに萌えました(笑)。
聞き手の熊倉敬聰さんは、さかんに一休和尚のアヴァンギャルドな生き方を紹介していました。
とにかく情報量が多くて、大満足でした♡
6ヶ月を振り返って
知りたかったことを知れた情報、知識だけだったものが体験、志共有する仲間、そして「心の探求」、毎日美味しいもの(笑)。
直感で飛び込んでみて、ここから人生が変わっていく予感。前に進むために必要なものはすべて揃った。そんな気持ちです。
これから私の一歩は、「牛窓に住む」こと、そしてとりあえずは「シェアハウスをやってみる」こと、その先は「コミュニティを作る」こと。
そしてその先はきっと「世界を変える」こと。一つは「地球」「環境」、もう一つは「社会」「生き方」。大きすぎて雲を掴むようだったテーマが、手の届くところに見え始めました。
勉強したいこともいっぱい出てきて、わくわくしてきました。一人じゃなくて、仲間や素晴らしい先輩がわんさかいるということがわかって、めちゃめちゃ気が楽になりました。
そして最大のネックだと思われていた「心のこと」に、道筋が見えてきました。宗教も道徳も学問も誰も実現できなかった「人類最後のネック」を超えるメソッドにこれがなるか?
「実験」が大好きな私の性に合ってる。残りの人生全部賭けてもいい、「楽しい大実験」になりそうです。