「最初から完璧」なんて、ありえない
親子であふれ返る絵本原画展。
親が子の写真を撮るために
フォトスポットの前で長い列をつくるなか
私は「仕事」について、考えながら
涙をこらえる。トリハダが止まらない。
絵の具で描かれた原画と一緒に、
えんぴつで描かれた下書きが飾られている。
主人公の表情や背景、
下書きと原画では違うところがある。
下書きより原画の方が、いい。
かわいい表情になっている。
私の口角が、気づいたら上がっている。
原画には、白い絵の具で塗りつぶされている
ところがある。
描き直したのだろう。
プロット(筋書き)には、
二重線が引かれて書きかえられていたり
後から思いついたのか書き加えられていたり。
有名な絵本作家さんでも、描き直す。
「最初から完璧」なんて、ありえない
のかもしれない。
親子であふれ返る絵本原画展で
仕事の「やり方」、仕事への「姿勢」を、見た。