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ものづくりの熱量に浮かされて

コピーライター阿部広太郎さん主催、言葉の企画2020 第2回目の講座はテレビ朝日で、「あいつ今何してる?」、「あざとくて何が悪いの?」や、「探シタラTV」など、数々の番組を作り出している芦田太郎さんがゲスト講師として登場してくださいました。

◾ずっと「ものづくりの人」に恋い焦がれているはなし

私は、「ものづくりの人」が大好きだ。というか、ずっとずっと憧れている。

分野は問わず、熱心に、一本通った筋の元、自分の「想い」を具現化していく人たち。

いわゆる、職人気質の人。徹底的に一点を見つめて、技術を磨き上げる人。自分に、作品に妥協を許さない人。

芦田さんからは、強い信念のようなものが伺えて、講義当日はずっと引き込まれていた。今回の企画を通して、芦田さんと阿部さんの10年に渡って切磋琢磨してきた関係や、「仕事」と「自己実現」の捉え方がお聞きできて、本当に胸が熱くなった。(いつか、みんなと)

「テレビの企画」を考える

事前に共有された課題オリエンは以下。

「フワちゃん or バナナマンをメインに据えた、ゴールデン帯のファミリー向け番組を考えてください」
・不必要に人を傷つけるような番組にはしないこと
・自分が見たい番組にすること
・特番ではなくてレギュラーに耐えられる番組にすること

◾「or 」の意図を巡ったはなし

メインキャストの起用に「or 」がついていた。ということは、企画生には選択権がある。どちらを選ぶか、の時点で企画は始まっている。

・「人」ベースで企画を考える?

・「企画」ベースでキャストを選ぶ?

どちらにも不正解はないと思うけど、今回、芦田さんが出してくださった課題の意図というか、芦田さんは企画生から何を見たいと思ったのか。メインキャストを「or」にした理由を考えた。

そもそも、メインキャストに指定がある時点で、「人」を中心に番組が展開していくようなイメージを持った。芦田さんの筆跡をたどっても、「この番組の〇〇が一番おもしろい!」となる番組づくりに信念を持っているように感じた。

私は迷いに迷って、フワちゃんを選んだ。TV業界にとって、「フワちゃん=新しさ」の象徴のようにも、フワちゃん自体のキャラにも余白を感じたから。

実際の講義で芦田さんは、TV業界自体、年々変化していること。TVが若返りの時代に差し掛かっていること。YoutuberはTV業界にとって、敵ではないことなどをお話してくれた。

人ベースで、面白さを信じて余白をつくる

大切さを教えてくれた。タレントへの愛がある番組は、見ていて気持ちがいい。今回の企画を考えるにあたっても、フワちゃんの事はかなり調べた。

そして、「TVならでは」を理解すること。何重構造もの、複雑な企画が出来るのがTV。

◾「そもそも」と「人」と「世の雰囲気」のはなし

「面白い企画」とは何なのか。

まず、「面白い」という感情について、ざっくり、

・笑える

・知的好奇心を刺激される

の2パターンがある。いずれにせよ、企画をつくるうえで、人が「面白い」と感じるかどうかは非常に重用だ。

「面白い」を考える時、「誰にとって」や、「誰が何をするから」の部分を深堀りしていく。そこにプラスして「世の中の雰囲気」を読むことも非常に重用だなと感じた。

企画生の企画を見渡しても、「とにかく肯定する」「明るく笑いとばす」「やさしい気持ちになる」など、コロナや不況に差し掛かる今、お茶の間がどんな気持ちになりたいかが反映されているように思った。

特に面白いなあと感じたのは、「ふつうとは何か」を考える、企画生沼田さんの「ふつうテレビ」。

世の中が圧倒的に変化している今、メディアが「そもそも」を考えたり、みんなが定義を再考していく切り口は、今の時流にとても乗っているなと感じた。

私が企画をつくる上でも、裏テーマとして、社会的意義というか、電源を付けたらなんとなく流れてくる、受動的な情報キャッチができるTVの特性を生かした部分にはとても興味があったからだ。

世の中の温度感をつかむ、人に対してアンテナを張ること、カルチャーを汲み取っていく工程を大切にして、自分の感性を磨くこと。

◾肉の時代のはなし

この課題を提出したあと、阿部さんからのフィードバックとして、「伝わりましたラジオ」が届いた。

2時間半に及ぶ(!)、企画生+先輩企画生 計114名へのコメントが収録された阿部さんの肉声。

深夜に聴く阿部さんの声、番号順に、ひとりひとりにコメントが発表されていく。まるで、小さい頃夜ふかしをした時、少しばかりの罪悪感と、高揚感が合わさったあの感覚だった。

オンラインの時代だからこそ、「人のぬくもり」が感じられるような企画を。阿部さんが以前おっしゃっていた事を思い出す。

今年の言葉の企画はオンライン。阿部さんは毎回、私達企画生にどう伝えるかを工夫してくれている。企画生も、オンラインのこのコミュニティで、どれだけ「仲間」になれるか、つぎつぎと企画を編み出している。

長い長い梅雨が明けたら、もっともっと「アツさ」を増した事をみんなで。





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