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女性が大学院進学に対する偏見

ほんの少し前の話になりますが、主婦兼大学院生の方のTwitterが炎上していました。
炎上を知った直後から、彼女を陰ながら応援しつつ、見守ってきました。
単純に彼女の動向に興味があったのと、
私自身が博士の学位を持っていないので何か勉強になることが
ありそうな気がしてフォローしていました。

そもそも何故炎上したのか。

「子供を育てながら、大学院に進学していて
奨学金をもらっている」という内容を子供との会話を
交えたツイートでした。


別に叩かれる内容ではないと思います。
お母さん、妻、大学院生の3役をこなしているって
すごいなという気持ちしかなかったです。

でも、一部の人からすれば違ったようで
若者のチャンスを奪うなとかいちゃもんつけてました。
そういう視点もあるんだなと思うのと同時に
沢山思うところが浮かびました。


第一種・第二種等ある某奨学金(貸与型)の場合、
採否は書類&学業の成績で決まったかと思います。

学業の成績ということは、少なからず
高校で予約採用の者は高校で
大学から中途とかで採用の者は大学で
それなりの成績を納めればとれるかもしれません。
(必ずではないけど。)
私は第一種奨学金だったのですが、貸与型って返還しながら感じるのですが
奨学金って名前よりも「学生向け無金利・低金利ローン」だなと。笑


世の中には、さまざまな給付型の奨学金が存在しています。

例えば、その企業に就職することを前提としたような奨学金であったり、
どこかの都道府県に就職することを前提としていたり。

親の年収で採用されるものもあります。
(金銭面で進学を諦める人を応援する?奨学金)

私のイメージも多少ありますが、給付型は研究実績等も考慮の対象になることが多いと思います。

研究実績とは、何か。
例えば、
・論文掲載数
・学会発表数
・国際学会発表数
などがわかりやすいところかもしれません。
それだけでなく、
研究の有用性、
研究に対する熱意や姿勢、
研究を世の中にどう生かす(広めるか)などなど
研究者としてどう身を振っているかとかも見られるのではと思います。

同じ土俵で研究実績等踏まえているのに
本当に若者のチャンスを奪っているのか。


そこまで極端じゃないかもしれませんが、炎上の原因って
「主婦のくせに」だとか「女のくせに」、「若くないくせに」
ってあたりなのかな。

彼女は30代。
私も30代('ω')♪同世代!
研究の世界だと、30代は若いです、本当に。
私の入っているPjでも、私が2番目に若いです。
(1番若い人は2歳下だけど、アラサーよっ)

日本で大学行って、修士取って、博士取って・・・
短縮制度使わずにストレートでやっても
博士取り終わる頃には"27歳"!
アラサーよっ。

アラサーってことは25-35歳の枠内、
一番若くても5年以内に30代にくる。
そんなに大きな差だろうか。

ちなみに、私の所属している学会の若手は
確か45歳以下とかで区切っていたと思います。
(結局年齢関係ないけどね)

少し話が逸れますが、
「時代のカリスマ」で放送された
高畑充希さんのインタビューで、イギリスの友人に
「日本の女性は30歳の節目で、
結婚やキャリアでいくつも選択肢を迫られるけど、
イギリスではそのタイミングが40歳で10年も違うの。
まだまだ若いんだから好きなこといっぱい試して
挫折してもいいんだよ。」っていうエピソードがあり、
これに高畑さんは「だよな」って、
「年齢に縛られてもいいことないな」と話していました。
まだまだ30代は色々なことに挑戦できる・・!


大学に勤務する身なので、色々な学生さんを見るけど
全然来ない学生もいれば
たまにくる学生、毎日くる学生、色々います。

研究室に毎日来るだけいいような気はするかもしれませんが
結局何もしてなかったり、来ているほかの学生の邪魔したり、
研究してなかったら意味ないと思うし、研究とは?って問いたくなる。

努力しているアピールはいっちょ前にするけど
研究は教授や助教に丸投げな人にチャンスあげるべきでしょうか。

言われたことだけやっている人にチャンスをあげるべきでしょうか。

研究室にすら来ない人にチャンスをあげるべきでしょうか。

研究に対して熱意がない人にチャンスをあげるべきでしょうか。

答えは決まってくると思います。

自主性があって、かつ、研究に誠実な人に
チャンスがあるのは当然だと私は思います。


「女性のくせに」、「女のくせに」
まだ性別で判断するのかと思う。

研究の世界で女も男もないわ。

英語の論文だったら、名前のイニシャル+名字しか
表記されないことが多いし。


私がまだ高校生だった頃、4年制大学への進学は
ほんのり親族から反対されていたらしい。(後で知った)
私には兄がいるのですが、大学の学部卒。
親族の中で、女性は短大か専門に進学し、
男性は何人か大学卒だけど学部卒。


それもあってか、彼らの言い分はこうだ。
「女なんだから、短大や専門でいいだろう」
「高校卒業したら働け」
「女なんだから、4年も大学に行かせる必要ない」

専門学校って何かやりたいことの専門性高めるところで
なんとなく行くとこではないと思う。短大も然り。まあ大学もだけど。
なぜ人に決められないといけないのか。
そもそも、必要性を他人に判断される筋合いはない。
それでも、母は大学に行かせてくれた。

大学院進学する時には、さらに反対は強まったそうだ。
「お兄ちゃんが行ってないのに、院へいくのか」
(すごいとか褒められる方ではなく、嫌な言い方でした)

「意味あるの?」
(意味あるから行くのだよ)

さすがに院進のときは、母も「学卒で就職できないか」と
打診してきたが、奨学金を借りつつ
親からの援助なしで修了することを約束して文句言わせなかった。
(そのせいで毎日バイト('_')笑)

博士課程に進学することを決めた頃から、
「修士で就職してくれないか」と何度も母に打診され
迷いながら就活して、結局自分で選んで就職した。
結果、私はこれでよかったと思う。
新卒で入った研究財団では、人に恵まれて沢山勉強させてもらえた。
特許事務所では、先輩たちに沢山可愛がってもらって
知財のこと沢山学べたし、実務がどんなもんか勉強できた。
色々な縁があって、私は今ここで研究者をしている。

もしも、大学院進学を迷っている学生さんがいるなら
自分のためにしっかり悩んで決めて欲しいなと思います。
悩んでいる学生さんは、何らかの事情を抱えているのかもしれませんが
しっかり悩んで、もしも院進を選んだならば
きっとあなたにとって研究は素晴らしい学びを与えてくれると思います。
もしも就職を選んだとしても、院進に未練があるなら
戻ってこれると思います。(自発的な行動を伴うけど)
経済的事情であれば、恩師に相談したり、社会人ドクターを目指したり、
貯金して戻ってくるとか何か方法があると思います。
お子さんを授かったのであれば、子育てしながらとか
ひと段落したらとかどこかのタイミングで
必要に応じてチャンスを掴みにいってください。
就職して未練がなく働くのもまた、社会人・企業人として
色々な経験を積めると思います。それもそれで素晴らしい!

しっかり悩んで、自分と向き合ってください。

誰かのせいにする人生は面白くないぞ!
自分で決めるから面白いと思う。





最後に、女性に学が必要ないはずがない。
学ぼうとしているのに、女性であるということで
何故批判されないといけないのか。

まだ時々目にする四文字熟語、「男尊女卑」。
単に男性が「俺、すごい(語彙力)」でいたいから、
女性優位じゃ困るからじゃないですか。
(勝手に優劣つけるなと言いたいけど)
女性には一歩後ろを歩いてもらいつつ、立ててもらいたいがために
自分よりも出来がよかったり
学歴を持っていることが許せないだけでないですか。


研究の機会にジェンダーは関係ないと思う。

伴って、奨学金の取得もジェンダーは関係ないと思う。

むしろ主婦しながらとか尊敬でしかない。
これからも応援しています。

私も自分が掴んだ機会を大事にしたい。



▼ 彼女かTwitterで紹介していた記事です。
今回の件を非常に読みやすく考察されています。
『大学院と女性①』の最後の方、
彼女に向けられたメッセージにあるブロガーさんの教授の言葉に
何だか私がうるっときちゃいました。


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